目薬

 

写輪眼のカカシという通り名は持つものの、その負担はかなりのもので実際は本当にやばい局面でしかその力を使った事がない。
それに加えて現在、この邪眼を保持している里内の者は自分と、先日漸く開眼したサスケだけだ。
噂に尾ひれが付くのは至極当然の事、ある程度は有名税と言って諦めてもいい。のだが。
  


「疲れ目って、四六時中そんな目してたら当たり前でしょう?」
眼科検診で医者がそう言った。医者からしてそんな程度の認識なのもアレだが、この目が年がら年中作動していると信じている奴が多すぎる。そんなにチャクラが保つかってんだ。
そりゃ見かけが異端だからそう思うかもしれないが、力を使っていない時は至って普通の目としての機能しかしていない。
即ち、在るものを在るがままに見る事だけ。勿論ビームなんか出ない。そういや紅の目は超音波でも出そうだなと思っているがそれはまあともかく。
分かって貰えないというのはなかなかに堪えるのだ。


「疲れ目って、睡眠足りないとかですか?それか目が乾いてるのかな」
愛しいイルカ先生はそういう噂に縁のない人で、俺の目についても偏見を一切持っていない奇跡のような存在だ。
聞くところによると俺の噂自体耳にした事がなかったというから、その疎さは忍としてある意味危うい気もするのだけれど。
「そうですね、この所任務で夜遅かったし本読んだりパソコンいじったりしてたから」
「駄目ですよ。忍者は体が資本なんですから」
言いながらイルカ先生が差し出したのは目薬。
「洗浄して、ちゃんと外して寝たほうがいいですよ」
にこやかに告げられた言葉と目薬の容器に貼られたラベルに対して、俺は同じくにこやかに微笑みを返し、…力なくうなだれた。
 


「…イルカ先生。写輪眼は、コンタクトレンズじゃありません…」

end.

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