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| 危険地帯 | ||
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1997年作品 No.1 めざせ毎日更新 1998年作品 No.29 1998年の祝賀 1999年作品 No.60 1999年の祝賀 2000年作品 No.76 2000年の祝賀 2001年作品 No.85 2001年の祝賀 2002年作品 2003年作品 |
49.青春18切符の旅 その3 23時30分。この時間に列車は札幌駅を出発しました。列車なのです。電車じゃないのです。 主に東京方面、大阪方面などの都会に住んでいらっしゃる方は、線路の上を走っているものは電車しかいないと勘違いしております。よって、気動車なんかを見ても電車だというし、 ブルートレインなどの機関車が先導する列車も電車だと平気で言います。しかし、列車を電車と言うことはさほど恥とされていません。 問題なのは、田舎方面出身の人が電車のことを「汽車」と言ってしまうことです。これは恥ずかしいです。都会の人たちに思いっきり馬鹿にされます。 でも仕方が無いのです。田舎方面の方は電車など見たこと無いのです。線路の上を走るものは、汽車しかなかったのですから。列車とも言いません。 なぜならば、1両しかないからです。車両が連なっていないので「列車」でもないのです。 なにかの機会で東京を訪れた、北海道某町出身の私の友人Xは語りました。 「汽車がまだホームにいるのに、次の汽車が来ると放送が流れるんだ。」 「椅子が無い車両があって、テレビがついているんだ。サービス良いのか悪いのかわからねーな、東京の汽車は。」 「山手線って「やまのてせん」っていうのか? 「やまてせん」なのか?」 って、終わってどうする! 話がまったく進まないまま、第3回目を迎えてしまった18切符の旅。今回は札幌から函館までお送りいたしましょう。なんか「お嬢様特急」のようなノリになってしまいましたな。 人気が無いと途中で降ろされちゃったりして。(降ろされる=連載打ちきり) 札幌を23:30に出発した列車は一路函館を目指します。旅の良し悪しを決める重要事項、つまり、私の聖域近隣に陣取っている人たちですが、右隣は人のよさそうなお兄さんでした。 が、その横には彼女らしき女性がいます。彼も彼女とのトークに夢中で、私なんぞには目もくれない模様です。それならばそれで結構。彼女とのトークに花を咲かせてくださいな。 ということであれば、注目すべきは私の左隣にいる御仁です。彼は物静かそうなお兄さんでした。齢25くらいでしょうか。 青春18切符の旅で欠かせないのが、見ず知らずの人と楽しい会話をすることにあります。今まで人生を共にしたことの無い、全くの見ず知らずの人とトークするのです。今この瞬間、 全く見ず知らずだった2人には、函館まで行くという共通の目的ができたわけです。まさに運命の出会いです。これは運命以外のなにものでもありません。神がお膳立てしてくださった、 貴重な瞬間なのです。しかし、彼はあっさりと睡眠体制に入ってしまいました。せっかくの決定的瞬間、決定的なチャンスを自ら放棄してしまったのです。 神を侮辱するのにもほどがあります。 ということで、私はあっという間に孤立してしまいました。右はいちゃいちゃ、左は爆睡です。取り付く島がありません。仕方が無いので来るときにコンビニで購入した雑誌などを読みつつ、 時間を過ごすのでした。え、なぜすぐに寝ないかって? まだ検札の車掌が来ていないじゃないですか。車掌に所有していく切符を見せて、ここは確かに私のいるべき場所であると いうことを証明してからではないと、安息の時間が訪れない訳です。 千歳を過ぎたあたりで、車掌が登場しました。「切符を拝見しまーす」というおなじみの台詞を発しながら。私は指定券を見せ、18切符に車掌のサインをもらいました。 その後車掌は、私の左隣で睡眠している御仁をたたき起こし、切符を見せるよう促すわけですが、彼は寝ぼけているのかすぐに切符が出せない状態です。愚かですね。こうはなりたくないものです。 車掌が過ぎ去り、快速ミッドナイト3両目カーペットカー車内は、睡眠ムードが充満してきました。来るべきものが来たので、後は寝るだけということです。 やや騒がしかった車内も徐々に静寂が訪れています。私も倣って寝ることにしました。明日も旅が続くのです。疲れはできるだけ残したくありませんから。 が、しかし。そう易々と安眠は訪れませんでした。問題は身近なところに存在しておりました。右隣のお兄ちゃんお姉ちゃんであります。 こいつら、いつまでたっても寝る気配がありません。小さな声でヒソヒソ談話しているのです。 もうこうなったら最後、その会話が気になって仕方がありません。しかも、50cmと離れていない距離の会話が聞き取れません。 気になって気になって仕方がありません。でも寝なければいけません。明日があるのです。ここで寝ておかないと、大変なことになるのは目に見えています。 寝るんだ、寝るんだ俺。俗な会話なんぞ気にしてはならぬ。どうせやつらなんか大した話なんぞしておるまい。そう自分に言い聞かせるのでした。 もうどの辺まで来たのでしょうか。ふと目が覚めました。いつのまにか寝てしまったようです。 車内は完全に沈黙しています。聞こえるものは「ガタン、ゴトン」という列車の走行音のみです。やつらやっと寝たかと思いきや、この心地良い音に混じって、 まだヒソヒソ声が聞こえるのです。ぐわー! なんで私はまた目覚めてしまったのだろうか。寝ようと思ってもまたこの会話が気になって寝れない。 ちきしょー! 何の因果でこんな目に。運命の神様の意地悪。と思いつつ、気がつけばもう少しで函館だというアナウンスが。 寝たんだか寝てないんだかわからない状況で、朝6:30、無事に函館に到着しました。 函館は道南地方。北海道の中では暖かい部類に入るのですが、それでも真冬で早朝です。寒いです。氷点下の世界が広がっています。私は足早に待合室に向かうのでした。 次は、函館から盛岡編です。乞うご期待! |
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