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とりあえず公衆電話の近くまで一緒に行く。
「この椅子に座って待ってて」
「ああ」
もう戻ってこないだろうな、と思いつつ、そこに座っていたのはフライトまでだいぶ時間が余っていたから。
だから彼女が戻ってきたときは驚いた。
「終わっちゃった」
「ふ〜ん」
「・・・・また貸してくれない?」
「いいよ」
「あ、またタバコくれる?」
「じゃあ、あっちの喫煙所で」
彼女はずっと英語でしゃべった。
ケープタウンから200キロくらい離れた町に住んでいて、今回は心理学のセミナーにやってきた、あなたはポルトガルには仕事?
「いや、ユーロ」
また電話をかけてくると言って、彼女は公衆電話のある方角へ歩いていった。
「また終わっちゃった」
「ふ〜ん」
「南アフリカでW杯開くでしょ」
「そうだね」
「その取材に来たフリーライターを知ってるの。私が働いている店に来たのよ」
「ふ〜ん」
「これが名刺、だからこの人に連絡をつけてくれれば」
店の女の子にあんまり名刺をばらまくもんじゃないな。
「・・・(アドレスがptになってる)無理だよ。」
「あなた、W杯は見に来る?」
「わかんないね」
「・・・・」
「これで最後だよ」
最後の小銭を渡す。被害額は16ユーロ。
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