Studio Delta Wave・8分の1 高屋敷末莉 (原型〜やまもと氏)

2005年5月完成




2005年2体目の完成(←製作遅っ!)は、「家族計画〜絆箱〜」より、4女役の末莉です〜

元々「家族計画」からの立体化は殆ど聞いていませんが、「家族計画のフィギュアでは唯一絶対」と称えても過言ではないほど素晴らしく、それでいて可愛らしいフィギュアとなっています☆

原型師は、やまもとさん。ゲーム系中心に女の子フィギュアを原型されている方ですが、ここ近年の造形力がめきめきと上昇してきており、イベント毎にこの人の新作をチェックするのが密かな楽しみになっていたりします。



ゲームの方はインターチャネルさんによってPS2にも移植されましたが、私がプレイしたのはWIN版(絆箱の方)。久々に涙腺を全開できたゲームで、全員のEDで泣いたゲームなんて今までこれぐらいですね。

登場キャラ全員が不幸な境遇の人間ばかり。どのシナリオもルート終盤でこれでもか、というほど不幸のどん底に落とすような事件が続発し、結構痛々しい心情でゲームを進めることになるわけですが、それを乗り越えた末のEDはもうホント幸せそうで、これまでのことを考えるとつい涙ぐんでしまうんですよね。

ネタバレになるので詳細は書けませんが、末莉のEDはその中でも1番のお気に入りです。「あぁ、これでよかったんだな…」と暖かい気持ちになれる幸せなエピローグには終始涙腺が緩みっぱなしでした。

んで、PS2の「家族計画」はサブキャラの攻略が可能になっているんですよね(久美景)。何気に末莉と並んで好きなキャラだけに、ちょっとだけプレイしたい最近。



んで、製作レポートに入りましょうか。パーツ分割は…


前髪、後ろ髪、顔面部、胴体部(上)、胴体部(下)、両腕、左足、右足

計8パーツ



パーツ数はかなり少なめ。とはいえ、胴体部のパーツ構成が特殊なことを除くと割とスタンダードな分割となっています。

私がこのキットを購入したWHF神戸は手流し品として販売された最後のイベントだったようで、どうも以後は業者抜きで販売されたそうな…まぁ、1000円安かったらしいので、経費節約とプラス思考で捉えていましたが。

んで、手流し品というだけあってパーツ状態は結構(;゚∀゚)。気泡は各所に大小問わず混在しており(あり難いことに、顔面部だけは殆どなかった)、袖口にはクレーターのような巨大気泡があったし、シャツの先端など角張った箇所も漏れなく気泡で欠損、お鼻も気泡がありました。

前髪に関しては、欠損防止の意図と思われるゲートが配置されていたので、欠損はなし。ただし、ここは私がアホなことをしてしまった為に作業量を増やすことになりましたが(後述)

まずは、最近お世話になりまくりの芸人サンダーとスピンヤスリでバリやパーティングラインをどんどん処理。象牙色のレジンキットでしたので陰影がはっきりしており、気泡やバリの把握は非常に容易かったです。

気泡に関しては、巨大なものはいつもの「ジャンクパーツ突き刺し」という荒技で対処。ちなみに、今回鼻の気泡も同じ方法で処理しています。ああいった先端箇所はアルテコとかで埋めても、食いつき面積が狭い事情でうまく埋まらない場合が多いので(ペーパーをかけるとアルテコ自体が簡単に外れてしまう)、突き刺す形でパーツを延長させて余分な箇所を削る方が確実。ちなみに、そのままだと穴が小さいので、ピンバイスで穴を広げています。

穴を広げたならアルテコ等で補修すればいいじゃん、となりますが鼻のように尖らせないといけない箇所はアルテコ自体の強度が低下するので、そうもいかんのですよ。元々ある程度の強度を有しているジャックパーツを差し込んだ方が強度的にも安心です。

んで、前髪のゲート。ここは前髪の先端全てを横切る形でゲートが配置されていますが、ここは薄い切りこみを入れて芸人サンダーで少しずつバリを処理するのが正解と思われますが、気の短い私はこれをニッパーで処理してゲートもろとも前髪の先端全てが折れることに!(ギャー)

作業を焦って要らん作業が増えてしもた…(;´Д`)。先端は全てプラ板の接合により延長、ペーパーで形を整えていますが、これでは殆ど自作したようなもん。原型師さんの思った姿と違った前髪になってしまっているかも(いちおう、完成写真を見ながら元に近づけるように努力はしましたけど)

胴体部はど真ん中でカットというある意味昔の「海洋堂斬り」を連想させる分割。イベントで展示品を見た際はスカートを別パーツにして、上に胴体部を被せるよくある方式だと思っていましたが、パーツ確認すると違った…まぁ、型用のシリコン量を抑えて低価格でキットを供給させる意図かとも思えますけど(違っていたらゴメンなさい)。

ここはズレ防止と強度確保の意図で2mmの軸線を通し、アルテコを接合部にたっぷり塗って接合。はみ出たアルテコを削り、表面を綺麗にすればOK。ここの分割線、前部は元々横にポケットのラインのようなものが走っているし、背中にしても末莉はストレートのロングヘアなので、あまり目立ちません。そこらへんも考慮してここで分割されているのではないかと。




塗装の方は特に難しい箇所もありません、色の境界線も全体的にほぼ直線的なので、0.4mm幅のアイズプロジェクト製マスキングテープがあれば、楽勝でしょう。スカートの塗装に伴う境界線のところだけは少し厄介ですが、強い色(この場合はスカートの赤)は多少境界線を乗り越えても違和感は少ないので、思いきって面端に沿う形でマスクしてもOKかと思います。 ということで、完成。瞳の塗装に関しては、前回の愛佳の反省点である「奥行き」を表現するべく瞳孔と瞳孔周りのカラー彩度に差をもたせ、クリアーを塗り重ねたことによるグラデをかけてばっちりかな(ちなみにコレはとある原型師さんからのアドバイスです)。例によってここはいつものクリアー保護をかけて瞳に光沢をもたせています。

今回もパールコートを駆使する機会はなし。まぁ、こういった地味なデザインの服装だと(ゴメンね、末莉タン)、パールをかけても変な感じだし。



あと、前髪と後ろ髪の分割線。ラクス、愛佳と同じ方法で挑んで手痛い失敗で終わってしまったわけで、今回は別の方法を模索していましたが、知人のフィニッシャーより密書とともに秘密兵器が届き、それを使うことに。

コトブキヤでも扱われている高圧ガス工業というメーカーさんの接着剤で、品名は「シアノン」。外見としてはアルテコのHG液をまんま白くした感じです。

これをアルテコパウダーと混ぜると、アルテコとほぼ同じ強度・食いつき力を維持したまま「白」というカラーで得られる特性があります。明るい発色が求められる美少女フィギュアではかなり使えそうですよね。

早速、今回の髪の分割線処理に使用。初使用なので、次回作のキットにある気泡などに使ってその感触を検証。硬度としてはアルテコよりやや劣りますが、食いつきはほぼ同じ感じですね。んで、重要なのはこの「アルテコよりやや劣る硬度」。塗装後の分割線処理は、周りの塗膜を痛めないことが求められるわけで、アルテコだと硬すぎて400番程度のペーパーでないと削れないので、どうしても周囲の塗膜を痛めてしまい、それがゆえに接合箇所の塗膜がボコボコになってしまっていたんですよね。

このシアノンの場合、600番程度のペーパーでも割りと楽に削れるので周りの塗膜への飛び火入りも最低限に抑えることができました。とはいえ、完全に分割線を処理するには至らず、極細の線が走っている形になっていますが、それもかなり細いのでかなり近くで真上から見ないとわからない程度です。今まで散々な形で終わっていたことを考えると、大きな進歩というべきでしょう。

ストックの中に髪の分割線を塗装後に処理することが求められるキットは何体かあるし、この秘密兵器は十分切り札として使えそうです。


ベースは2つの板ベースを4本の2mm真鍮線で組み立てて椅子型にしているという見た目はお粗末ながら、結構カネのかかっている代物。上下のベースは違うサイズにし、配置も重心や見栄えを重視してそれなりに考えていたりします。

こんな感じで足をぶらぶらさせて座っているフィギュアの場合、何がしかの形でベースを普段とは違ったものにする必要があるわけですが、いろいろ考えたものの、あまりいいものが思い浮かばない…ふと知り合いの製作代行さんが以前イベントで似たような座りフィギュアの展示用にベースを自作していたのを思いだし、それを一部参考にさせて頂きました(先方さんのは上が丸ベースで、下のベースとの柱はプラ丸棒でした)

上の小さ目のベースは私がフィギュア駆け出しの頃に買ったもので、その小ささゆえにSDフィギュアぐらいしか使い道が無いのですが、実はSDフィギュアは組まない私…ということで、7年もの間日の目を見ていなかったわけですが、今回使ってみました。



カラーに関しては、肌色は愛佳の際に作り起こしたものをそのまま使用しています。今回もふわふわした感じがバッチリ出ており、この肌色はたぶん今まで私が作ったもので最高でしょう。まぁ、これは下地のフィニッシャーズ2塗料による効果も大きいのでしょうけど。薄い塗膜で全体を白均一にできるあの2塗料はもはや手放せませんね。スプレーでサフを吹く時代はもう私の中ではとっくに終焉を告げています。

髪のカラーもメイン・グラデともに実は使いまわし。メインの方はネリネ用のカラーそのままです。あちらはパールをかけているのでよほどの人で無いと同じ色だとは気付き難いと思いますが、以前のものをそのまま使用しています。

実はコレ、たまたまではありません。元々ネリネの髪カラーを配合した際に、フラットをかけるだけで末莉の髪にもそのまま使えるような青にするという意図がありまして、既にあの時点でこのカラーは完成していたというわけ。

グラデ部分は、澄乃の私服にあるブルーのライン用に作ったカラーからそのまま流用しています。彩度の高いブルー、ということでそのまま使えそうだったのですが、こちらも効果てきめん。

黄色部分のシャドウはスカートの赤そのまま。最初は別にシャドウをかけていたんですが、今回赤を吹く際にクリアーで保護するのを忘れて、マスキング漏れによって黄色部分に赤が飛び火入りヽ(TдT)ノ

ブツブツ言いながら上から黄色を吹くと、漏れた赤が黄色に干渉して(・∀・)イイ!!感じのシャドウに。悪い状況を逆手にとって利用することは大好きな私、コレを見逃すはずがありません(;゜∀゜)。そのままシャドウ部分にワザと赤を吹きつけ、上から黄色を吹きなおして黄色部分のシャドウを確定させました。



そうそう、胸の「☆」マークは、付属のデカールです。瞳デカールも付いていましたが、そちらの方は使っていません。



下地塗料

サーフェイサー …… フィニッシャーズ・アクリルプラサフホワイト(エアブラシ塗装)
下地ホワイト …… フィニッシャーズ・ファンデーションホワイト(エアブラシ塗装)

色の配合(一部除き全てグンゼラッカー)

1・通常コート部分(塗装後にGSIトップコートつや消しでコートした箇所)

肌色……ホワイト+オレンジ+微量のイエロー
肌色(グラデ)……オレンジ+少量のホワイト
髪……コバルトブルー+ホワイト+微量のパープル
髪シャドウ……コバルトブルー+インディブルー
白部分(服やヘアバンド、ソックス)…ホワイト
白部分シャドウ……ダークシーグレー+キャラクターホワイト+少量のパープル
服の赤部分……モンザレッド+ピンク
服の赤部分シャドウ……マルーン
服の黄部分……イエロー+微量のオレンジ
服の黄部分シャドウ……モンザレッドを薄く吹いて、黄部分のカラーを吹きつけ
シャツ……コバルトブルー

スミ入れ(白部分)……ホワイト+微量のブラック(田宮エナメル)

スミ入れ(黄部分)……イエロー+オレンジ(田宮エナメル)

2・グロス部分(塗装後にスーパークリアーUでコートした箇所)

瞳孔…パープル(田宮エナメル)
瞳孔(グラデ)…クリアー+微量のパープル(田宮エナメル)
瞳孔周り…パープル+ホワイト(田宮エナメル)




難易度……★★☆☆☆

マスキングはかなり楽です。整形にしてもそれほど入り組んだ形状のパーツは無いので、どの作業もそれほど難しい技術や知識は要求されないと思います。
業者抜きキットなら、たぶん「★☆☆☆☆」かな?



反省点

表面処理が結構甘いまま塗装に移行しており、かなーり近づいて見ないと分からないとは言え表面は胴体部を中心にかなりヒドイ状態です。
まぁ、それを塗装でカバーしたつもりですが…半径50cm以内での閲覧は禁止ですなぁ(´∀`;)


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