今月のトピックス

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   「黄金」か?それとも「銃」か?  


 新会社法が施行されて2年が経過しました。英米流の事後規制型への大きな転換も、一見

スムーズに受け入れられたかのように見えます。事業承継のテーマに関しては、新会社法で

採用された、いわゆる「拒否権」付株式の有効活用法などが喧伝されており、識者の中にはこ

れを「黄金」株と直訳する向きもありますが、いささかの違和感を禁じ得ません。

 株主相互間で、あるいは経営権を巡る取締役相互間で、もしくは同族会社での親子親族間

において拒否権が発動された場合、果たしてこれは「黄金」といえる結果をもたらすのでしょう

か。経済的利得=金銭のみを最大の価値基準として考える人々にとっては、反対勢力を叩き

我が意のまま振る舞えるという意味では一見「黄金」といえるのでしょう。

 しかし、資本と経営が一致する中小企業において拒否権を発動するということは、その動機

はともかくとして、反対勢力を断じ、説得を放棄した調和なき経営者の姿勢を衆目にさらすこと

です。これでも、会社を取り巻く従業員、取引先、利害関係者にとってやはり「黄金」といえるの

でしょうか。誤解を恐れずに申し上げますと、拒否権は抑止力にとどまらず殺人の道具にもな

りうる「銃」と何ら変わりません。使い方を誤るわけにはいきません。

 ところで、すでに中小企業事業承継円滑化法が5月9日に成立し、10月に施行される予定で

す。今まさに経営者にとって、自分は何を次世代に残したいのかを考える機会なのです。それ

は財産や名誉なのか、事業そのものなのか、またはそれは親族に対してなのか、会社のスタ

ッフに対してなのかなどを見つめ直す必要があります。

 経営者が交代し、あとに残された財産や事業も、承継する側の者がその御し方(お金の使い

方、事業の経営の仕方)を正しく身につけていなければかえって不幸を招くことにもなりかねま

せん。単なる相続税や財産保全対策を講じるだけでは事業承継問題は解決しません。節税や

財産承継は親族内の関心事にとどまる一方、従業員や取引先、地域社会等からの評価こそ

が結果としての事業承継の成否につながっていくでしょう。

 したがって私たちは、事業承継問題に関しても独立した公正な立場で真剣に向き合い、一過

性のブームや単なる節税策に流されることのないようにしたいと考えています。

 また、拒否権を「黄金」と言い換えるような偏った見方に翻弄されることなく、事業そのものを

次世代にいかに上手に引き継いでいくかについて、経営者の皆様と共に真正面から向き合

い知恵を絞っていく機会にしたいのです。

 「銃」規制があり平和で調和のとれた経済社会の発展が豊かな日本の未来につながると信じ

て。


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