トップへ

6月16日トップへ

ポルトガル備忘録へ

前へ

ポルトガルvsロシア(5)

試合観察(2)

その後もポルトガルは中盤から様々なパターンでゴール前までボールを持っていくが、点は入らない。
しかも、フィーゴがみつからない、デコがみつからない、となると、ポルトガルの選手はとたんに苦しい横パスで逃げて、そいつを取られてカウンターを食らう。

ロシア側はでかいガタイを生かして、無理矢理球を奪ったり、上手い事インターセプトすると、あとはゴールまで一直線。もっとも「美しいサッカー」を効果的に潰していたギリシャほど組織立ってはいないので、テレビで見る分にはポルトガルのパス回しが楽しめてよかったかもしれない。

後半が始まっても展開はあんまり変わらなかった。
隣の兄ちゃんは、守備専業MFのコスティーニャや、サイドバックのミゲルによく声援を送っていたが、これはポルトガルがカウンターを食らいかけるとこの2人がよく潰していたからで、とくにコスティーニャとマニシェのコンビは教科書どおりの「攻撃に参加する奴と後ろで守り続ける奴」。

守備に関してはフェルナンド・コウトからポジションを奪ったCBのカルバーリョばっかり誉められているが、カルバーリョがリベロっぽい動きを見せられたのもコスティーニャがちゃんとカバーしていたから。
チームに1人は欲しいタイプ。

ミゲルはポイントポイントで前線に顔を出すが、「基本(守備)を優先する」サイドバック。
ただ、前にいるシモンが挙動不審のため、この試合では守備専業。

この2人に声援が送られ続ける、というのはカウンターをよく食らっている、という証明でもあるので、見た目ほどポルトガルはロシアを圧倒していなかった事になる。

中盤ががら空きになり始めたあたりでルイ・コスタ登場。
ルイ・コスタの写真
ぐいぐいとドリブルで上がって、ゴール前まで行ってしまう。
「おお〜、シュート!シュート!」
とポルトガル人の大声援。
打たない。
「あれ?」
と思ったあたりでロシア側にボールが渡ってしまう。
これの繰り返し。

ルイ・コスタのこのプレーで
「元気なドリブラーなら球を持てる時間帯」
と判断したのか、ポルトガルはフィーゴに替えてクリスティアーノ・ロナウドを投入。

邪魔される事も無く、楽々とサイドをドリブルしていくロナウド。
ロナウドがいいのは、ポンとクロスを出したあと、ちゃんと自分でもつめていくところ。
それだけでなく、チャンスと見るやゴール前に潜り込んでいくことを厭わない。

この動きがゴールに繋がる事は大会を通して無かったが、コーナーキックで点を決められたのはサッカーの神様からのご褒美かもしれない。

ついでに言うと、パウレタに変わって出て来たヌーノ・ゴメスの方がこのチームには向いていたようだ。

点を決めたから、というよりも得点力を装備したMFに不足のないポルトガルにしてみると、動き回ってDFを攪乱するタイプの彼の方が「後ろのため」になるように見えたからだが、フェリペにしてみれば「それは相手が疲れたところで」という事だったのかもしれない。

結局、「ちゃんとゴール前に走り込む」ロナウドの努力が実ったのか、彼のリターンからルイ・コスタが得点。試合は決まった。

ただし、ロシア側のカウンターは最後まで威力があり、コスティーニャとミゲルには声援が送られ続けていた。
W杯でも出てこなかったモストボイがいれば違ったのかどうなのか。
オノプコがいたらポルトガルはもっと楽だったろうな。

ちなみに、決勝のポルトガルはミゲルをアクシデントで欠いてしまい、点を取られてから「総攻撃態勢」を敷くためにコスティーニャを下げてしまう。
数少ない汗かき役を欠いた末に汗かき役しかいないギリシャに破れたのは、皮肉な結果だった。

デコの写真
デコも結構フリーキックを任されていた