バルサを材料にしたフローティングミノーの作り方を、写真と文章で紹介。削り方、塗装の仕方など。ちょっとしたコツや道具の使い方についても。
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 ルアー製作過程
「ハンドメイドルアー作りの参考文献」はこのページの一番下  
■作業行程と解説
バルサのカット
(a)
(1)バルサのカット

5mmのバルサにテンプレートをあてて型を取り、カットする。

カッターの刃をしっかりと立てて垂直に切る。バルサの木目に流されないように注意すること。

ウエイト(ガン玉)を入れる位置にしるしを付けておく(写真の丸印)。

写真aは、「9cmミノー用」にバルサを切り出している様子。バルサは2枚重ねて、左右の型を同時に切り出す。この2枚は、いずれはり合わせることになる。

なお、バルサ材は同じメーカーのものでも、堅さや重さにかなりちがいがある。個人的には、固くて重めのバルサの方が作業がしやすいと思っている。

写真の指のケガは、作業とは無関係。念のため。【h
ワイヤーフレーム作成
(b)
(2)ワイヤーフレーム作成

ボディーの中に通す「ワイヤーフレーム」を作成する(写真b)。

ステンレスの針金(ピアノ線・約0.8mm)を曲げて作る。先の細いラジオペンチを使用すると、作業がしやすい。

切り出したバルサのボディーに針金をあてながら曲げていくと、「寸法が合わない」などの失敗がない。(写真c)

アイ(フックやテグスをつけるところ)の部分が曲げにくいので、精密ドライバーなどに巻き付けるようにして曲げると、上手くできる。

ゆがみやねじれがないように、時々平らな机の上などに置いて確かめると良い。手に持っているときにはまっすぐに見えても、平らな面に置くとゆがんでいることが分かる。

ワイヤーフレームをきれいに成型するコツは、「一発で曲げる」こと。何度もやり直すと、ピアノ線がグニャグニャに波打ってしまう。強度も弱くなるし、アイの部分が不格好になってしまう。

慣れてくると、職人のように手早く「クイックイッ」と作れるようになる。【h
ワイヤーフレームをバルサに接着
(c)
ボディーの整形
(d)
(3)ボディーの成形

バルサから切りだした芯材となるボディを、ナイフで成形する。

2枚のバルサは、ずれないように両面テープで貼り付けて、同時に削る。このときは仮留めなので、ワイヤーフレームははずしておいた方が、作業はしやすい。

左右のバランス見ながら、少しずつ削っていく。断面を「楕円形」にするのがコツ。木目に刃が流されないように、材料の持ち方を工夫しながら削る。(写真d)

この段階では荒削りでよい。気をつけるのは以下の点である。
  • 左右が対称になるように削る。
  • 次の「ヤスリがけ」を考慮して、削りすぎない。 
  • 2枚の継ぎ目をなめらかに削る。
「理想とするルアー」の見本があるなら、そのルアーと見比べながら削るとよい。初心者は、評価の高いルアーの形を真似すると良い。学べる点がたくさんあって、得るものが多い。

写真eは、以前に作ったルアーと荒削りの終わったボディーをならべたところ。

写真fは、ここまでの行程で使用した主な道具達。小さいカンナは、東急ハンズで見つけて購入したもの。道具としては格好良くて気に入っているのだけれど、使い勝手はイマイチ。ナイフの方がずっと便利で使いやすい。

カンナの長所は、「木目に流されて深く削りすぎる」という失敗が少ないことである。短所は、削っている面が見えにくいこと。バランスを見ながら作業する上では、大きなデメリットである。というわけで、便利かな?と思って買ったカンナは、ほとんど使用していない。

ラジオペンチには、先の太さで種類が色々ある。安いもので充分だが、先はなるべく細いものの方が、作業はしやすい。【h


ボディー成形後
(e)
ルアー作りの道具
(f)
紙ヤスリをかける
(g)
(4)紙ヤスリをかける

荒削りが終わったボディーに、紙ヤスリをかける。これもバルサを両面テープで2枚はり合わせたまま、作業を行う。

目の粗い紙ヤスリ(180番程度)をつかい、少しずつ形を整える。左右対称に削り、はり合わせた境目をなめらかにする。手のひらをあてて、あまり力を入れないように心がける。

調子に乗って紙ヤスリをかけていると、バルサはすぐに削れすぎてしまう。「数回削って、形を見て、また削る」というように、慎重に作業しよう。

形を確認するときには、色んな角度から見ること。そして、目だけでなく手触りでも、厚みや左右対称かどうかを点検しよう。【h
ボディーの接着
(h)
(5)ボディーの接着

成形の終わったボディーを、いったん2つにはがす。ボディーにワイヤーフレームとガン玉(鉛玉)をはさみ、速乾性木工ボンドで接着する。

接着する前に、あらかじめ針金とガン玉があたる場所に、ルーターで溝を付けておく必要がある。

ルーターの替わりに彫刻刀を使う人もいるが、バルサは柔らかいので、彫刻刀では思い通りに削れないことがある。逆に、ルーターは削りすぎに注意。

接着剤は「水の侵入を防ぐ」役割もあるので、多めに使うと良い。【h
塗装の前処理
(i)
(6)塗装の前処理

ボディーの接着後、
  1. セルロースセメントにドブづけ(ディッピング)する。
  2. 丸1日、乾燥。(写真i)
  3. 200〜400番くらいのサンドペーパーで表面をなめらかにする。
1〜3を最低10回は繰り返す。表面が、プラスチックのようになめらかでつるつるになってくる。

この作業は、「ボディーの強化」「防水性を高める」「塗装の下地作り」等の意味がある。なおセルロースセメントは、大型釣具店やアウトドアショップ等で手に入る。

ホイルフィニッシュにする場合、この行程の後、ウロコ模様をつけたアルミホイルを、ボディーに接着する。【h
塗装
(j)
(7)塗装

塗装は、最も「技術」と「センス」が要求される行程。

中でも一番やっかいなのが、エアブラシの扱いである。慣れるまでは、なかなか微妙なグラデーションが出せない。紙などに吹き付けて、何度も練習するしかない。別冊アトリエ「エアブラシの技法」(婦人画報社)という本が、大変参考になった。

カラーリングについては、ハンドメイドルアーの本がたくさん出ているので、それを参考にすると良いと思う。

塗料は模型店で売っている「Mr.color(ミスターカラー)」が使いやすい。色の種類が豊富で安価。ホイルフィニッシュで頻繁に使用する「クリア系カラー」が、たくさん揃っている。ルアー作りをする人は、Mr.カラーを愛用している人がとても多い。【h
エアブラシ
(k)
(8)カラーリングのコツ

トリコン製のエアブラシハンドピース。

私は、エアブラシにさわったことがないド素人だった。当初、ハンドピースをカラースプレーのような感覚で扱って、失敗の連続だった。

ルアーに色を付けるときのコツは、一度に濃く色を付けようとしないこと。乾かしながら少しずつ色を付けていく。特に、クリアカラーは見えにくいので、気付いたときには「塗りすぎて塗料がたれていた」ということがある。

塗装に失敗したときには(一瞬泣きたくなるが)、あわてずさわがず、Mr.カラーの薄め液でふき取るときれいになる。下地のセルロースセメントは、簡単にははげ落ちないので、大丈夫。【h 
仕上げ・完成
(l)
(9)乾燥・仕上げ

Mr.カラーで塗装した後、薄めたウレタンフロアーを、エアブラシで吹き付け乾燥。ウレタンフロアーは、大型釣具店やアウトドアショップで手に入る。

この作業は、塗装後のディッピングの際、着色した色が流れるのを防ぐために行う。色流れを防止する「色止め(流れ止め)」と言われる行程である。

色止めを施した後、「ウレタンフロアー原液にドブづけ → 乾燥」を、数回くり返す。ルアーの強度と仕上がりを決定づける、根気のいる行程である。

写真lは、ディッピング後に乾燥している様子。室内(玄関)で乾燥させるため、部屋がシンナー臭くならぬように、ちょっと工夫した。フタができる桐の箱に針金を張り、「乾燥箱」を作った。桐の箱は東急ハンズで購入。それでも、充分な換気は必須。

写真mは乾燥後の写真。ウレタンのドブつけをくり返すと、写真のようにツヤがあるしっかりした皮膜ができる。ツヤにも深みが出て、どんどんルアーらしくなってくる。

なお、針金(ピアノ線)のアイの部分にウレタンがたまって固まるので、時々カッターで削り落とす必要がある。【h
ウレタン塗装後の写真
(m)
ルアーのリップの作成
(n)
(10)リップの作成と接着

写真nはミノーのくちびる部分に付ける「リップ」。ルアーをくねくねと動かしたり、潜行させたりするために必要な部分である。

リップの材料は、2〜3mmのポリカーボネート板を使用する。プラ板はダメ。岩にぶつかったときに、割れてしまう。アクリル板でも良いという話を聞いたことがあるが、私は使ったことがない。

ポリカーボネートからリップ形に切り出すには、安い万能ばさみが便利である。握力はかなり必要だけれど…。形は写真のような台形が一番切り出しやすい。手間はかかるが、舌のように角を丸めても格好いい。仕上げは、目の細かい紙ヤスリで周りを削る。

「リップ成型」の行程で頭を悩ますのは、その形や長さ。そして取り付ける深さと角度。

できあがったルアーが生き生きと泳がず、リップを付けなおした経験が何度もある。こればかりは、実際に泳がせてみないとわからない。私はいつも、試作品にテグスを付け風呂場で試している。(スイムテストについては、次の行程を参照)

リップは、大きくて長めの方がアクション(くねくね泳ぎ)は大きくなるようである。【h
バルサミノーの完成
(o)
(11)完成

完成したルアー達。作業開始からここまで数十日。

完成直前、スプリットリングとフックを取り付けテグスを結び、浴槽で最終チェック(スイムテスト)をする。

テグスを引っ張ったときに、くねくねと泳げばひとまず成功。もし泳がなければ(これはとてもショックなことだが…)、リップの交換が効果的、かつ唯一残された道である。

リップの取り付け角度を変えるだけでも、ルアーの動きが改善されることがある。

リップ交換を念頭に置き、実験前のリップ接着は「仮止め」程度にした方が良い。ただし、ボディー側の防水はしっかりとしておくこと。

スイムテストの際にルアーが重そうに感じたらなら、フックやスプリットリングを、軽めのシングルフックやサイズが小さいものに変えてみよう。

逆に、軽く感じたらフック等を重めのものに交換。「穴を開けオモリを埋め込む」という大手術も、できなくはない。が、今までのコーティングの苦労を思うと、ボディーにメスを入れるのは(私は)できるだけ避けたい。

なお、風呂場ではすばらしい動きをしていたのに、フィールドで使用したら思ったように泳いでくれなかった、ということは良くある。失敗して経験を積むしかないのだろうなぁ。【h
ルアー作りの作業部屋
(p)
(12)作業環境の注意点

写真pは、以前住んでいたアパート。ルアー作りの作業部屋である。

右下の黄色い機械が、エアブラシ用のコンプレッサー。騒音と振動が結構大きいので、下に座布団をあてると良い。

塗装は、必ず換気の良い窓際で行おう。特にエアブラシを使用する際は、短時間の作業でも、窓を開けないとクラッとする。ハケ塗りやどぶづけと比較して、溶剤が気化しやすいのだと思う。小さな子供がいる家庭は、要注意である。寒い冬でも「窓は全開」が鉄則

塗料の保存の仕方と保管場所には、気を付けた方が良い。シンナー等、容器のふたをしめ密閉したつもりでも、少しずつ目減りしている。気化した溶剤が容器外に漏れていることは、疑いがない事実である。長期間使用しないなら、室外で保管すべきだ。

最後に…。実は、娘が産まれる直前に、塗料の類は全て部屋から撤去した。ルアー作りはしばらくお休みである。【h

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■「ハンドメイドルアー製作」の参考文献
              ハンドメイドルアー以外の「アウトドアおすすめの本」については、こちらをクリック。
ハンドメイドルアーの世界−完全解説・ルアーの作り方・エイムック44,竢o版社,ISBN:4870991160

   私が最も頻繁に参考にしている1冊。基本的なルアー作りの手順や、必要な工具が写真で紹介されている。
   その他、トップビルダーの方々の作品紹介がある。様々なルアーのテンプレート(型紙)が7種付いている。
ハンドメイドルアーの世界2・エイムック104,竢o版社,ISBN:4870991950

   「〜の世界」の続編。カラーページが多くなり、エアブラシによるカラーリングなどがさらに詳しく理解できる。
   トップビルダーの皆さんの製作過程が大変参考になる。材料、工具の説明が詳しい。テンプレート3種付き。
トラウトルアーHandmade&Tackle  NorthAngler’sCOLLECTION
                                  North Angler's編集部編,釣り人社,ISBN:978-4864470230

   ミノーはもちろん、クランクベイトやワイヤベイト、スプーン等の作り方が詳細に掲載されている。リペア&
   チューンナップのページもとても興味深い。紹介した中では一番新しい本。2012年出版。 
ザ・オールドタックル・エイムック 65,竢o版社,ISBN:4870991462

   アメリカのバスルアー「ヘドン」の歴史と製品の紹介。ヴィンテージルアーのレプリカ作りが紹介されている。
   ヘドン独特のボディースタイルとカラーリングが、個性的なルアー作りの参考になる。アブ製品の紹介あり。
首藤武蔵のハンドメイドルアー入門・エイムック168,竢o版社,ISBN:4870992639

   有名ビルダー首藤さん監修の入門書。あの均整の取れたボディーと、美しいカラーを生み出す過程は必見。
   ノウハウの一部を知ることができる。カラーページは少ないが、ルアーの種類毎に細かい解説が載っている。
にっぽんのハンドメイドルアー大図鑑・エイムック187,竢o版社,ISBN:4870992841

   日本の代表的なビルダーの作品が紹介されている。製作過程紹介はないが、インタビュー記事が載っている
   すばらしい作品の数々を見ることで作品作りの参考になるし、インスパイアされてアイデアがわいてくる。
ハンドメイドルアー・ワークス − 最高峰のルアークラフト,主婦と生活社,ISBN:4391122715

   10名のトップビルダーによる最高峰の作品群と、その製作工程を紹介。何とオールカラーで掲載されている。
   十人十色の作風が、見ている者を全く飽きさせない。ハードカバーで値段は張るが、価値のある一冊である。
ハンドメイドルアー・ワークス カラーメイキング  ルアーに生命を吹き込む着色法のすべて
                                                 主婦と生活社,ISBN:4391124181

   内容をカラーリングだけにしぼった本。エアブラシの使い方や塗装時のコツが、わかりやすく紹介されている。
   特に私のような初級者には、「塗装のトラブルと対処法」のページが参考になる。豊富なカラーチャート付き。
エアブラシの技法」技法シリーズ別冊アトリエE12,森優 森秀雄,ISBN:4573510125

   美術やイラストレーションにおけるエアブラシの技法を、詳細に解説している。ルアー塗装にはふれていない。
   ブラッシングやマスキングの基本から、ハンドピースの手入れの仕方、質感表現などの高等テクニックまで。
プロが教える手作りルアー入門,流石康一,日貿出版社,ISBN:4817080221

   非金属を材料にしたスプーンの作り方が紹介されているのが、本書の特徴。テンプレート付き(含スプーン)。
ルアー&ロッド手作り入門 − 釣り人の実践クラフト教室・フィッシュングライブラリー
 
                                          高田弘之,廣済堂出版,ISBN:4331400328

   スピナーやジグ等、他ではあまり見られない種類のルアー作りが掲載されている。ロッド作りについても紹介。
びわ仙人の言うとーりルアーを作ろう − めちゃ簡単!釣れる!かわいい!!W.S.F.ビギンブックス (8)
                                            吉岡和仁 松見辰彦,ISBN:4879580341

   マンガで易しく解説した入門書。「気軽にルアー作りを」という人向け。ソフトルアー作りの解説有り。
ラパラ解体新書(バイブル) イーハトーヴ出版の釣り文芸シリーズ
                               楠ノ瀬 直樹福原 毅,イーハトーヴ出版,ISBN:978-4900779327

   新旧ラパラのルーツの紹介や使用解説にとどまらず、自作ルアーの参考になる断面写真等も掲載されている。

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