ゼミの夏合宿で那須岳登山
卒業論文(修士論文)の題目

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 修士論文・卒業論文


修士論文
[2006年度修了]
○李 艶敏:コミュニティビジネス基礎研究:コミュニティビジネス・モデル仮説の検証を中心にして
[2004年度修了]
○胡 之涵:産業変動と社会学的中小企業研究の課題: 戦後日本経済の変動と中小企業をとおして
[2002年度修了]
○江 青茹:マイクロビジネスの成立と存立基盤

卒業論文
[2006年度卒業]
○杉山美乃:LOHAS:消費とライフスタイルにおける社会学的研究
○三浦早苗:地域の雇用創出におけるコミュニティビジネスの役割と意義
[2005年度卒業]

[2004年度卒業]

[2003年度卒業]
○磯 智也:シニアマーケットでのツールとしてのインターネットの可能性を考える
○衛 来:経済改革中の中国消費者と国内企業の成長
[2002年度卒業]
○荒木智巳:情報革命が日本の新聞に与える影響ついて
○川村照枝:伝統芸能と産業
○菊池有里子:現代自営論
○酒井幸義:若年労働とその未来
○俵 嘉彦:現代若年層の労働観について
○松本桃子:SOHOの現状と可能性に関する研究
○山口直也:IT革命に伴う音楽産業の構造変化と経営課題
[2001年度卒業]
○坂口はるみ:日本における企業消費者間電子取引とライフスタイルの変容
○渡部裕美:高齢化とホームセキュリティサービスの拡大
○笹淵 至:物流システムの変化と仕事の変容
○高野航史:原発地域における地域振興の構想と現実
○山路大輔:音楽配信による流通構造の変化と価格への影響
○若林亜希子:SOHOに見るワークスタイルの変化
[2000年度卒業]
○阿部知美:モバイル化によるコミュニケーションの変化と人間関係
○伊藤 梢:情報化社会と広告産業
○上村理恵:情報化とワークスタイルの変化
○鈴木 誠:日本の電子商取引(BtoC)の現状と課題
○水野正啓:起業・就業の多様化とSOHO
○江 青茹:台湾の情報産業の高度化と国際分業の変化



 修士論文2006(要旨)


2006年度修士論文
コミュニティビジネス基礎研究:コミュニティビジネス・モデル仮説の検証を中心にして
茨城大学大学院人文科学研究科
地域政策専攻地域計画論
05LM312S 李 艶敏
指導教官  鎌田彰仁教授

本論は、〈コミュニティビジネス・モデル〉に関する既存の研究成果を通して、コミュニティビジネスと社会起業家についての主要な論者の定義づけを整理した上で、資本主義社会のなかでコミュニティビジネス・モデル(コミュニティビジネス発想と社会起業家によるイノベーション機能)が地域社会の活性化にはたす意義と役割を独自の事例調査などを交えながら分析するとともに、社会サービスの事業化の意義と商品化に向けた経営上の課題(コミュニティビジネスの収益構造・商品化問題など)についてあきらかにしたものである。

まず「1章・コミュニティビジネスの定義と社会起業家」では、NPOとの比較でコミュニティビジネスの定義を整理し(1節)、コミュニティビジネスの具体的事例を通してその分野と役割を分析した上で(2節)、コミュニティビジネスの中核的な担い手である社会起業家の定義と役割が説かれる(3節)。

次いで「2章・地域活性化とコミュニティビジネス・モデル」では、〈コミュニティビジネス・モデル〉とは、後期資本主義国家体制下における自由資本主義(市場至上主義)の諸矛盾を、体制内変革的に解決しようとするものであると位置づけ、従来の公共部門と民間部門に代替する、もしくは両者を補完する新たな社会的経済、すなわちソーシャルエコノミーという視点(EUでは重視されてきている)が説明されるとともに(1節)、コミュニティビジネス・モデル(コミュニティビジネスと地域活性化)はその応用分野でもあることが、日中の事例調査(無償ボランティア→有償ボランティア→コミュニティビジネス→社会的企業)の結果を織り交ぜながら説かれる(2節)。そして、コミュニティビジネス・モデルの場合には、社会起業家(市民起業家)がビジネスモデルの中核に位置づけられており、これによりこれまでの福祉や保健あるいは文化や産業などそれぞれの分野で進められて来た地域づくりに対して、「事業を起こし展開していく」という観点からのビジネスモデルを提示しているという点で、コミュニティビジネス・モデルは新たな地域づくり像を提供する有効なパラダイムになりうると主張される(3節)。

その上で、「3章・コミュニティビジネスの収益構造と商業化問題」においては、コミュニティビジネスの経営と市場規模の現状と問題点が指摘され(1節)、収益事業をとおしてミッション(社会的使命)を遂行しようとするコミュニティビジネスの具体的な事例研究を紹介しながら、コミュニティビジネスによる社会サービスの供給革新とサービスの商品化への背景要因と収益構造の特徴が分析された上で(2節)、社会サービス商業化の意義と課題が整理される。

以上の考察をふまえて、コミュニティビジネス・モデルによる新しい地域再生の試みは、結論としては、(1) 単純な弱者への再配分(福祉国家主義)ではなく、また(その反動として)政治的再配分を否定する新自由主義(市場至上主義)でもない「第三の経済(社会的経済)」を実現するのに有効な視点であり、(2) 利潤動機にもとづく営利組織と公益を重視する公共事業者で構成されていたこれまでの市場に対して、ミッションというサービス・コンセプトをもった新たな組織の市場参入とみなすこともできるものであり、(3) したがって、社会サービスの商品化により収益構造を確立したコミュニティビジネスの成立は、市場におけるサービスの多様性をもたらすとともに、既存の経済社会に変革を促す現象として期待されるものである、とまとめられている。

更に「補論・中国の経済社会変化に伴う社会福祉の現状と課題」においては、中国の改革・開放経済体制化における経済社会変化に伴う社会福祉の現状と課題が紹介されるとともに(補論2)、コミュニティビジネス・モデル仮説の有効性を実証した本論の研究成果が中国の地域社会・地域福祉に対してもつ政策論的な意義が説かれる(補論1)。



 修士論文2004(要旨)


2004年度修士論文
産業変動と社会学的中小企業研究の課題: 戦後日本経済の変動と中小企業をとおして
茨城大学大学院人文科学研究科
地域政策専攻地域計画論
********  胡 之涵
指導教官  鎌田彰仁教授

本稿は、日本経済の成長にともなう産業変動(=産業構造の変化)と中小企業という視点から、産業構造の変化に対する中小企業の適応と変容の歴史的プロセスを整理し、これをふまえて戦後の中小企業研究、特に社会学を中心とする産業・労働研究が中小企業の問題性をどのようにとらえ、いかなる研究成果を残してきたのかを文献資料を中心に整理したものである。すなわち、社会学分野を中心にした中小企業研究に関連する先行研究を時系列的に整理した論文である。

第1章「戦後日本経済の発展と中小企業」では、戦後日本経済の発展プロセスが戦後復興期、高度成長期・構造転換期、産業構造調整期と区分され、中小企業問題の変遷が述べられる。経済復興過程の中小企業については、傾斜生産方式、大企業の生産拡大にともなって強化された「下請け制度」などを中心に、戦後の経済復興と取り残される中小企業の問題が指摘され、所謂「二重構造」の重さが説かれる。

高度経済成長期には、重化学工業化と中小製造業の問題を中心にして、二重構造の解消を目的に中小企業の合理化・近代化政策が推し進められた一方で、「第三の企業群」とも呼ばれる「中堅企業」の登場が指摘される。二度のショックを引き金に、七十年代の構造転換期には、中小企業は合理化・近代化から知識集約化への大幅な転換を迫られることになる。また、中小小売業や地域商店街においては大型店の出店による経営環境の変化が「大型店問題」として浮上してきた。更に、円高経済への移行による構造調整期には、労働集約的な伝統産業・地場産業の衰退が顕著になるとともに、鉄鋼、非鉄金属、造船等の構造不況業種の問題が深刻化し、企業城下町を中心に中小企業対策と地域振興策との一体化が求められてくる。円高が急進展したプラザ合意以降、中小企業問題の焦点は情報化やサービス経済化を背景に、ソフトな経営資源の充実、新分野進出、融合化、創業活動へと変化してきたとされる。

第2章「産業変動と社会学的中小企業研究」では、こうした歴史的経済的な流れに対応して社会学は中小企業の問題にどのようにアプローチしてきたのかが、社会学的中小企業研究の主題を分析するというかたちで展開される。論者によれば、戦後日本の社会学的中小企業研究は、伝統的な職縁社会を「共同生活体」という社会学的視点でとらえ、職縁社会の中核に「親分子分の擬制的血縁関係」を発見した、中小企業における「日本的なるもの」の探究を起点とする。これを起点に、日本的経営の問題を中心に「中小企業の近代化と労務管理の変容」という研究テーマが確立し、高度成長期には成長する中小企業を対象に労務管理と労使関係、中小企業と集団化などの研究が進められ、研究関心も「日本的なるもの」の変容とその方向に向かいはじめたとされる。ここから、中小企業研究は新たに「高度成長による下請分業構造と産地構造の変貌」と括れる主題に関心が集まり、1960年代の技術革新と市場拡大を背景に成長する中堅企業や専門加工型企業(ベンチャー企業)の登場をふまえた研究が展開され、これに伴い日本経済の後進性の象徴とされてきた下請制をめぐる評価も変化してきた。

高度成長期以降の社会学を中心とする中小企業研究の主題については、論者によれば、技術革新(ME化)と労働の変化を中心とする「産業構造の高度化とサービス化・ソフト化」、「情報技術の進展による中小企業の変容」、SOHOやコミュニティビジネスまで含めた「構造調整と中小企業の新展開」として括られ、中小企業の問題に対する研究領域の広がりが指摘される。

第3章では、以上の分析をふまえて、中小企業の労働問題をめぐる実証研究を中心に発展してきた「社会学的中小企業研究の成果と課題」が整理され、それをふまえて「中小企業は激しい環境変化に柔軟に対応できるだけでなく、社会的ニーズに応えるために絶えず進化しつつある」との結論(理論仮説)が述べられ、その仮説が「出身国である台湾や高度経済成長中の中国にどこまで当てはまるのであろうか」とし、中小企業の比較研究の課題が呈示される。



 修士論文2002(要旨)


2002年度修士論文
マイクロビジネスの成立と存立基盤
茨城大学大学院人文科学研究科
地域政策専攻地域計画論
01LM312R  江 青茹
指導教官  鎌田彰仁教授

バブル崩壊を経て、少子高齢化、経済の成熟化、グローバル化を背景に、終身雇用や年功賃金を中心とする雇用慣行が変わりつつあり、これまでの職縁が中心だったつながり意識の多様化が生じている。会社への帰属意識は相対的に弱まり、転職が増え、会社以外に生きがいを求める傾向が強まっている。労働の単位は集団から個人へとシフトし、集団社会からネットワーク社会へと変わると考えられている。このような、謂わば個を束ねるネットワーク社会の下では、ビジネスの基本単位が個人となり、スキルと専門的な知識を持つ個人が主役となる。

特に、サービス業において「小さなビジネスが増加している」ことが注目が集まっている。小さなビジネスとは、法人企業でもスモールの中のスモールである零細企業(その多くが従業者数5 名以下)や法人格を有しない個人業主を意味している。本研究ではこの小さなビジネスを「マイクロビジネス」(micro business)と規定する。マイクロビジネスについて、明確な定義がある訳ではないが、本研究では、事業主体のあり方、すなわち小規模・個人事業者としてビジネスを展開することに着目した幅広い概念であると捉えている。「個業」が主体であり、規模が小さい従業員数名から中小企業基準法の定めた20人までの小規模法人、事業法人格を持たない独立個人業主として捉えている。つまり、マイクロビジネスは事業の規模により規定する。

マクロビジネスにおいて、SOHOビジネスという対事業所向けの専門サービス業や、コミュニティビジネスという地域社会の多様なニーズにきめ細やかに対応する対個人向けの生活関連支援サービス業の数が増加傾向を示している。そこでのマイクロビジネスは、経済的利益の追求のみならず、自己の能力発揮や、自己のライフスタイルの実現、地域社会への参加といった精神的な自己充足・自己実現を追及するための新たな自営業である。

とはいえ、なるほど社会の単位は集団から個人に変わりつつあるものの、そことは直ちに個人主義の対極に位置する集団主義の否定を意味する訳ではない。そもそも「コミュニティの再発見」(R.ニスベット)を学問的主題とする社会学の視点から考えれば、昔から個人はずっと集団という基盤の中に存在している。そして経済社会の変化を社会学の観点から大づかみに分析・整理すると、次のように位置付けられる。発生段階順に分けた社会生活は、家族・親族など血のつながった者が共に生活を営む血縁社会が最初であり、そして、農耕を共にすることによって地縁で結ばれた地縁社会が生まれていった。その後、産業革命を経て家計と経営とが分離されるに伴い、働き手の多くが雇用者として企業に雇われ、職場の縁によって生活のつながりを持つ職縁社会が形成されるようになった。戦後の高度経済成長によって、職縁は一層強まった。そこでは、「会社人間」という言葉に代表されるように職場の拘束が強かった。

しかし、前にも述べたように、会社への帰属意識が弱くなり、職縁社会での人と人とのつながりは薄くなっていた。そこで、職縁社会の次に、新たに強い個人を支える集団的基盤の再構築、つまり21世紀情報社会に対応した新しいコミュニティの形成が可能であると考えられる。

小論では、SOHOスタイルで事業を行う個人もしくは小規模企業を対象に、マイクロビジネス増加の背景と存立基盤、労働世界の特徴、支援組織・機関などが分析され、そこでの分析結果を通して、マイクロビジネス・SOHOを支える集合的な基盤、すなわち「個人が主役のコミュニティ」、もう少し踏み込んで言えば、個人主義(=SOHOスタイル)の延長線上に成立する新たな産業コミュニティのあり方が考察される。



 文書保管庫

 書庫 (Briefcase)
ゼミ関係文書
 旧演習室(活動日誌)
2003年度までの活動を記録


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