宇宙嵐のかなた

宇宙嵐のかなた
A・E・ヴァン・ヴォクト 著
浅倉久志 訳
 その地球船は、惑星のない太陽ギッサーのわきをすばらしいスピードで通りぬけた。流星上の気象台の警報装置は、反応のいとまさえなかった。ウォッチャーがようやく気づいたとき、巨大な船体は、すでに観測スクリーン面にひとすじの光となって現れていた。地球船のほうでも、やはり警報装置が作動しはじめたらしく、光点の動きがみるみる遅くなり、減速を続けながら大きく方向転換した。
(冒頭)
 地球船側から見れば、遠い宇宙を探検中に突如ありえない場所に人間の姿を発見した、ということになるファースト(?)コンタクトの瞬間から物語は始まる。実は、ウォッチャーが属する〈五十の太陽〉の構成員は、1万5千年前に人為的に(偶発的に)生み出された亜人類デリアン(と、迫害され虐殺される彼らに同情した通常人類=非デリアン)の子孫たちだったのだ。
 何年かかってもいいからデリアンの文明を発見し彼らを地球政府に帰順させたいと考える地球帝国宇宙戦艦スター・クラスター号艦長グロリアは、早く故郷に帰りたい乗組員たちと対立する。一方〈五十の太陽〉側にも、内部分裂の芽がある。

 ヴァン・ヴォクトは2000年1月に87歳で亡くなったのだそうだ。

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