今回は、記念すべき初の投稿情報、福岡市在住のK子さんの体験を紹介しよう。
【真夜中のホイッスル】
夏の初めの頃だったろうか。
夜も更けたというのに、生暖かいような蒸すような、なんとなく眠れない、そんな夜のことだったという。
当時独身だったK子さんは、自宅の2階の部屋で、ようやく眠りにつこうとしていた。床についてからしばらく経っていたので、時刻ははっきりとしないが、おそらく午前2時くらいのこと。
うとうととしかけたところに、突然枕元で、ピーという笛の音がした。それはちょうど、学校の体育の時間に使うホイッスルのような音だった。まるで、今からなにかの競技がスタートするかのように。
もちろん、そんなホイッスルなど身の回りのどこにもない。よくあるという寝入りばなの幻覚(幻聴)か、夢のはしっこだったのかと思いながら、再び眠りにつこうとした時。
部屋の壁に、人の横顔の影が浮かんでいた。
その部屋は、2階の北東の角部屋で、ちょうど北の窓から外の街灯の灯が差し込んでくる。K子さんの寝ていた位置からは、直接街灯を見ることができず、足元の壁に、街灯に照らされた影が幻灯機の映像のように映っていたのだ。
小さな横顔。それが、うんうんとうなずくように上下に揺れている。よく見ると、それは赤ん坊の横顔だった。
思わず目を見開いたが、それは決して禍々しくも病的な気配もなく、どこか楽しげで、美味しいものでも食べてるみたいにうん、うんと。
しばらくそのまま見入っていたK子さんが、ふと我にかえると、うなずいていた赤ちゃんは風に揺れる木の枝に変わっていたという。
今では一児の母となったK子さんだが、まだ小さな娘がうなずく姿を見ると、ふとその時のことを思い出すそうだ。