紋別「裏」グルメ
このコーナーこそ本サイトのメインともいえます。
私が学生時代に通った、
いろんな意味で思い出深いお店を紹介します。

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 クールなマスターが素敵な『番屋』

紋別に住む大学生で行かない人はいないと思われるお店。
営業時間が夕方〜丑三つ時頃までの居酒屋さんです。
炉辺焼きがメインで、店内にはキンキやホッケの干物の煙が充満していました。
そんな番屋ですが、主力商品は「ザンギ定食」という本州の人間には馴染みの無い料理です。

「ザンギ」について・・・
ザンギとは鳥の唐揚に似たしょうゆ味ベースの鳥の揚げ物です。カラッと揚がったそれは香ばしい香りを放ち食欲を直撃します。鳥の唐揚と判別しにくいのが難点です。 (なにせコンビニやスーパーの惣菜コーナーでは鳥唐揚とザンギが並んでいたりする) とにかく私は断然ザンギ派です!

番屋が流行っていた理由の一つに、「当時の紋別にはコンビニが存在しなかった」という事実は見逃せません。
とんでもない時間に空腹に襲われる大学生には貴重な存在だったのです。
私にとってはザンギ定食よりも番屋の記憶の中心となっているのがマスターのことです。
なぜかって?
チャーリーに似ているからです。
チャーリーって誰かって? チャーリー・ワッツのことですよ。
ローリング・ストーンズのドラマーのチャーリーです。
くわえ煙草で斜に構え、クールにザンギを揚げていく鮮やかな手さばき!
ストーンズの核ともいえるチャーリーそのものでした。
今でも深夜営業なのでしょうか?


 ソウルフルな中華料理屋『珍満』

紋別の飲み屋街「はまなす通り」にある小さいけれど結構と本格的な中華料理のお店です。
数あるメニューの中でも私のお気に入りは「酢豚定食」と「レバニラ炒め定食」です。
特にレバニラ炒めは絶品で、私は珍満以上の物にまだ出会っていません。
本格的な味をリーズナブルな価格で提供するありがたいお店でした。
基本的にスタッフはマスターとおかみさん(通称:珍満のママ)の2人体制。
マスターは寡黙な方で、一心不乱に厨房で料理を仕上げる姿はまさに味の求道者のようです。 (寡黙といっても見た目からして温和な方で、どこかのエラソーなラーメン屋とは大違いです。接客も丁寧です。)
マスターが「静」ならママは「動」でしょう。
巨体をくねらせてフロアの客を仕切っていました。
まるで「ソウルの女王」アレサ・フランクリンです。
混雑している時など、調理に時間がかかると大きな声で「ごめんねー!」と言って料理を運んできてくれます。
ママが「ごめんねー!」を発する時は必ず普通盛が大盛に変化するという法則が存在しました。
その法則を発見してからというもの、私は混雑時をわざと狙って通ったものです。

珍満へのお願い
私が学生の頃は不定休だったらしく、「今日も珍満やってねーよ」と怒りのやり場に困って、はまなす通りをさまようことがしばしばありました。
いまはどうなんでしょう?
それと電光看板のことなんです。
塗装が煤けているのか、光量が少ないせいかは不明ですが、営業中かどうかが看板ではわかりません。 (特に夕暮れ時)

こんど紋別に行くときは珍満が営業していることを切に願う毎日です。


 異次元の世界『流氷庵』

上で紹介した『番屋』と『珍満』は美味しいお店でした。
少なくとも私は知人に「美味しいお店」として紹介できる自信があります。
ただし、これから紹介する『流氷庵』は美味しいとか不味いとかで語れるお店ではありません。
なぜなら“別な世界”だからです。
私たちの常識で理解できないものを評価できるわけがありませんよね?

店舗についての説明を一応します。
店は『番屋』の脇というか裏というか妙な位置にあります。
『番屋』と建物の一部を共有したような造りをしていました。
店構えはとても小さく、夜間でも店内から灯りがもれてくることはありません。
『番屋』に行く際に嫌でも視界に入る謎のお店・・・ それが『流氷庵』でした。

当時の私はある友人と「美食倶楽部」という食べ歩きのサークル活動を実施していました。
2人にとって『流氷庵』は“いつか超えなければならない壁”として立ちはだかっていました。
ある時2人はついに意を決し、店内に突入を試みました!
(ここからは突入時のドキュメントです)
ある冬のお昼時のことです。
店内は数人が座れるカウンター席とテーブル席が一つ、奥の方には座敷席でテーブルが二つ。
カウンター内には店員らしい中年女性がいます。
奥の座敷には数人の漁師風の男達が、真昼間から酒をあおって寝っころがって世間話をしています。
カウンター席に座った私たちに視線が集中します。
店員「うちは御飯ものやってないよ」
店内のおしながきには丼ものメニューがかがやいていましたが・・・
いきなりやる気の無さ全開です。
倶楽部「何ができるんですか?」
店員「うーん、時間かかるけど麺類ならいいよ」
倶楽部「じゃ、ラーメン2つください」
ラーメンを待つ2人にお水が出されました。
接客っぽいこともするんだなと思ったら、グラスはワンカップの空き瓶でした・・・
しかも水面に薄っすらと氷が張っていました。
その次の瞬間、私たちの意識は飛びました。
店員が私たちの真正面で、“インスタントラーメン”の袋を開け始めたのです。
一応ラーメンの銘柄は「菊水」でしたが・・・
ラーメンをすすりながら「食べたことのある味だな」という感想というか感情が沸き起こりました。
値段は500円くらいだったのでしょう。

『流氷庵』を後にした私たちは真直ぐに『勝山』に向かったのは言うまでもありません。

数日後、私は「自分の感覚が変なのかもしれない」と思うようになり、後輩に『流氷庵』を勧めました。

『流氷庵』を経験した後輩の言葉
「味はともかく、凄い店でした」


 転倒注意 『味のサザエさん』

このお店は何と言っても名前のインパクトでしょう。
『味のサザエさん』・・・
凄すぎます。

場所は確かオホーツク森林公園の近くだったと思います。
とてもこじんまりとした店構えです。
このお店の存在自体は私が入学してまもなく知ったのですが、いわゆる「怪しい雰囲気プンプン漂うぜ!」の香りが強すぎ敬遠していました。

話題をちょっと変えて・・・
個人的なことを申しますと、私は名前やイメージにあやかった商売が大嫌いなのです。
それと“人のふんどしで相撲をとる”連中も大嫌いです。
イメージや名声ってのは作り出すものではなく、結果としてついてくるものですよね?
だから無理やりイメージ作りに励んでいたり、既に存在するものをどんな方法であれ利用して自分たちの利益を生む連中が許せないのです。
例:一連の“トンデモ本”を否定する論調で解説して書籍を売りまくっている「と学会」の奴等。
 “トンデモ本”の中身はともかく、人様が頑張って編集した本を見下した感じであざ笑う
 ような解説を付けただけの本を売るのはフェアな姿勢ではない。
 私も友人から薦められて「と学会」の本を読んでみたけど、気分が悪くなるだけだった。

話を『味のサザエさん』に戻します。
例によって友人と店内に突入しました。
店名からしてサザエさんグッズで溢れかえっているのかと思いきや、いたってコンパクトな大衆食堂だったので安心しました。
と、思った瞬間!
私は足を滑らせて転びそうになりました。
雨で靴底が濡れていたせいもあるかもしれません。
それでもプラスチックでコーティングされたような店内の床は滑りやすそうでした。
厨房では初老のおばちゃんが一人調理に励んでいます。
店内には私と友人の2人だけですが、電話が次々とかかってきて出前の注文取りにおばちゃんは追われています。
そしてバイトらしき青年が、おかもちを持って店を小走りで出入りしています。
出前注文の数からして結構人気のある店なんだなと期待感が高まってきます。

しばらくすると注文したチャーハンがきました。
「うまい!」
オーソドックスなチャーハンです。
表現するとしたら“郷愁を誘う味”とでもいうのでしょうか。
誰もがいつかどこかで食べたことのある味を完璧に再現しています。
こんなところでこんな味に出会えるとは・・・

チャーハンの余韻を楽しみつつ会計のためレジに向かうと、店の宣伝用マッチがあったので一つ貰いました。
「サザエさんだ!」
そうです、『味のサザエさん』たる所以が唯一そんざいしたのです。
朝日新聞で連載されていた頃の画風そのままのサザあエさんがそこに描かれていました。
おばちゃんにマッチ箱のことをたずねてみました。

おばちゃん 「ほんとは著作権とか何とかゆうのがあるから勝手に絵を使っちゃいけないんだけどね」
グレートだぜ、おばちゃん・・・

店を私たちが後にしようとしたころ、出前の青年が新たな注文先に向かうためにおかもちにラーメンを詰めて駆け足で店を出ようとしました。

彼はものすごい勢いでバランスを崩しました。
彼はゴム長靴を履いていましたが、空しく天を仰ぐように、おかもちごと転倒してしまいました。

おばちゃんの一言
「あぶない床だねー」


 紋別のそば処といえば・・・『勝山』でしょう

今は無きJR紋別駅前(私が大学入学した頃は既に廃線だった)の真ん前に位置するとても立地条件のよいそば屋さんです。
このコーナーにおける紹介の仕方は正統派の扱いでしょうか。

最近は店舗を少し拡大したようですが、いかにも老舗といった風情が漂った店構えで、お店のルーツをたどると初代は東京の某有名天麩羅屋で修行を積んだまさに筋金入りの正統派ストロングスタイルです!

そばが美味しいことは言うまでもないのですが、私の周囲ではカレーが評判でした。
いわゆる野菜大きめでトロミのしっかりした「古風なカレー」です。
私のお気に入りは「からみそば」です。
簡単に言いますと、海老天や大根おろし、生卵などがトッピングされた冷たいそばです。
麺の上の具を順番に食べるもよし!
グチャグチャにかき混ぜてビビンパ風でもよし!
数年前に紋別市を訪れたときも真っ先に私は「からみそば」を求めて勝山に走りました!

余談になりますが、このお店もご他聞にもれず大学生アルバイトに依存しておりまして、私の同級生が毎日ひたすら割り箸を袋詰めしたり、出前で市内を走り回っていたものです。

私の先輩の友人はこのお店のアルバイトにはまって、大学を休みがちになってしまいました。
ある時大学の職員からの出前を配達のため大学に出向くと、『学校来なくなって心配したけど就職決まったんだねおめでとう!』と祝福されたそうです。



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