戦争の影が次第に深まるなか、港町の少女ブラウンアイズと再会を果たす。ぼくはこの少女を一生忘れない。惑星をゆるがす時が来ようとも……少年のひと夏を描いた、SF恋愛小説の最高峰。待望の完全新訳版。
はるかな未来。機械文明は崩壊し、さまざまな遺物のなかで、独自の文化が発達した世界。少年“しゃべる灯心草(ラッシュ・ザット・スピークス)”は、みずからの旅の顛末を語りはじめる。聖人になろうとさまよった日々、“一日一度(ワンス・ア・デイ)”と呼ばれた少女との触れあい、“ドクター・ブーツのリスト”との暮らし、そして巨大な猫との出会い―そこからじょじょに浮かびあがってくる、あざやかな世界。彼の物語は、クリスタルの切子面に記録されていく…いまも比類ない美しさを放つ、ジョン・クロウリーの幻想文学の名作、ついに復刊。
あの男、許さない!―結婚記念旅行の途上、夜の海に突き落とされた女、ジョーイ。九死に一生を得た彼女は、元捜査官のミックと手を組み、自分を殺そうとした夫への復讐を決意した。自分は死んだと思わせて、徹底的に意地悪な仕返しをしてやる!痛快軽快な傑作サスペンス。さくっと胸のすく物語をお探しなら是非どうぞ。
雲ひとつない青空はぎらぎらと輝き、地面からはゆらゆらと熱気が立ちのぼる。道路の両側はどこまでも平坦な畑だ。そんなテキサスの片田舎にヒッチハイクで流れてきた青年トビーは、一人で農場を経営するグレースに雇われて住みこみで働きはじめる。広大な土地にたった二人、たがいに惹かれあうものを感じるが……乱入するガンマン、飛び交う銃弾、逃亡と追跡、裏切りまた裏切り。予測不可能、一気呵成、疾風怒濤の大傑作.
町の一大イヴェントであるバレエの発表会をひかえ、元バレエダンサーの老女が失踪。娘たちが発表会に出るルーシーは、心配でしかたがない。そんなある日、友人にビデオカメラを貸したことから、ルーシーはまたもや死体を発見するはめに。しかもその友人が容疑者として連行された。無実を信じるルーシーは、妊娠六カ月の身で事件を調べはじめる。好評、主婦探偵シリーズ第二弾。
念願だったはじめての個展。両親や友人を招いての初日の内覧会の準備も万端だ。そんなローズに、友人エッタが悩みを相談してきた。最近娘とうまくいっていないらしい。ところが個展の前夜に、そのエッタの息子が死亡。捜査にあたるのは、ローズの元恋人ピアース警部。だが友人のためとあらば、ローズだって大人しくしているわけにはいかない。好評コーンウォール・ミステリ第4弾。
桃の産地として名高いテキサス州の田舎町。今年もまた甘酸っぱい桃の香りが町中に満ちて、恒例のピーチ・フェスティバルが開催された。目玉はなんといっても、桃料理コンテスト。今年こそ絶対に優勝!と、お料理名人のフィリスは新作のピーチ・コブラーを作って出場。ところが審査員長がコブラーを口にしたとたん、急死してしまい…!?定年した教師ばかりが集う不思議な下宿で、女主人フィリスが新作レシピと難事件に挑む!料理自慢のシリーズ第1弾。
1968年、黒人警官デレク・ストレンジは己れの職務をまっとうしていた。白人から罵られ、黒人から同砲を取り締まる裏切り者と蔑まれても。時代は大きくうねり、黒人はキング牧師の下、権利の拡張のため社会運動を起こしていた。その最中、黒人青年が車に轢かれて不可解な死を遂げた。警察の捜査は進まず、やがて黒人による暴動の兆しが見え始める。その時デレクは…ハードボイルドの詩人ペレケーノスが綴る時代の慟哭。
閉鎖された映画館が、長い時を経てリニューアル・オープン。記念に映画祭が開かれ、多くの映画関係者が招かれた。なかでも主役は伝説の大女優ヘッダ―かつて、愛憎劇の果てに起きた殺人事件により、映画界を追われた魔性の女。そして今ふたたび、彼女の周りで血が流れることに。はたして往年の大女優は稀代の悪女?それとも悲劇のヒロイン!?六十年前、殺害現場を目撃した幽霊探偵と、書店主ペネロピーが真相を探る。
コーヒーの専門家に言わせれば、カフェインの入っていないコーヒーなんて、ただの水。そうクレアは蔑んでいたけれど、旧友が開発したこのカフェインレス・コーヒー豆の味は別格。三人のバリスタに試飲させても、文句なしのコクと酸味。もし発売が叶えば、必ずや、クレアの店に莫大な利益をもたらしてくれるはず!けれど、商売繁盛どころか幻の豆をめぐる裏取引や密輸、はたまた殺人事件にまで巻きこまれてしまい…。
11月の深夜、警察署へ呼び出された私立探偵ビル・スミスは、甥のゲイリーと思わぬ再会を果たす。なぜニューヨークへ来たのか話さぬまま、再び姿を消した甥を捜すため、甥一家が住む町ワレンズタウンを訪れたビルと相棒のリディアは、アメリカン・フットボールの盛んな町が抱える歪みと醜聞に、否応なく直面するのだった。私立探偵小説シリーズ第8弾、MWA最優秀長編賞受賞作。
貧乏弁護士ホイットニーに舞いこんだ依頼は、休暇で帰郷したまま戻ってこない家政婦を捜し出してほしいというものだった。事務所の家賃にも事欠く始末の彼女は、現金でぽんと支払われる報酬に魅かれ、調査を開始する。だがぶち当たったのは、まったく無関係の女性の死体。しかもその死体は、数十分で忽然と消えてしまったのだ!事務所の前を縄張りにしている売春婦ループの手を借り、ホイットニーはLA社会の闇に挑む。
洪水で家も家族も失ったおれと兄貴のオールド・レッドは、いまでは西部の牧場を渡り歩く、雇われカウボーイの生活を送っている。だが、ある時めぐりあった一篇の物語『赤毛連盟』が兄貴を変えた。その日から兄貴は論理的推理を武器とする探偵を自認するようになったのだ。そして今、おれたちが雇われた牧場は、どこか怪しげだった。兄貴の探偵の血が騒ぐ。やがて牛の暴走に踏みにじられた死体が見つかると、兄貴の目がキラリと光った…かの名探偵の魂を宿した快男児が、西部の荒野を舞台にくりひろげる名推理。痛快ウェスタン・ミステリ。
奇妙な噂がささやかれる映画館があった。隣に座ったのは、体をのけぞらせ、ぎょろりと目を剥いて血まみれになった“あの女”だった。四年前『オズの魔法使い』上映中に一九歳の少女を襲った出来事とは!?(『二十世紀の幽霊』)そのほか、ある朝突然昆虫に変身する男を描く『蝗の歌をきくがよい』、段ボールでつくられた精密な要塞に迷い込まされる怪異を描く『自発的入院』など…。デビュー作ながら驚異の才能を見せつけて評論家の激賞を浴び、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞、国際ホラー作家協会賞の三冠を受賞した怪奇幻想短篇小説集。
もりひとつ ももははいって もや いでる
はしふたつ はちはわたって はな もどる
かわみっつ かみはのぼって かい くだる
しまでかぞえて しにましょう
物語を読むことに無上の喜びを感じる人達は、日本の各地に次々と生まれ、育って来ます。となれば、後から来る方々に、こんな花が咲いている、こんな実が実っていると示すのは、先に歩いた者の務めでしょう―読み巧者・北村薫が選んだ50冊。
「よくこんなことを考えたな!」と感心したくなる『七人のおば』/高校生の北村少年がこたつで読んだ名作『虚無への供物』/「そんな馬鹿馬鹿しい話」と思ったら、実は……!『成吉思汗の秘密』/寝る前に一編ずつ読んでも、ふた月楽しめる『ミニ・ミステリ傑作選』 出会えて良かったと思える本が、必ずあります。有栖川有栖との熱血対談、大野隆司の彩色版画を収録。