2002年1月1日にユーロ制に移行するまで,オランダの通貨はフルデン(gulden;
英語ではギルダー guilder)でした.
オランダの基準貨幣は,実は長い間スタイファー(stuiver)でした(15世紀から1816年まで).その後フルデン(gulden)が基準貨幣になっています.ただし19世紀以降,硬貨は主要な支払手段の地位を失っています.スタイファーは,それが登場した頃にはネーデルラント地方で造幣されたものとしては最大サイズだった銀貨(de dubbele groot)の呼び名でした.重量3グラム.
一方,フルデンはヨーロッパで作られた初期の金貨を指していて,最も古いものはフィレンツェ(オランダ語では Florence)が1252年に発行したものです.街の名をとってflorijn(フロライン)と呼ばれ,このため fl. または F. と略記されます.
これが商店の店先などで例えば25ギルダーのものに“NLG 25,-”とか“Fl.25,-”の値札を付けていた理由です.
昔は20スタイファーをフルデンと呼んでいました.私がアムステルダムのヨルダーンに住んでいた頃,スタイフェルチェという小さなしゃれたレストランが同じ南ヨルダーンにありました.かつてアムステルダムの市門のひとつ(ライツェ門でしょうか)のわきにあった同名の茶店かなんかの名前をいただいたらしい.街を出て行く旅人が最後のスタイファー(=スタイフェル)を置いてく店だったんだとか.現代では逆に1ギルダーの1/20がスタイファーで,5セント銅貨の別名になっていました.そういえば10セント(ニッケルかな)の豆粒みたいに小さなコインをなぜドゥッベルチェ(dubbeltje)と呼ぶのかわからなかったのですが(何のダブル=2倍なんだ?),オランダ語版のエンカルタ百科事典によれば dubbel stuiver銀貨がもとになっているらしい.5×2=10,なるほど.
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