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    特集1 移動通信は固定通信を超えたか!

                                                第一稿 平成16年5月14日
 携帯電話を始めとして移動通信が急速に発展している。劇的とも言える現状を把握するため、手元にある数字だけを頼りに、検証を行ってみた。視点は、以下の4点である。

 検証1 NTTグループ内での収益状況
 検証2 携帯電話の発展状況
 検証3 移動通信と固定電話の加入数
 検証4 携帯電話の収入構造


 ご覧頂いて、皆様はどのように感じられたか。ご意見をいただければ幸いである。
 皆様からのご意見も参考として、適宜、情報やコメントの修正・追加を行いながら、検討を深めてゆき、いずれ、本特集についての見解をとりまとめてみたいと考えている。

検証1 NTTグループでの収益状況
 
5月14日(金)に、NTTグループの平成15年度決算が公表された。以下は、NTTのサイトから入手した数字。
グラフは、NTTグループのうちインフラ系通信会社の営業収益のみを取り上げている。また、ドコモは9社の連結決算。

  

  感想
   一般にNTTといえば、固定電話のイメージが大変に強いが、営業収益を見る限り、実際は移動通信が地域通信を大きく上回っているのが現状。

  [補足]
 特に、地域通信の営業収益4.43兆円のうち、相互接続料収入が0.44兆円を占めており、音声伝送収入に係る基本料と通話料からの収益は、2.33兆円であることにも注意が必要。

検証2 携帯電話の発展状況

  
以下のグラフは、近年の携帯電話の推移を示したものである。
  


事実1
 
 2004年3月末で、加入数は、約8,150万台となっている。(人口の2/3)


事実2
 インターネット接続可能数は、全体の85%を超えている。

事実3
 カメラ付携帯も、全体の約57%

事実4
 
第三世代も、全体の20%

事実5
 加入数は、7年間で2千万から8千万へ急増
 カメラ付携帯は、ほぼ2年間での伸び
感想
  携帯電話の急増はここ5〜6年の出来事だ。この間、我が国の通信事情は劇的に変化している。また、カメラ付携帯など、音声からメール、そして画像通信へと、通信内容の高度化の流れが急速である。
  
私たちも、固定観念を捨てて、新しい視点で政策を考える必要がありそうだ。


検証3 移動通信と固定電話の加入数
  


 感想

  加入者数で見る限り、平成12年度中に移動通信が固定電話を超えたことがよく分る。この傾向は、今後とも続きそうだ。


検証4 携帯電話の収入構造
 
去る5月7日に公表されたNTTドコモの平成15年度決算資料の中で、ドコモ(PDC+FOMA)の1契約当たりの月間収入(ARPU)が、平成15年度の通期で7,890円であることを見つけた。その内訳は、音声が75%を占めていた。
因みに、KDDIの同期のARPUは7,440円だが、やはり音声が5,800円を占めていた。

補足1
  実は、欧州での携帯電話の利用は、プリペイド方式が主流。欧州の一般的なARPUについての統計値は、3〜4,000円程度とするものから、1,900円程度とするものまで、様々だが、いずれにせよ、我が国のARPUよりかなり低い。
  また、我が国の携帯電話の全収益は、概ね10兆円に上るのに対して、英仏では、2001年では、1兆円台にとどまっている。

補足2
  固定電話にもARPUの概念はあるのだろうか。
  数字が手元に無いので、乱暴ではあるが、さきほどの音声伝送収入の2.33兆円を6,000万加入及び12ヶ月で割ってみると、3,236円という数字となった。携帯電話のARPUの4割強である。


  
  上の表を見てもらいたい。これは、各国の電気通信事業の市場規模に占める移動通信の割合である。
  事実
 欧米では、移動通信の割合は18%〜36%までであるが、我が国は、6割に迫る勢い。
  感想
  日本のARPUが7千円台というのは感覚的に理解できるが、音声収入(基本料を含む)が75%を占めているのは、正直言って意外であった。もう少しデータ料が大きいという印象を持っていた。固定電話のARPUとの正確な比較が必要かも知れない。
  また、日本の携帯電話料金が諸外国より高いというわけではないようだ。正確な数字が手元に無いが、単位時間やパケット当たりの料金はほぼ同等であるが、日本人はとにかく携帯電話が好きでよく使うということが原因と、私は考えている。

  とにかく、日本の移動通信が世界最先端、最強となる環境は十分に整っていると考えられる。
 

 反論1 通信時間では固定通信が圧倒的
  
以下は、平成15年度の情報通信白書から引用したものである。
  

 
 反論2 ブロードバンド通信では固定通信が圧倒的


 以上の検証と反論を踏まえての見解の取りまとめは、今しばらくご猶予願いたい。


      第一稿から1年を経て、ここに私の見解をまとめた。
  
電波開放戦略のための制度改革の青写真を構想していた段階で第一稿を著したが、電波開放戦略のための一連の制度改革の締めくくりとなる電波利用料制度の改革案を取りまとめた今、もう一度、「移動通信と固定通信」のあるべき姿、位置づけについて大きく見直しを行った。



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