198 【198】 悩める人々のあいだにあって、悩み無く、大いに楽しく生きよう。悩める人々のあいだにあって、悩み無く暮そう。 人には、さまざまな欲望があります。「宇宙飛行士になりたい」「サッカー選手になりたい」「一流大学に行きたい」「大会社に就職したい」「ミュージシャンになりたい」「車が欲しい」「結婚したい」「子供が欲しい」「家が欲しい」「財産が欲しい」「名誉が欲しい」「地位が欲しい」「健康が欲しい」「命が欲しい」などなど。 そして、それに向けて努力することも良いことです。自分の成長にもなりますし、社会の発展にもつながります。 ところが、欲望はどんな欲望も、持つことは簡単ですが、実現はどれも簡単ではありません。中には、いくら努力しても、運や縁等が無い場合など、今生では叶わないものや、もともと無理なものもあります。 すると、マインドは、「それは問題だ。欲求が満足されていない。したがって不幸だ。その不幸を解消しなければならない」と考えます。つまり、「不満足、即、不幸」と考えます。そして、その解消努力に、一層拍車を掛けるために「小さな不幸」を、しだいに「大きな不幸」に見立てていきます。 「不幸」というのは心の苦痛です。マインドは苦痛を解消しようと懸命に働きます。「私は、こんなに不幸なんだから、頑張らなければならないでしょ。努力や我慢を続けるべきでしょ」と強欲に執着してしまうわけです。 そして「私はこんなに不幸なんだから、笑ったり、優しくなんてできないわよ。とっても辛いんだから」等と、暗く深刻になることもあります。 マインドが働けば働くだけ、苦悩の穴を掘り進み、自分自身の中に深く入って行きます。周りが見えなくなってきます。強欲を追いかけているとそうなります。何かを得ることが当然だと思い、そして、それを得ようとしていると、必ずそうなります。 しかし、私達は、肉体も命も自分で所有しているわけではありません。ましてや、そのほかのものも、何も自分のものではありません。 そのような中で、幸福になるには、どうすれば良いのでしょうか。マインドがそのように苦悩を次々に作っているのだということを知って、マインドにそのような悪い働き方をさせなければ良いわけです。それができると、大いに楽しくいきていくことができます。光り輝く神々のように、喜びながら生きていくことができます。 「笑雲先生」 「なんだい、小松茸」 「マインドに悪い働きをさせないといっても、具体的にはどうするのですか?」 「なるほど。悪い働きというのは、不満足は不幸だと思うことだ。だから、『不満足は、即、不幸だ』と短絡させない工夫をすれば良い」 「でも、不満足のままじゃ、嫌なんですけど」 「だから、それはもう、『不満足、即、不幸』と走ってるからだろ」 「ああ、なるほど。そうですね。速いですね」 「逆に『不満足でも、幸福』にも走ろうと思えば走れる。さらに言えば、『不満足だから幸福』にも走れる。それはマインドという自動車のハンドルの切り方しだいだ」 「そうですか」 「いいかい。『不満足』とは、客観的な認識だ。つまり欲求水準と現状との差だ。引き算の答えだ。一方、幸福、不幸というのは自分の主観的な判断だ。全然別物だ。いいかい、5ー3=2 だ」 「はい」 「『2』=『不幸』かい? 『2』は『2』だ。認識だ。それだけのことだ」 「う〜ん、そこで止めるのですか。あまりに速く次に行くので、よくわかりませんが。どうしたらいいのですか、笑雲先生」 「自分のマインドの動きを観察できるようになることが一番の早道だね。それが、『悩める人々のあいだにあって、悩み無く、大いに楽しく生きよう。光り輝く神々のように、喜びを食(は)む者となろう』になる早道だ」 「なるほど」 「それができたら、ほかの修行上の多くのことも解決できる。また、なんでも得たい、なんでももっと欲しいとすぐに思ってしまうマインドを、日頃から調教しておくのも良い方法だ。調教するには、お釈迦様が言うように、『私達は何も所有していない』と思うのも良い工夫の一つだ。このように強欲に執着しない方法や工夫は色々ある」 「なるほど。分かりました」 「そうか、さっそく分かったか。小松茸、素晴らしい。で、どう分かったの?」 「はい。欲望を持つのは簡単だが、実現するのは大変。かといって、執着しないのは、さらに大変だってこと、ですね」 「あはははは、なるほど、そっちが分かったのか。でも、大変と言っても修行は、やってみるとすぐに分かるが本来楽しいものだよ。全然、大変ではないよ」 「あはははは、分かってます。分かってます」 宝彩有菜 (「認識」と「判断」を短絡させないこと) ------------------------------------------ 宝彩有菜 宝彩有菜のダンマパダ講話 (home)/(index)/(back) (c) All Copy Rights Reserved by Alina Hosai 2005-2011 |