プロローグ2


プロローグ2

人がよりよく生きるためには夢や希望を持ち続けることが絶対条件ですが、一方で現実を直視することも大切です
近年、西洋医学の三大治療法(手術・抗がん剤・放射線)と呼ばれる「がんの標準的治療」の限界と問題点が、明らかになってきました。
 西洋医学単独による標準的治療の限界は、「5年生存率」の伸びの悪さと、がん治療のスローガンが"がんの撲滅"から"がんとの共存"へ移りつつあるところに如実に表れています。
 一方、標準的治療の問題点とは、西洋医学の構造上の問題点と言い換えることができます。たとえば、"患者と医者の意識のズレ"であり、"がん診療の二極化による患者の切り捨て"などです。
 私がこの本を書こうと決意したのは、これら現代のがん治療が抱える問題の根底にある西洋医学の構造の問題点を明確にして、私なりの"構造改革案"を提示してみたいと思ったからです。
私は医者としても人間としても大した存在ではなく、どこにでもいる、ごく平凡な悩み多き町医者の一人だと思っています。もちろん、がんの専門家でもありません。
ただ、かつて消化器がんの専門家を自負していた時期もあったので、患者さんたちの悩み苦しむ心だけでなく、がんの専門家の気持も多少はわかるような気がしています。
そこで、患者さんも医療者も、さらには家族も含めた医療のあるべき姿についても提言してみたいと思います。

そして、この本を書くことになったもう一つの大きな理由があります。
それは、いま一度、患者さんそれぞれの内にある「力」を見直して、信じて欲しいということです。
私は、この本の中で「治癒力」とか「内なる治癒の力」という言葉を、なんどもなんども繰り返し使っています。医療関係者や医学知識が豊富な読者の方々から、「治癒力」とはいったいどういった意味の言葉か明確な定義がない、イメージ的すぎて少なくとも医者の使うべき用語ではないなどの指摘や批判が出てくるかもしれません。
確かに医学用語辞典にも載っておらず、西洋医学の世界から消えてしまった(抹殺されたのかもしれませんが)この言葉を定義することは難しいことです。
というよりも、西洋医学には、「治癒力」という言葉でしか表現できない根源的な「力」を表す適切な言葉がないと言った方が正確かもしれません。




前のページへ
戻る
トップページへ
トップ
次のページへ
次へ