全天で一番明るく見える恒星シリウスのほぼ真南に,二番目に明るい星「カノープス」があります。カノープスは優秀な水先案内人であるギリシャの船乗りからとられた名前です。-0.7等と,本来であればシリウスと競い合うほどの明るさがあるのですが,日本からは地平線ぎりぎりの高さにしか見えないので,大気の影響で暗く,赤っぽくしか見えません。 左の画像は山口県で撮影したものなので,地平線から離れていますが,南中した時の高度は東京で約2°,新潟県上越市で0.2°新潟市で地平線より0.6°下となって見ることができません。(上越市も南に山があるので無理かと思われます) 日本の関東地方の太平洋側ではこの星を「布良星」(めらぼし)あるいは「西心星」「南のひとつ星」などと呼び,この星が見えると暴風雨がおこると信じられていました。 ![]() 中国では,この星を「南極老人星」と呼び,見ることができれば長生きができるめでたい星とされていました。 写真データ おおいぬ座とカノープス 1984年11月 1日 3:50〜3:58 35mmF2.8 フジASA400リバーサルフィルム 山口県美弥郡秋芳町 秋吉台科学博物館屋上にして撮影 |
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おまけ
カノープスが見える北限は?
新潟県でカノープスを見ることは無理ではないかと述べました。しかし,今から二十年ほど前に,新潟県の村上市とほぼ同じ緯度(38.1°)にある山形県の蔵王山でカノープスを見たという記録が残っています。*その後,月山(38°33′)でも成功したという話が「子どもの科学」98年2月号に掲載 されていました。 シュミレーション上は地平線よりも0.9°下になるはずですが,ここで見ることができたのは次の2つの理由によると考えられています。 1.標高が高い場所だったので,平地よりも見通しがきいた。2. 地平線に近い空気の層が星の光を浮き上がらせる働きがある。(のぼる太陽の形が横に膨らむのはこのせい)。 それでも最初に見えると気づいて記録写真を撮影された方はすごいなと思いました。 |
では,新潟県では本当に見えないのでしょうか。平野部は南方向に山があるのでほぼ無理,佐渡島あたりなら可能性はあるかもしれませんが,カノープスが南中するのは日本海側の晴天率が著しく落ちる冬で,南の地平線付近が晴れる確率はほぼ0といってよいと思います。 もし,新潟県から見たことがあるというお方はぜひご一報を!!!! ちなみに各月1日のカノープスの南中時刻を下記に記載しておきます。 11月1日・・午前3時50分頃 12月1日・・午前1時50分頃 1月1日・午後11時50分頃 2月1日・・午後9時50分頃 3月 1日・・午後7時50分頃 |
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