アザラシの形態
アザラシには、小さいものでは体重50kg前後のワモンアザラシから、3tを超えるミナミゾウアザラシまで、アザラシの体は種類によって大きく違います。オスとメスの体格的な違いは大きく差のないものが多いのですが、ミナミゾウアザラシではオスの体重はメスの10倍になります。逆にモンクアザラシやヒョウアザラシではメスのほうがオスより大きいという特徴があります。
ゾウアザラシ属とズキンアザラシは繁殖のディスプレイのために鼻が特異な形をしています。

ミナミゾウアザラシ
どのアザラシも総じて首は短く、前後の足には5本指があって指の間には水かきが付き、それがヒレに変化しているのが分かります。アザラシの前ビレのうち空気中に露出している部分はヒトの手首より先の部分にあたります。
ミナミゾウアザラシの体には短い毛が隙間なく生えており、古くから毛皮としての利用もされてきました。
アザラシは優れた潜水能力をもつことで知られています。水族館でも、たてに長い水槽を配置し、水中でのアザラシの姿、水上でのアザラシの姿を観察できるようになっていることが多いです。キタゾウアザラシはなんと1,500mまで潜水したという記録が残っているほどです。鼻腔を閉じることにより海水が体内に入ることを防ぎつつ、肺の中の空気のほとんどすべてを吐き出すことができる体の構造を持っているために、潜水時に高い水圧に耐えられる特徴をもっているのがアザラシなのです。
アザラシを進化の過程から眺めてみると、イタチとの共通祖先から分岐したと考えられています。また、同じような愛くるしい見た目を持つアシカはクマとの共通祖先から分岐し、収斂進化、つまり住む環境が同じだったために類似した形態を獲得したとする2系統説が今までの仮説の主流でしたが、分子系統学的研究により、アザラシとアシカはいずれも共通の祖先をもつという単系統説が現在の主流になっているようです。
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