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今月のトピックス
ス 平成14年7月号 今月のトピックス
アメリカで、エンロン社の不正会計・監査処理問題で、あの世界5大会計事務所の一つアー
サーアンダーセンが、消滅の危機にあります。とても信じられないことです。
色々原因が言われています。監査する側の落ち度、あるいは経営者のモラルの欠如などな
ど。
まずアメリカ流の会計が、どういう背景かを皆さんにご理解いただく必要があります。
高度に投資家(株主)を重視する発想から、内部蓄積よりも今年の配当金と株価に関心を強
く持ちすぎるあまり、会計の見積もりの限界を超えてしまって、机上の空理・空論で会計をとら えすぎた結果と思っています。
つまり、極端な時価主義(上場有価証券ならともかく、固定資産についてまで時価主義(減
損会計)を適用したり、負債の時価主義会計である退職給付会計などなど)の弊害と思いま す。
これらは、すべて「一定の見積もり」の上に成り立っています。例えば減損会計は、固定資
産の将来収益獲得金額を見積もって、それを現在価値に割り引いて、取得価格よりもそれが 低ければ、減損処理するというものです。また、退職給付会計は、現存の従業員の将来の退 職時期とその際の退職金を推定し、その発生可能性割合で加重平均を出し、さらにこれらを 現在価値に、推定金利で割り引いて引当金を計算する、といった具合です。
つまり、すべてに、人間の判断、見積もり、推定が関わっているのです。
ここに、経営者の強い思いと、監査人の理性とがぶつかり合い、一定の幅が生じます。時
に、許容範囲を超えた見積もり、推定がなされてしまうことになるわけです。
グローバルスタンダード(アメリカンスタンダード)を盲信しすぎると、第2のエンロン社を日本
でも発生させかねません。
しかし我が国は、企業会計と税務会計がある意味で密接不可分の関係にある(確定決
算主義)ので、ここに一つの歯止めがかかっていると私は思っています。
現に、アメリカでは、企業会計と税務会計は根っこの部分から全く別物ととらえ、別々に計
算をしていますが、日本を見習って両者ををもう少しリンクさせて考えていった方がよいのでは ないか、という論調も出始めているようです。
我が国の、1年に一度株主総会で決議された決算に基づいて税務申告も行っていくとい
う文化は、ややもすれば批判の対象でありました。しかし、この良さを再認識すべき時に来て いると思います。
特に、中小企業においては、いたずらに難解な国際会計基準を適用するのではなく、税務
申告をきちんと行う意識のもとでの会計・決算を行うことで、経営者自身の自己反省の為 の通信簿としての十分な決算報告となるといえるのではないでしょうか。
(文責:久田英詞)
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