2001年11月完成
このマーキュリーを完成させることが4年来の夢だった…ということで、その夢もついに実現、智恵理さんのマーキュリー完成す。「セーラームーン」でのマーキュリーもとい水野亜美は私の萌え具合でいうとニ押ですね。美奈子が出てくるまでの一押しの地位はこの娘が占有していたんですが、考え方や行動が中学2年の少女とは思えぬほどの「おおっ」という共感できるものが多いのよね(まぁIQ300の成せる業でしょうけど)。
心優しい性格は蒼髪を同じくする後の虹野沙希の原型?優しい性格に芯の強さを併せ持っており、何かを守るために戦う時の亜美はヒジョーに凛々しく写ります。その一方で劇中に「わたしは勉強以外にどんな魅力があるのかしら」と苦悩する姿も時折描かれており、そういった「弱さ」はやはり女の子していると思いますよね。
で、フィギュアのレビューです。このフィギュアはLDの2巻パッケージ絵のマーキュリーのイラストが素になっており、ポーズに若干補正を加えて立体化されたものです。
このフィギュア、4年来作りたかった品とはいえ、実はマーキュリーフィギュアとしては最高の品とは思っていません。実際マーキュリーの立体化という面では「Free-X」のあげたゆきおさん、それに「うさPハウス」の相田和与さんの造形が顔的に最もマッチしており(と思います、私は)、最高のマーキュリーはいずれかだと思っています。
なぜそれなら、となりますが私が着目したのはこのフィギュアの「女の子フィギュアとしてのデキ」です。マーキュリー顔の造形としてはあげたさんや相田さんに1歩譲りますが、躍動感溢れる空間的なポーズやどの角度から見ても絵になるように計算されつくした顔の角度、手足の配置による全体のバランスは素晴らしい調和を生み出しています。
肘の角度や開いた脚、傾げた首、それに目線などの1箇所1箇所の要素が全身の調和にリンクしており、これが「どの角度から見ても絵になるフィギュア」を作り出しているわけですが、この手のフィギュアなんてそうそうありません。4年で私が組んできた中でも、その条件を満たしたフィギュアは竜人さんの藤崎詩織だけでした。しかもこのマーキュリーは竜人さんの詩織に5年も先だって原型された品で、日進月歩の造形界においては未来を先取りしたような品といえるでしょう。
また、背後からのアングルで観賞した際にスカートがやや舞い上がっているのが分かりますよね。少し下から見ればいい形をしたお尻が見えるというわけで(ぉぃ)、こういった微妙な間取りも現代のフィギュアに通じるものがあります。
セーラー戦士の衣装というのはレオタードにプロテクターとスカートという構成らしいので(HJ93年7月号の智恵理さん自体のコメントより)、例え見えてもそのお尻はぱんつ(爆)ではないんですが、スカートのチラリズムへのこだわりは漢としては捨てられませんよねーっ、というか私はぱんつ星人だし(滅)
新世紀(2001年)になってブーム再燃ということで「せらむん」フィギュアは良質の品が新たに世に送り出されるようになりましたが、そういったフィギュアを並べても智恵理さんのマーキュリーは十分拮抗できるデキだと思っています。これは新世紀の原型師の腕が智恵理さんに追いついたというのではなく、むしろ智恵理さんの腕が93年当時に群を抜いて突出していたという方が正しいでしょう。
初めてこのマーキュリーを見たのは97年の「ホビット梅田」か「ロム ガレージ」での展示品だったと思います。ちょうど海洋堂の「ときメモフィギュア」を作っていた当時で、この時は「せらむん」を観ていなかったのにフィギュアを見て電流が走った記憶があります…「スゲー、この虹野さん凄いデキがいいのぉ(←アホか…^^;)」とかで。
無謀にも店員を捕まえて「コレのキット品ちょうだいな」と言うものの、トーゼン絶版品。というか当時の私は「元ネタ知らんフィギュアは作らない」はずだったんですが、こういう面を整合しても完全に虹野さんと勘違いしていた疑いがアリ(バカさ爆発^^;)。
で、諦めずに店員と交渉…というかこの時点で明らかにイヤな客だな(^^ゞ。
私「…じゃ、完成展示品でいいから売ってくれない?」
店員(以下テ)「うちは完成品販売はやっていないんですよぉ」
私「別にそのまま飾るわけぢゃないんだけど」
テ「…といいますと?」
私「色落として私が塗りなおします」
テ「(青ざめて)…止めて下さい」
↑というわけでして…やー、今思うと凄いバカなことしているなー、ハハッ(滅)。で、その後も東京方面や関西方面で機会あるごとに探すも見つからず。頼みの綱のオークションでも一向に出てこないし、それほど生産数が希少だったのかと思うほどでした。オークションでは「逆オークション」というアンフェアなやり方で探すやつもいるぐらいで、一度出てきたのを確認したものの、スゲー値段がつきましたし。
そして、もはや絶望的と諦めかけた新世紀秋口。アルピーヌV6Tさんを通してある方から、このマーキュリーが私の手元に届きました(感謝)。
この4年間は正しく「プ○ジェクトX」でしたな…あのOPテロップ風でいくなら、「鳳天舞の目を止めた一体のフィギュア」→「終わりの見えぬ探索行の開始」→「見つからない水星」→「東西の距離を超えた友情」→「そして届いた逸品」…BGMに「地上の星」を流してゆるりとお楽しみ下さい(笑)。
前置き終わり(笑)、製作レビューに入ります。
パーツ分割は「頭部・胴体部&右腕、右手、左腕、胸リボン、腰リボン、スカート、両脚」の計8パーツ。ここらあたりは一昔前のフィギュアですね…普通なら頭部は髪と顔面部が分かれているし、脚も左右で別々なんですけど、まぁ頑張りましょうか(燃)。
バリやパーティングラインは薄いので処理し易い方でしょう。ただ、両脚のパーツが一体化している事情で、内股部分はペーパーで磨き難いかな。
今回から気泡埋めはアルテコHGを駆使していますが、これが凄い威力。すぐに硬化するし、レジンへの食いつきもいいので溶きパテの乾燥が遅い&食いつきが悪いという欠点を完全にカバーできます。
また、硬化後もペーパーで削りやすい程度の硬度だし、バカみたいに硬くなる通常の瞬着よか事後処理もし易いし、何せいいことずくめでした。
ただ、このキットはパーツの合体時に斜めにパーツを差しこむ場合が多いので芯棒用の穴を合わせるのがタイヘンなの何のって…というか私は胸リボン以外全弾ハズれたけど(汗)。その後何回か穴を別に開けてリトライしても全然ダメ…ま、これに関しては穴を大きくしてとりあえず合わせるようにはしましたが、この時点では「ブカブカ」。
これに関しては接合の中心となる胴体部にそのまま芯棒を差したまま塗装し、芯棒に付着した塗膜で棒を人工的に太くしてしっかり刺せるようにしました。ただ、金属に対してのラッカーの食いつきは「かぶさっている」程度なので、結局は瞬着で固定していますが。
で、塗装(ちなみに下地は今回もグンゼの白サフ)。攻略的に白→肌色→水色→青と吹いていけばいいでしょう。ちなみに白や青はプロテクター部分とそうでない部分はクリアーとフラットベースでツヤを調整すれば吉でしょう。プロテクター部分には「ホワイトパール」を混ぜていますが、元々コレは上に吹くコート用の塗料なのね…ということで、今回は運用を誤ってあまり効果なし、クリアーでツヤを出しています。
で、問題の髪。ナンで頭部を一体化しているかな〜「うさP」の亜美(マーキュリー)みたいに髪は左右分割にしてくれたら助かるのに、といいたいけどグチっても解決にはなりません〜とりあえずは何とかするしかありません。
マスキングテープで肌部分をマスクするのは勿論ですが、何せ曲線的なマスクになるので、テープの加工に特殊な技を用いる必要があったのです。ゾルでマスクするとギザギザになるし、やはりスムーズなマスクは曲線でも何とかテープで行いたいところ。1mmサイズのテープを利用して軌道修正しながら貼っていく方法はダメです、マスクが厚くなり過ぎてエアブラシによる塗装に障害を与える可能性があります。
ここの塗装に関してはこれに先立つWHF神戸で遠征されていた「STick」の三ツ矢さんにアドバイスを頂きました…というかどうすればいいのかいい方法が思いつかなかったので、私からご助言を求めたんですけど(^^;)。教えて頂いた方法なんですが、ネ○アなどのティッシュペーパーの外箱にマスキングテープを貼りつけてそこにアートナイフで切りこみを入れて曲線型に加工するというものです。
このテクニックの凄いところは、まずティッシュの外箱はスベスベしていてテープが食いつかないことを利用していることがまず1つ目。んでテープそのものにハサミで切りこみを入れてもテープがふらふらして思い通りの曲線に加工できないので、ティッシュの外箱に固定してテープを安定させるということが2つ目、んでティッシュの外箱はナイフも通りやすいので刃を痛める恐れも少ないのが3つ目。
これを伝授して頂いた時は私も声を失いましたね…テッシュの外箱の特性を全て計算に入れたこの方法、言われてみれば「なるほど」なんですが、そこらへんにあるもので使えそうなものはどんどん転用する三ツ矢さんのセンスにはいつもながら敬服させられますm(_ _)m
で、試してみるとこの方法は確実性も高いし、他でも十分使えそうです。今後も何かと役に立ちそうなので、ティッシュの空箱は最低一つは常時置いておきましょうか(笑)。
あとは髪を吹いてマスクを剥がして表情でフィニッシュ。「せらむん」キャラの表情は睫毛も多くてとても面倒くさいのですが、今回はウインクしているし、瞳は一回だし楽と思うでしょ?どっこい、逆に閉じている方の右目は睫毛を描く際の角度などの調整がヒジョーに難しいのです(^^;)
しかも瞳はまたしても瞳孔無し(?)のグラデ瞳…まぁ、青系のグラデ瞳は得意分野と化しているので、これは何とかなりましたが。いつものようにスカイブルーとロイヤルブルーで微調整して差別化すればOKす。
で、最後にほっぺの線を入れてフィニッシュ。というか智恵理さんの「せらむん」フィギュアの塗装例ではほっぺの線は入れていないけど、それは智恵理さんの主張です〜ということで、私は自分の解釈で勝手に線を入れました(爆)。首を傾げている事情で左右のバランスが難しいですが、エナメルだし間違えてもやり直しは効くので、思いきってさっさっさっと線を入れましょう。
ということで各部を合体させて完成…こうして今回の「プロジェクトX」は完結しました(笑)
色の配合(特別な注釈の有るものを除き全てグンゼラッカー)
肌色……キャラクターフレッシュ(1)+キャラクターフレッシュ(2)+キャラクターホワイト+少量の蛍光オレンジ+イエローFS13538+少量のフラットベース
肌色(グラデーション)……キャラクターフレッシュ(1)+キャラクターフレッシュ(2)+キャラクターホワイト+少量の蛍光レッド+少量の蛍光オレンジ+イエローFS13538+少量のフラットベース
髪……インディブルー+少量のスカイブルー+微量のパープル+微量の蛍光ピンク+微量のフラットベース
髪(グラデーション)……スカイブルー+少量のデイトナグリーン+微量の蛍光グリーン+微量のフラットベース
コスチューム白部分(襟ライン、腹部)……ホワイト+微量のフラットベース
プロテクター白部分(手、肩、胸)……ホワイト+クリアー
コスチューム青部分(スカート、襟)……スカイブルー+微量のキャラクターホワイト+微量のパープル+微量のフラットベース
プロテクター青部分(ブーツ、肘)……スカイブルー+微量のキャラクターホワイト+微量のパープル+微量のクリアー
リボン……ライトブルー(ブルーインパルスカラーの方)+微量のキャラクターホワイト+微量のパープル+微量のフラットベース
ブーツのライン部……ライトブルー(ブルーインパルスカラーの方)+微量のキャラクターホワイト+微量のパープル+微量のクリアー
ティアラ……ゴールドリーフ(田宮エナメル)
ティアラの宝石(?)部分……ロイヤルブルー+スカイブルー(田宮エナメル)
ピアス……スカイブルー(田宮エナメル)
瞳……スカイブルー+微量のパープル(田宮エナメル)
瞳……ロイヤルブルー+微量のホワイト(田宮エナメル)
難易度……★★★★☆
頭部のマスキング、タイヘンです(^^;)…襟のラインも2本だし、それに何せ青系カラーが多いので、どう差別化してカラーを作り出すかが腕の見せ所かな。
また、両脚が一体化しているのもパーツが安定していいといえば聞こえはいいですが、やはり整形やマスクをする際に内腿部分などがやり難いので、根気が必要です。
パーツの合いや抜きもいいのですが、いざ接合する際はパーツを斜めに差し込む場合が殆どなので芯棒用の穴を合わせるのが難しい…というか、私は全てズレました(ぐぉ)。
私はフィギュアを作り始めたのは97年夏からですが、ちょうどこの頃は市販フィギュアのパーツ接合もまっすぐに差しこむタイプがメインになり、こういった接合が難しいタイプは今回が初めてでした。
何にせよそういったフィギュアに挑む機会が殆ど無かった私としてはいい練習になったと思います。
反省点
やっぱパーツを削り過ぎた個所があるのが唯一かな?このマーキュリーで私が4年で組んだフィギュアは41体め(リペイント含むと42体め)となり、塗装面ではあまり致命的な失敗をしなくなりつつあります(ほぉ…)。
気泡の処理もアルテコHG瞬着でスムーズに解決しているし、あとはパーティングラインの処理をどう綺麗にするかですね。ペーパーで磨いた際、どれだけ慎重にしても一部で角張ってしまうのが一番の悩みなんですが…