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日本列島では北海道にのみ生息するイトウ(サケ科)は、その豊かな自然生態系の象徴的な存在です。ところが最近の研究によれば、道内のイトウ生息地はまさに風前の灯火という状態であることが判明しました。本フォーラムは、そんなイトウを保護していくことの大切さを、研究者や保護グループ、イトウ釣りファン、さらに一般参加者も交えてお互いに情報交換しながら学び合い、地元・尻別川をはじめとする全道のイトウ保護活動を推進することを目的にしています。
イトウが豊かな自然生態系の象徴だというのは、単なる比喩ではありません。成長すれば体長1メートルをゆうに越えるイトウは、生態系を構成する生き物たちがつくる「食う・食われる」のピラミッドの頂点に君臨しており、そんなイトウの存在は、生息地の自然生態系の豊かさの証明にほかなりません。またイトウは、川の源流に近い最上流部で生まれ、徐々に川を下りながら成長を遂げ、ある時期は河口域から海にまで泳ぎだします。ところが繁殖期を迎えるとまた上流を目指し、自分の生まれた最上流部で繁殖します。河川改修工事により川が寸断されれば、イトウはうまく世代交代できません。川の環境破壊が問題視される昨今、イトウの存在は生息河川の健全さをも証明しているのです。イトウ保護活動は、単にイトウという1種の生物を守ることにとどまらず、イトウを含む生物群集を守ること、さらにはその生物群集をはぐくむ自然環境のすべてを守ることと同義なのです。
ところがイトウの生息地は全道でどんどん狭まり、数少なくなった生息河川の中でも、イトウにとって安泰といえる川はほとんどありません。北海道レッドデータブック(2001)は「絶滅危機種」に指定しました。とはいえ、イトウに対する人々の関心は、釣りファンを除けば一般に低く、保護対策はほとんど進んでいないのが実状です。このままではイトウは絶滅を待つばかりといっていいでしょう。
イトウは、地元にとってかけがえない財産であると同時に、北海道民にとって、日本国民にとって、ひいては地球に暮らすすべての人にとって、かけがえのない宝ものです。この宝ものを将来にわたり保護することは、国際的な責務といっていいでしょう。
北海道のイトウ保護に大きな弾みがつくことを願って、本フォーラムを開催します。
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