10医師より1本のブラシ
要約
10人の獣医に診てもらって治らなかった犬の皮膚病が、ブラシで治りました。10は「獣」のゴロ合わせ、実際は7人です。
特別なブラシではありませんが、毎朝毎夕1時間ずつ。根気は必要でした。
見苦しい姿をお見せしますが

12歳 2001年9月
7人の獣医師の
診断はバラバラ。
マラセチア菌皮膚炎
食物性アレルギー
自己免疫疾患
皮膚糸状菌症
アレルギー体質だ。漢方で体質改善が必要と言う獣医も。
……
犬の皮膚病の治療は時間がかかるといわれます。すぐに効果はなくても、一つの病院で、だいたい二ヶ月はがまんして様子をみました。
一度で行くのをやめた病院もあります。漢方で体質改善が必要といわれた所や、たてつづけに三本注射された所。

2001年10月
はげてしまいました。薬用シャンプーの薬効が皮膚に届くように毛を刈ったせいもあるのですが、少なくとも半分は皮膚炎による脱毛です。
本当のところ、この皮膚病は何? 何が原因?
ネットで、いい病院は? いい治療法は? と探し続けて、2002年3月「犬の皮膚病にはブラシがいい」と見つけました。
「そんな簡単なことで治る?」疑いながら、テイネイにブラシをしてみることに。
指と指との間(ここもウミが出てひどい状態です)や目のそばなどはブラシ出来ないので、コーム(金櫛)で。

コーム
初ブラシの翌日にはウミの量があきらかに減りました。
せっせせっせと励みました。
口の周りから始めて尻尾の先まで、全身くまなく1カ所につき最低10回(ウミがカサブタのようになっているのがはぎとれるまで)ブラシ・コーミングすると、約2時間かかります。一気に2時間はロンもぼくも大変なので、半身ずつ朝夕に分けて1時間ずつなのです。
今日は忙しい、と手をぬくと翌日にはウミの量が増えます。

13歳 2002年10月8日
ここまで快復しました
ウミが出なくなったのは、ブラシ・コーミングを始めて5日目頃でした。
食物アレルギー用特別療法食でも治らなかった。脂肪酸を飲ませても、ステロイドでも、亜鉛でも、サプリメントでも、アレルギー用シャンプー(エピスース)でも薬用シャンプー(ノルバサン)でもなかなか治らなかった皮膚病が、ブラシ・コーミングで治ったのです。ウミがとまり、はげていたところに毛が生えてきました。

2002年10月26日
コーミングの時間
ロンはちょっと不機嫌顔
ブラシが、ロンの場合、たまたま良かったのかもしれません。どんな犬の皮膚病にも有効というわけではないでしょう。しかし、皮膚病に苦労しているみなさん、ぜひ、試してみて下さい。尿もれも激減しました。
血行の問題だったのですね。テイネイなブラシは皮膚マッサージ。
人間についても昔から、万病予防に乾布マサツといわれてました。そうか、血行か……。ぼくも薄くなった頭にせっせとブラシをすることに。
毛のツヤを出すためのブラシでなく、皮膚に刺激を与えて血行をよくするためのブラシです。ですから皮膚に届くピンブラシかコームで。最初は優しくしないと、刺激が強すぎて悪化することもあるかも。

2003年2月
外出は洋服を着てお肌の荒れを隠します。しっぽは隠せません
しっぽは、毛が再生しないのです。
犬のアレルギーって言われているほど多くない!?
「アレルギーと診断されている犬の皮膚病の多くが、実は真菌感染症。」
最近(2004年8月)ネットで見つけた情報です。アレルギーと言っておけば、治らなくてモトモトだから?
これが一般論として正しいかどうか、ぼくにはわかりませんが、ロンはこの説の通りでした。カユミもあんまりなかったし。アレルギーだったらコーミング・ブラシで良くなるはずがないでしょう。
アレルギーでも真菌感染症でも症状はにているから、犬の皮膚病の判別は難しいようです。原因が違うと治療も違う。それなのに原因をつきとめずに適当に薬をのませられても……。
ロンは医者の指示する薬をのませて、すっかり弱ってしまいました。もう長くないかもというところまで。
薬をやめると元気を取り戻しました。
詳しい話は右側を読んで下さい。

岐阜の病院への途中
休憩した公園で

2003年2月
足を拭きながらじわじわとゴハンの場所に接近。
玄関から6、7メートル移動。
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こちらは詳しい話
動物病院さがしには苦労しました。
人間相手の医者と違って、1人で、外科・産婦人科・耳鼻咽喉科・皮膚科・麻酔科……総合病院をになわなければならない、どの分野にも明るい、一流という、獣医師を求めるのは無理なことなのかもしれません。
1人の獣医が何でも引き受けようとせず、この病気ならこの先生の所に行って下さいというようなネットワークが作れるといいですね。
それに、人間なら、どこがどう痛いと説明できますが、動物の場合は不可能。
問題はそういうこと以前、もっと基本的初歩的なことかも。
実際に動物病院と関わるまでは、人間相手の病院と同じように、ひどいところも一部にはあるだろうと、ぼんやり思っていました。実際にロンがお世話になってみると、信頼できる方が一部でした。
どういう病気か、説明もせずに「注射、打っておきましょう。」
犬の痛みや飼い主の心配に共感できないらしい獣医師が少なくなかった。
彼らも獣医を志したときは、動物への愛情に胸をいっぱいにしていたのでしょうに。
いや、動物への愛情は失っていない。ロンの皮膚の状態を見て、「かわいそうに」ともらす、その表情にウソは感じられなかったけど、診断力、というより、常識がないのでは、と疑われる獣医師も。
彼の指示に従って薬を飲ませシャンプーするとロンが初めてはげしい嘔吐と下血。
電話すると、
そうなった理由は説明してくれず、
「ドッグフードを食べないなら、パンをお湯でふやかして与えて下さい。」
パンにはバターや塩分が含まれています。こんな状態の子にパンですか? 子どもが、はげしい嘔吐と下痢をしているのにパンを食べさせます?
ぼくたち飼い主の不勉強。何事も、専門家に「おまかせ」にしてしまうこと。それに、何か事が起こっても、事を荒立てることを嫌う心性にも責任があるのでしょうね。
最初の病院は最も近い所を選びました。動物病院にしては大きくて、流行っているように見えました。
ロンまだ0歳。一緒に暮らし始めてまもなくのことです。2、30分おきだったおしっこを、2時間くらいしなかったり、かと思えば、5分おきくらいにチビチビするようになりました。
受付を終えて、待合室で待っているうちに不安に。
壁にこんな貼り紙。
「無駄ぼえ、夜鳴き、注射一本で治ります!」
その時は病院選びなど、深く考えず、いいかげんな動物病院なら患者にそっぽむかれてつぶれているだろう。近ければいい、くらいにしか考えていませんでした。
診断は膀胱炎でした。注射され、薬をもらって、帰宅。しばらくすると、ロンは、立ち上がろうとしても、立ち上がれず、ヒィ〜ヒィ〜鳴きました。注射薬がきつかったのでしょう。幸い、一晩で快復しましたが。
その後、近所の噂を知りました。
「あの病院は、すぐに入院させたがるし、入院させたら、もう最後。『手遅れでした、亡くなりました』というのが多いそうよ」と。
噂ですから尾ヒレがついているでしょう。
ワンちゃんが本当に手遅れで、どうにもならなかったとしても、見た目に、それほど異常がなかったのだったら、飼い主にしてみたら、殺されたように思うかも。
それにしても、その後15年たった今日まで、
「医者の言うとおりに入院させたら、亡くなったという連絡が病院から来て……」という話を5人の飼い主から聞きました。その中で、医者に詳しい説明を求めた人は1人です。
飼い主が物言えない犬に代わって主張しないと、やめてもらった方がいい医者・改心してもらわないと困る医者・命をあずかっているという自覚もない医者・勉強もしないらしい医者をのほほんと生き延びさせていると思うのですが。
少々遠くてもいい。安心してロンを任せられる病院は?
この辺で獣医学科のある大学、岐阜大に電話して紹介してもらった所に行きました。
この獣医さんは、納得のいく説明をしてくれました。
膀胱炎の時に見られる症状が出ていない。頻尿は心理的な物でしょう。
飼い主がトイレのしつけに神経質になりすぎて、ロンもそうなっているのでしょうと。
たしかに、そうでした。
トイレのしつけの間違い
『犬の飼い方育て方』という本を教科書に、しつけようとしていました。
「トイレのしつけ」は、「トイレ以外の場所でしたら、そこに犬の鼻先を持って行き、床を叩いて叱れ」とありました。その通りにしていたのです。
先生の話。「そんなことをされたら、犬は、『おしっこをしたから、叱られた』とカン違いして、ガマンし続けたり、耐えきれなくなって、混乱して、しょっちゅうするようにもなる。あせらなくても、すぐに一日二回、朝夕の散歩の時だけで済むようになる。叱らないで、もっとおおらかに構えて下さい。」
薬も注射もなし。
(この前2003年10月、本屋で犬の本を読んでいたら、まだこのトイレのしつけ方をのせた本がありました。)
いい病院を紹介してもらったのはいいけど、車で片道1時間半。
その後、ロンは難なく過ごせていましたが、朝、嘔吐が2日続いたことがありました。ちょっと心配。
さて、しかし、岐阜の病院までは、往復3時間。
信頼できる病院なら少々遠くてもいい、とはいえ、往復3時間は……。
我が家から2番目に近い病院に連れて行きました。こりもせず、近いというだけで。そんなに、悪い病院ばかりではないだろう。
「朝、白い物を吐くのです。元気は良いし、吐くくせに、食欲はみせるのです。」
獣医殿、
「ああ、ソレハねえ」と言いかけて、その後が続きません。「心配いらない」と続くような口調でしたので、
「心配しなくて良いですか?」とききました。返事は、
「注射打っておきましょう。」
何の説明もせずに、「注射打っておきましょう」
オイシャサンゴッコ?
(オイシャサンゴッコでも、情報化社会の今時の子は、「糖尿ですね」とか、「インフルエンザですね」と「説明」してるよ、と知人。)
その後、皮膚病で苦労して、いろんな病院を尋ねましたが、そういう医者がほかにも。
岐阜の先生に電話で尋ねると、犬なんてしょっちゅう吐く。食べてはいけない物を食べては、吐く。吐くのが一日、二日で、吐いても元気で食欲があるようなら、心配ないと説明してくれました。
幸い、ロンは丈夫で、その後、小さなトラブルはありましたが、年に一度、ワクチン接種とフィラリア予防に行くくらいで済みました。
困ったのは、11歳になって、皮膚病にかかってからです。お尻の周りから、ウミが出て毛が抜け始めました。目の回りもメガネをかけたようにはげてゆくのです。
岐阜は遠いからなあ。年に一度や、月に一度くらいならいいけど。毎日のように通うとなると。近くで良い先生を見つけたい。
近所の犬仲間がススメる病院に行きました。
たしかに、見るからに優しそうな先生。無駄な注射はしないという方針。
初診の後、いい先生だったね、とロンと喜びました。
一週間後、検査結果が出て、皮膚病は、マラセチア菌によるものという診断。犬の皮膚病について本を見ると
「マラセチア菌皮膚炎の特徴は、はげしいカユミ……」と。
ぼく「ロンは、かゆがらないのですが……」
先生、「そうですね。」
……。
ちょっと?と思いながら、処方された薬を飲ませ、2日に1回という指示のシャンプーの、2回目を終えた直後、烈しい下痢と嘔吐。便には血。その後食事の時間になっても、動きません。
ロンは、我が家に来て以来、食欲のない日がなくて、
「今日は、ちょっと、胃がもたれる、という日はないのか?」とからかっていました。「ロンはきっと、食べて食べて食べまくって、ころっと逝くのだろうね。食べながら息を引き取るかも。」
これまで、吐くことはあっても、すぐに食欲を見せていました。吐いた物をこちらが処理する前に、急いでまた食べようとすることも。食べてはいけない物を食べたから吐いたのでしょうに。
フードに飽きて、もうこんなの食べないと口に入れたものをプッ、プッと吹き出すこともありました。が、何も食べたくないという日はありませんでした。
それが、この日、11歳にして、初めて食欲を見せなかったのです。
先生に電話すると、「パンをお湯でふやかして与えて下さい。元気が回復するまで、シャンプーと薬は止めましょう。」
パンにはバターや塩が含まれています。そういう状態の子にパンを与えていいのですか?
何が原因でこうなったのか。薬でしょうか。量が多すぎたのでしょうか。シャンプーのせいでしょうか? それらが複合して? そこも説明してくれません。
ロンはシャンプーが嫌いで(好きな犬は少数でしょうが)、スキあらば風呂場から逃げ出そうとします。終わるとウップン爆発、バスタオルの中で暴れます。
いくら皮膚病でもシャンプーのしすぎは肌を乾燥させて良くないのでは?
かりに頻繁にシャンプーしたほうが殺菌にはいいとしても、そのストレスで他のところが悪くなるのでは?
胃潰瘍にでもなるのでは。
「もういやだー、絶対いやだ」というように、シャンプー後暴れます。
皮膚病治療だけでなく、総合的に診てほしい。その点では1人総合病院の獣医の方が、人間相手の分業化された医師よりも有利でしょうが、その有利さを生かしてくれていないように見えます。
「皮膚病ですね。それならこの薬液で二日に一度シャンプーして下さい。」
岐阜まで行きました。最初から行くべきだったと悔いながら。
先生の話
「マラセチア菌は、どこにでもいる。健康な犬の皮膚にもいます。それが異常に繁殖しているとしたら、抵抗力が衰えているから。陰部からウミが出ていますから、子宮蓄膿症でしょう。そのために抵抗力が弱り、皮膚炎を悪化させている。」
いつもながら鮮やかな説明。レントゲンを撮り、血液検査をして、子宮蓄膿症に間違いない、手術。
手術後、皮膚病は改善しました。往復三時間かけて通うだけのことはありました。
と、喜んでいたら、一ト月もすると、また皮膚炎悪化。手術前の状態に戻りました。
(手術後いったんは皮膚の状態がずいぶん良くなったのはどうして? 卵巣を摘出してホルモンが分泌されなくなったことと関係あり? また悪化したのはなぜ? 術前の皮膚病と術後のものとは別種なのかもという気もしますが)
診断は食物アレルギー。特別療法食になりました。
しかし、一ヶ月たっても、全然よくなりません。
先生、ぼくを責めるように、
「何を食べさせてますか?」
何をって? 先生が勧めるユーカヌバのフォーミュラFPという療法食。それ以外は、おやつに鶏ササミをゆでた物。 これも、おやつにそれぐらいはいいだろうと言われた物。
この皮膚の症状は変な物を食べさせているとしか考えられない。?!
遠いけど安心だ、今後は何があっても、この先生に診てもらおうと信頼していたけど。
その日最高気温34°ロンは車に乗せると、震えます。「車=いやな病院行き」だからでしょう。もともと車に弱いのです。途中休憩が必要だし、真夏でも、真冬でも窓を開けて走ります。
「何を食べさせてますか」は、ないでしょう!
帰り道、交差点で、赤信号に変わったけど、アクセルを踏んで、対向車線の右折車とぶつかりそうに。
ペットの病気の本を読み、ネットでも犬の皮膚病・犬のアレルギーについて調べてみました。アレルギー性皮膚炎で、食物によるものは実は意外に少ない、というのが定説のようです。アレルギー犬用の特別療法食を食べさせたら治ったという例は少数、と。
岐阜の先生、アレルギーについては不勉強ですよ!
でも、この先生には、ほんとに、お世話になりました。心配事があると電話でたずねましたが、忙しい中、いつもテイネイに説明して下さいました。
1人の医師に総合病院を求めるのが無理ということなのでしょう。外科的治療などは達人でも、皮膚病は、原因特定も治療も難しいようです。
アレルギー性皮膚炎は、食物の他、花粉・ノミ・ダニ・ほこり。人のフケがアレルゲンになっている場合もあるそうです。車の排気ガスなど大気汚染も関係しているらしい。飼い主が定年退職して山村に引っ越すと治ったという例もあるそうです。
血液検査でアレルゲンの特定ができると思われているけれど、実は、よほど厳密にしないと難しいそうで、もしも検査で特定できたとしても、ほこりや人のフケを生活圏から完全に取り去るわけにいかず、こまめに掃除する。シャンプーをする。シャンプーも良くないという説も。ただのお湯で洗え、という人もいます。
完治を望むのは無理。症状を緩和することでよしとせよ。というのが、調べた範囲から得られたことです。
犬の皮膚病・犬のアレルギーに詳しい先生はいないだろうか。良い先生が、きっともっと近くにいるはず。人の評判も当てにならない場合はあるけど、いろいろな人に訊いて、複数の知人が薦める病院になら、と行ってみました。アレルギーに詳しいかどうかわからないけど、地元の新聞にコラムを連載していたし、動物の専門医として全国的にも有名な先生ということでした。
待合室の壁には、
『ヒポクラテスの誓い』が掲げられていました。
「私は能力と判断の限りを尽くして、患者のために利益となる治療をおこなう。私の利益のための治療方法はとらない。」
最初の病院の「夜鳴き、無駄吠え、注射一本で治ります!」とは大違いです。ここなら、大丈夫そう。車で10分だし。ロン、やっと良い先生が見つかったね。
診断は自己免疫疾患でした。
何の検査もなしに? 初診で?
『犬の病気』の本には、この病気は、症状は重く、多くの場合皮膚がただれると。
皮膚がただれてはいないけど、それに検査もなしで一目でわかるものなのかなあ。
この先生は、超名医だから、一目でわかるのかもしれない。本の方がまちがっている、のかもしれないし。しばらくこの先生を信じてみましょう。
注射はありませんでした。療法食(ヒルズのd/d)と薬を処方されました。
薬はステロイド。これは、岐阜の先生からも処方されていました。他の薬と一緒に。しかし、今度はステロイドだけ。飲ませると一時的には症状が緩和されますが、副作用が強く、のどが渇くようで、水をがぶ飲みし、始まっていた尿漏れが一層ひどくなりました。
それでも指示通りに、薬を二、三日おきに飲ませました。
飲ませる。一日休み。飲ませる。休み。休み。飲ませる。……
皮膚の症状はよくなりません。少しずつ元気がなくなっていくようです。ステロイドのせいではないでしょうか。
2週間後、医師にそう訴えても、
「もう少し様子を見ましょう。」
診断も処方される薬も同じ。
散歩から帰るといつも、「ごはん、ごはん」と騒いでいたのに、玄関でうずくまってしまうようになりました。
強く抱っこすると嫌がって暴れていたのが、それもしなくなりました。
寿命が迫っているのでしょうか?
急に弱ってきた気がします。ステロイドのせいのような気がするのです。皮膚はよくなるどころか、ウミの出るところが増えています。
薬を止そうか。ステロイドは急にやめると、投薬開始前よりも悪化することがあると聞きます。シロウト判断で飲ませるのをやめて、かえって悪くなったら?
さらに2週間後、医師に、皮膚の状態は良くならないのに、体力は弱って行くばかりのようですが、と訴えると、
わずらわしい、というような顔をされて、
「もう少し様子を見ましょう。こういう皮膚病は短期間に治るものではありませんから。」
「わずらわしいという顔をした」というのは、ぼくの主観と言われるとそれまでです。期待したものとの落差が大きかったから、目に焼き付きました。
ヒポクラテスはどこに?
きっと、この先生の関心にハマッタ病気のワンちゃんには、ヒポクラテスでいられるんでしょう。名医なんでしょう。しかし、皮膚病には興味がないのでしょう。
ロンは散歩に行くのもタイギそうになりました。
ネットには「ステロイドは命を縮める」という情報が。「ステロイドは副作用が強いので他の薬と併用を」という注意も。一方、「有効な薬で、いたずらに怖れることはない」というものも。
ロンは明らかに弱ってきています。このまま飲ませ続けたら命に関わるように思えてなりません。やめた方がいい。踏ん切ろうとするけど、
オ前ハしろうとナノニ、ヤメテ、モシ悪化シタラ……。
「新聞にコラムを連載。全国的にも有名な先生」という意識がぼくの決断を鈍らせていたのでしょう。
薬を止めました。そのために、もし悪化したとしても、ロンは許してくれるでしょう。
やめて5日目くらいだったと思います。
夕方の散歩から戻ってもうずくまらずに、ぼくの手を軽く引っかきました。
ハヤク、ゴハン。
うれしくて抱きあげると、イヤダ、放セと抵抗しました。
やがて、散歩から帰って、足を拭こうとすると、
足ナンカフカナイ、早クゴ飯と騒ぐロンに戻りました。
! ! ! ! 
『イヌの病気百科』には、シェルティに多い病気として、自己免疫疾患があげられていました。それで先生は決めつけてしまったのでしょう。
自己免疫疾患の診断は難しいそうです。
「検査の条件によって結果がかなり異なるため、熟練した医師でないと、判断を誤ることがあります」と。治療も、「副腎皮質ホルモン、漢方薬、ビタミンE、免疫抑制剤、などのうちから数種類を選んで使います。どのような薬を組み合わせるかがポイントです。」
あの先生、皮膚病に関心がないなら、他の病院を薦めることなど出来ないのでしょうか。
薬を飲ませるのをやめるとロンの元気は回復しました。皮膚病は相変わらずです。
外出時、犬を連れた人に会うと、どこの病院に行っているか、その医師は、どんな治療をするか、たずねました。
その話から、いいかもしれないと思える病院に行ってみました。
アレルギーではない。水虫の原因となるカビの仲間がおこす感染症という診断でした。
入院を勧められました。入院させて毛を刈り、週二、三回薬浴させると、一ト月で治るでしょうと。
ロンはシャンプーが大嫌いです。それよりも、ロンがぼくたちから離され、小さなオリに隔離されることで受ける精神的ショックは?
病院から帰ると、虐待を受けたと思うのでしょう。タンスとフスマの狭いスキマに閉じこもって出てこないことがあります。日帰りで病院に行くだけでそれだけ痛手を受ける子が、一ト月入院なんて。
個犬差も考慮して欲しい。人なつっこい犬、環境の変化に柔軟に対応できる犬ならいいでしょうが、ロンは飼い主ににてセンサイです。(と思いません?)
飼い主以外になかなか心を開きません。
子宮蓄膿症で手術の時は、仕方なく入院させましたが、退院の際、迎えに行っても、ロンは無反応でした。
留守番させていて、ぼくらが帰宅したときに見せるように、喜んで、尻尾をちぎれるように振るだろうと予想していたら、呼びかけても、知らん顔でした。
それだけ信頼をそこねるものだったのか、それとも茫然自失状態だったのでしょうか。
車で20分くらい走ったところで、やっと、ぼくの顔を力無くなめてくれました。
医者の言うとおりに入院させたら亡くなったという犬たちも、原因は様々でしょうが、飼い主から見すてられたと誤解した絶望感・心理的ダメージが大きい場合もあるのでは? それでなくても、体の変調を犬自身が自覚して不安になっているのですから。
治療する場合、それが犬にどれほど心理的負担を与えるか、配慮がほしい。PTSDなどが注目されるようになったのは日本では近年のことです。犬にも身体の治療だけでなく、その治療が心に与える負担についても、考慮してほしいというのは、まだまだ無理な要求でしょうか。
そんな説明して入院は断りました。
立て続けに3本注射を打たれ、ロンが初めて大きな悲鳴をあげました。
その夜、腰がふらつき、歩きながら倒れてしまいました。
もしものことがあったら、訴える。
怒りは実行されずにすみました。
3本も注射されるのを黙って見ていたぼくも問題ですね。その後は、
「注射しておきましょう」と言われても、
「ヤメテ下さい」と断るようにしました。
(注射偏愛症の医師ですが、振り返って、診断はこの先生が正しかったと思っています。
診断が確かだったら、治療処置が乱暴……。)
その後、3つの病院を回りました。
「アレルギー体質だから、漢方で体質改善をしなければ。」 そこは話を聞いただけで退散。
注射。シャンプー。ステロイド。抗ヒスタミン。脂肪酸。療法食。栄養剤。亜鉛。……。
どこかにいい病院は? ネットでも探しました。お薦めの病院として、行ったことのある病院の名前が出ています。
途方に暮れました。
2002年3月、ネットで調べていて、「犬の皮膚病にブラッシング・コーミングがいい」と見つけました。そんな簡単なことで? 信じられず、読み流して、サーフィンを続けました。
その夜、寝床で、はげてしまっているロンの寝姿を眺めながら、
ダメでモトもと、ブラシ、徹底的にやってみようか。
翌朝、乾いたウミがカサブタのようになっているのがはぎ取れるまで、テイネイにブラシ(コーミング)しました。これまでもブラシはしていましたが、このカサブタをはぐと、出血するようで、怖くてそこを避けていたのです。それが全身にありますから、ブラシといっても、体の半分も出来ませんでした。
カサブタをはいでも、出血しません。薄桃色の皮膚です。
さて、翌日、
ウミの量が明らかに減っていました。
せっせせっせとブラシしました。
! 治りました。
改善でなく、治りました。
5日目くらいだったと思います、ウミがとまりました。そして、その後、ハゲていた部分にうっすら毛が生えてきたのです。それだけでなく尿もれも減りました。歩いた後、床に、足跡のように落としていたオシッコのシズクが、激減。快晴の空に、たまにあらわれる雲程度に。
人間は万病予防に乾布マサツ。犬ならブラシ。血行の問題!
ブラシといっても通りいっぺんではダメです。
コーム(金櫛)で指の一本一本まで、指間にもウミが出ていますから。全身くまなく。一カ所に最低10回はかけると2時間かかります。2時間通しては大変なので、半身ずつ朝夕1時間。
今日はちょっと忙しいと手を抜くと、翌日もう、ウミが出てきました。さぼると、翌日ウミのかたまりをはぎとるのに、時間がかかります。さぼった分以上に時間をとられます。
ロンの方も、1時間もじっと耐えているのは大変だったでしょう。最初は暴れました。
こっちも、朝夕1時間ずつの、時間の負担がつらい上に、腰をかがめての作業に、腰痛も悪化して、いらだち、大声で叱ることも。
腰痛はこちらの姿勢が悪かったからで、ペットの美容室でやっているようにロンをテーブルの上に寝かせ、ぼくも椅子に座ってすると楽になりました。
シャンプーでも、薬や栄養剤を飲ませても治らなかった皮膚病が、ウソみたいに治りました。
シャンプー(ノルバサンが効きました。エピスースはダメでした。)直後は良くなるのですが、二日たつと、モトノモクアミ。その繰り返しでした。
結局、この皮膚病は、アレルギーでなく真菌感染症だったのでしょう。見た目にはひどい全身に広がる症状でしたが、カユミはあんまりなかったし、アレルギーだったらブラシで治るはずがないでしょう。フードも2002年1月からアレルギー用の特別療法食はやめて、市販の物にしていました。ユーカヌバのシニア用。食物とは関係なかったようです。
こんなことなら、ロンが好きだった牛肉をもっと食べさせといてやれば良かった。ロンがいなくなってしまった今思うことです。
ウミが固まったカサブタと見ていた物は、フケのカタマリ? 本には、「真菌感染ではフケがカサブタのようになる」と。
ブラシが、ロンの場合、たまたま良かったのかもしれません。どんな犬の、どんな皮膚病にも有効というわけではないでしょう。しかし、皮膚病に苦労しているみなさん、ぜひ、試してみて下さい。
ブラシ・コーミングですよ。毎日、テイネイに。皮膚病ばかりでなく、愛犬の健康維持のためにも有効ですよ。尿もれだって激減したのですから。
愛犬家を自認する人は、(しない人も、)毎日ブラシ。
ついでに頭髪が気になる人も。ぼくも薄くなった頭にせっせとブラシしています。抜け毛が少なくなった気がします。
7人の獣医師よりも、1本のブラシ!
「犬の皮膚病にブラシが有効」という情報がどこにあったのか、後で何度も探しました。
Googleで「犬のアレルギー」「犬の皮膚病」「マラセチア」「自己免疫疾患」「真菌感染」「治療法」「動物病院」「お薦め」……などのキーワードを適当に組合わせて検索し、片っ端から流し読んでいた時に、見たのです。
「ブラシなんかで治るはずがない」とその時は思って、読み飛ばしたのです。
後で同じようなキーワードで何度も検索しましたが、これだ!というぺ−ジに当たりません。掲示板の書き込みだったように記憶していたのですが。
これだったかもしれないと思うのは、京都の動物病院・串田獣医師のこの説明。
http://www.p-well.com/health/clinic/dog/dog-hifubyo.html
皮膚病についてわかりやすく要点が解説されていますし、「皮膚病などの予防にブラシやコーミング」とあります。それを「皮膚病にブラシ」とアワテ読みしたのかも。読み間違いのおかげでロンの皮膚病が治った!
そうだ、串田先生のこのページを読んだのだった、ということにしてしまってもいいでしょう。これだけ探しても他に見つからないし。
この解説で皮膚病の原因特定の難しさがわかりました。多くの医者が誤診した理由も。
串田先生ありがとうございます。
ろくに検査もされずに、「アレルギーだ」、「自己免疫疾患だ」……などと診断されたのだったら、その医者は疑った方がいいようです。
のみアレルギーなどは、わかりやすいけれど、一般に皮膚病は見ただけで判断することは出来ないもの。そのことを飼い主は心得ておきましょう。
中には、皮膚を念入りに見た上で、一部それをこそぎとり、調べてみましょう、と顕微鏡でのぞいて、
「なるほど」と言い薬を処方。「なるほど」の中身はいわないまま。それを一ト月のませつづけても少しも良くならなかったという医師もいました。
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