2,積乱雲の何が怖いのか?
連日、積乱雲が発達し雷雨がありますね。記録的な豪雨、落雷の被害。
北関東(群馬、栃木、茨城)では夏場、大気の状態が不安定な時は必ずといっていいほど雷雨となります。
ぼけっとしていたら、どしゃぶりに会う。山で足止めをくっていたら落雷が怖い。。。
パラフライヤーにとって、それ以上に気を付けなくてはいけないことがあります。
ほんとにコワイのは雷雨ではなく、モコモコっと出来上がった時には始まっている
ダウンバースト(下降流)です。
ダウンバーストは強烈な発散風です。
発散規模は、1km未満のものから
20kmをこえるものまであります。
持続時間は5分から30分で最大風速は60m/sに達する場合もあります。(航空機もひとたまりもありません。)
ダウンバーストの第1波の先端である「ガストフロント」前面では、
空気が押し上げられ上昇気流のあるところが多く見られます。
上図では、第2波、第3波の吹き下ろしにより、
複雑な気流となる様子を示されています。
フライト中、ランディングアプローチ中に、急激に風向風速が変わってしまったら。。
確実にパニックになるに違いありません。
また、強烈な下降風が空域全体に降り注いだら、コントロールすることもできずに、ツリーランしてしまうでしょう。
それでは、ダウンバーストはいつ吹き始めるのでしょうか?
積乱雲の一生を載せてみました。
|
発生期 |
最盛期 |
衰弱期 |
|
 |
 |
 |
状況
外見 |
モクモクと勢いがいい。 |
雲頂の一部が
ボヤける。 |
雲頂カナトコ |
全体にボヤける。 |
| 降水 |
あっても僅か |
降水により下降気流 |
なごり |
| 放電 |
< 雲頂が−20度Cに達した頃に開始 > |
なごりの雲片により
激しい放電が起きるケースもある |
気を付けるのは発生期から最盛期です。
モコモコと上に発達しだしたと思ったら、他の積乱雲と合体してどんどん巨大になっていく頃です。(ほんの数分の間です。)
最盛期の始まりにはダウンバーストが発生しています。
どのようにして強烈な下降流が発生するのでしょうか?
発生期、大気の状態が不安定であると、その温度差から、急激な上昇気流により積乱雲は猛発達します。
(例えば、地表付近30度C、上空5000mでは−10度Cだとすると、その温度差は40度C!)
最盛期には、その勢いがあまりに強烈なため、上空10kmまで達することがあります。
持ち上げられた空気はどうなるのか?というと、、
今度は、上空で冷やされ、下降気流となります。その際、水蒸気は冷やされ、雨ができます。
上空10kmから急降下した空気が、地表にたたきつけられ広がっていきます。雨域よりも広範囲に広がります。
「雨が降ってこなければ、、雷がまだ鳴っていないから、、遠くに見えるから、、大丈夫でしょ。」
なんてことは言ってられないのです。
山の背後ばかりではなく、前方、平野部(一般的に南方)で発達中の積乱雲にも注意するべきです。