埼玉司法書士会 市村司法書士
埼玉

自己破産の概略を手続の流れにそって、順に説明します。
自己破産は、多額の借金があって、 『 返済が支払不能 』 になった債務者が、申立てをすることが出来ます。
法人の場合は、 『 債務超過 』 になった場合にも、自己破産の申立てをすることが出来ます。
債務者が、自分から申立てをする場合を自己破産と呼びます。
まず、住所地の地方裁判所に、申立てをしなければなりません。
裁判所による破産審査
自己破産の申立て書類に不備がなければ、裁判所は、申立てた人を裁判所に呼び出して、その人の経済的な事情などを聞きます。これを 破産審尋 と言います。
裁判所は、申立てた人が支払不能だと判断すると破産宣告をし、この宣告がなされると、申し立てた人は破産者と呼ばれます。
自己破産者となると、就職ができない職種があります。代表的なものとして、弁護士、司法書士、税理士、宅建業者、旅行業者、警備員、会社の取締役、監査役などいろいろありますので、自己破産するときには注意が必要です。
債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当
裁判所は、破産宣告をした後、破産者のすべての財産を金銭に換えて、そして、この金銭を債権者に平等に分けます。これを配当といいます。
すべての財産を金銭に替えると書きましたが、日常生活に必要とされる一定の生活必需品は、
残しても良いことになっています。
また、金銭も99万円までなら残して良いことになっています。
( 注意: 99万円というのは、改正破産法によるものです。改正破産法の施行は、平成17年1月1日からです。)
配当が終了すると、裁判所は破産手続きの終了を宣言して、自己破産手続きは終了です。
これを、 破産廃止決定 と言います。
金銭に換える財産が全くない人の場合は、裁判所は、破産宣告をすると同時に、破産廃止決定も一緒にします。
これを、 同時廃止 と言います。
以上のように、裁判所が破産廃止決定をすると、自己破産手続きは終了です。
しかし、これですべて終わりというわけではありません。
一番大事な、免責手続きが残っています。
免責申立
自己破産手続きでは、債務者の財産を平等に債権者に分配するだけです。全財産を投げ出しても借金が、返し切れないときは、借金は借金として残っています。
このとき、残った借金から逃れるためには、免責手続きで、免責決定を受けなければなりません。
免責の申立ては、破産の申立てをした裁判所にします。
裁判所による免責審査
免責の申立て書類に不備がなければ、裁判所は、申立てをした人を裁判所に呼び出して、破産者の事情を聞きます。これを 免責審尋 と言います。
免責手続きの終了
裁判所は、 『 免責不許可事由 』 がないと判断すると、免責決定をします。
免責決定が出ると、自己破産に関する手続きは終了です。
免責決定がでると、債務者は、今までの借金を支払わなくてよくなります。
ただし、賭博などで借金をした場合、金融業者を騙して借金をしたような場合には、裁判所は免責決定をしてくれないときもあります。
また、ときには、全額免除ではなく、一部の借金を支払えと言うときもあります。
このように、裁判所が免除を認めないと判断するときの理由を、 免責不許可事由 と言います。
裁判所の免責決定が出るまでは、破産者と呼ばれていましたが、以後は破産者ではなくなり普通人に戻ります。
いままで制限されていた職業にも就くことができるようになります。但し、銀行、クレジット・サラ金業者のブラック・リストには、載っていますので、実際には借金はできなくなるでしょう。
また、今後10年は、自己破産申し立ては出来ません。
免責の注意点
免責決定がされると、破産者は以後自己の債務を支払わなくてよくなるのですが、免責の効果は保証人には、無 関係です。
保証人は、債権者から支払いを求められれば支払わなくてはなりません。
⇒ ⇒ 自己破産手続の申込方法 こちらから

自己破産では、日常生活に必要な身の回り品と99万円の金銭が残されるとは言え、住宅や高額な車などは手放さなければなりません。また、自己破産者になると、一定の資格のある仕事には就けないなどの不利益があります。
そこで、一度に全部の借金を支払うことはできないが、時間をかければ ( 3 年が基本 ) 借金の一部は支払うことはできる人が利用するのが、民事再生、特定調停、任意整理などの手続きです。( 注意: 99万円というのは、改正破産法によるものです。改正破産法の施行は、平成17年1月1日からです。)
どの手続きを選んだらよいのか
一番簡単で手軽な手続きは、任意整理です。
しかし、任意整理は 3 年を目途に借金を返済して行くと言うもので、経済的基盤のしっかりした人でないと、返済を続けていくのが困難で、途中で行き詰る人も多数いるのが実情です。任意整理が選択されるのは、借入金額が200万円以下のケースがほとんどいえます。
よく、自己破産をしないで債務整理をします、などの宣伝を見かけますが、一応は疑って見る必要があります。
その理由は、まず、最初に任意整理をする手続としての手数料を取られます。しかし、途中で支払を継続できなくなると、自己破産手続に切り替えなければならなくなります。そうなると自己破産手続きは、任意整理などの手続とはまた別の手続となるので、再度手数料が掛かります。
こうして、手数料の二重払いをしなければならなくなる場合があります。しかも、任意整理中に苦労をして続けていた返済も、すべて無駄な返済だったということになってしまいます。
途中で自己破産するなら、返済する必要はなっかたのです。
多重債務者の事情を詳しく聞かずに、毎月これ位は払えるでしょう、などといって安易に任意整理を勧められたような場合は、注意が必要です。
どの手続きを選んだら良いのかは、かなり重要な問題です。慎重に選択して下さい。
前のページに 『 診断コーナー 』 のページがありますので、自己診断して見て下さい。
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