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| ギャンブル依存症はどんな病気だと思いますか?
この病気はWHO(世界保健機関)の診断基準ICD-10に載っている世界で認められた病気です。日本ではまだまだ意志の問題と思われていますが、意志をコントロールできない脳の病気であり、さらには進行性の病気で家族はそんなに悪くないと思っていても、この本にあるようにだんだんと病気が進行して、精神的に切れやすくなったり、ウツになったり、お金の問題で借金、ウソ、家の金を盗む、貯金を勝手に引き出す、犯罪行為で窃盗、横領などの病気の症状を表しますが、家族が尻拭いをしてギャンブルができる間は、決してこの病気を認めようとしません。 家族は今まで愛とか思いやりでギャンブル依存症を治そうとしてきたと思います。それは効果がありませんでした。愛とか思いやりで何とかなる病気ではないからです。それが依存症という病気なのです。 「うちの夫はギャンブルをするけど、仕事はきちんとするし、子煩悩で優しいし、良い夫(子)だから、それほどひどくない」と考えたり、「病気ではない」と思うかもしれません。 家族には理解できないことだらけですが、この本を手にして、この病気が不可解で怖い病気であることが、少しでも理解できたなら、この本を出版した甲斐があります。 家族の人が読んだら、是非本人にも読むようにすすめて下さい。本人は最初この本を読まないかもしれません。読んでも「こいつら狂っている」「あの人たちは犯罪者だ」「俺はこんな奴らと違う」「自分は病気でない」と言うと思います。 でも、いつかどうにもならない時にはこの本を手にするのではないでしょうか。そして、もし本人が読んだのならば、自分と同じような事をしている人がいると思えるのではないでしょうか。またギャンブル依存症という病気があるのだと言うことを、本人に伝えることが出来たならば、この本の目的を達したと思います。 00年に横浜嗜癖問題相談室を立ち上げたところ、ギャンブルで困った家族が相談する場所がないため、次々全国から飛行機や新幹線で相談にきました。そこで05年7月にギャンブルで困っている家族を専門に支援する「ギャンブル依存ファミリーセンター」を立ち上げて家族支援をしていたところ、07年10月頃から正しい対応をした家族の本人がギャンブルすることができなくなって、センターに登場することが多くなりました。女性や発達障害や精神的な問題、さらには仕事や家族を持っている人たちが次々と登場しましたが、行く場がありませんでした。 相談に来たいろいろな状況の人を何とかしてあげたい、何とか治療に繋げたいと思い、07年12月10日より本人のグループセラピーをはじめ、住む所がない本人のために12月18日から入寮施設を始めました。それがギャンブル依存症本人の回復施設「ハウスホープヒル」の始まりです。 この2年間で40名ほどの人が卒業していきましたが、その中の12名の方に体験談を書いてもらい、この12名の体験談を通して「ギャンブル依存症を病気」として何かを掴んでもらえれば、良いかと思います。 そして、この病気は私たちが想像する以上に怖い病気で、回復は奇跡と言われています。家族も本人も近くの自助グループやセミナーなどに継続して参加し、勉強を続けることで楽に生きられるようになると良いと思います。 実体験から迫ってくる本人しか書けない文章が、ここには一杯詰まっており、ひしひしと心に染みわたります。普通では話せないような自分のどうしょうもない体験を正直に書いてもらい、この病気の深さや怖さ、そして回復の大変さなど病気の正体の一部を見たような気がするのではないでしょうか。 私はこの体験談を読み返して、彼らの病気が進行していく道はいろいろあり、そして、回復も人それぞれの道があるものだと再認識しました。 12人のギャンブル依存症本人の方が、新しい仲間やこの病気で困っている家族のために、赤裸々に語ってくれたことに、感謝したいと思います。 最後に、家族には「病気だから、子育てが悪かったとか、妻の対応が悪くて病気になったのではありません」と言いたいし、自分を責めないで欲しいと思います。家族は大事な息子や夫で何とかしようと思い一生懸命いろいろして疲れ果てている人も多いと思いますが、家族ではどうにもならない大変な病気なのです。 本人には「意思が弱くてダメ人間でなく、病気なんだよ」「自分の力で何とかできない病気だから、同じ仲間か援助者に手助けを求めて欲しい」と言いたいです。 今後も家族や本人の話をたくさん聞きながら、家族や本人を支援して絶望から希望を見出して、回復の奇跡にお供できればと思っております。 NPO法人 ギャンブル依存ファミリーセンター ホープヒル代表 町田 政明 |