その地球船は、惑星のない太陽ギッサーのわきをすばらしいスピードで通りぬけた。流星上の気象台の警報装置は、反応のいとまさえなかった。ウォッチャーがようやく気づいたとき、巨大な船体は、すでに観測スクリーン面にひとすじの光となって現れていた。地球船のほうでも、やはり警報装置が作動しはじめたらしく、光点の動きがみるみる遅くなり、減速を続けながら大きく方向転換した。地球船側から見れば、遠い宇宙を探検中に突如ありえない場所に人間の姿を発見した、ということになるファースト(?)コンタクトの瞬間から物語は始まる。実は、ウォッチャーが属する〈五十の太陽〉の構成員は、1万5千年前に人為的に(偶発的に)生み出された亜人類デリアン(と、迫害され虐殺される彼らに同情した通常人類=非デリアン)の子孫たちだったのだ。(冒頭)
ヴァン・ヴォクトは2000年1月に87歳で亡くなったのだそうだ。
『宇宙嵐のかなた』
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