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炎症性腸疾患の食事療法の基本

1. 食事中の脂肪量を減らす
 脂肪の摂取量が多いと腸管運動が亢進し、下痢が著明となり腸管安静を保てなくなります。

2. シュウ酸を多く含む食物は避けます
 シュウ酸を多く含む食品例として、ほうれん草、チョコレート、お茶、ピーナッツ、ココアなどがあげられます。
 脂肪の吸収不良に、下痢や発熱に伴う脱水症が合併しますとシュウ酸の血中濃度が高くなり、腎臓をはじめとする尿路系にシュウ酸結石が生じやすくなります。したがって本食品を制限していくことが重要です。

3. 乳糖を含む食品に注意を要します
 潰瘍性大腸炎では乳糖不耐症を合併する頻度が高く、乳糖を多く含む食物を摂取すると下痢を来すことがあり、下記の対策が必要です。

 牛乳はカルシウムやビタミン類が豊富に含まれ、栄養源としての価値が高いので、乳糖不耐症を起こさない、上記の工夫を取り入れながら摂取しなければなりません。

4. 主食
 米飯や粥は柔らかく炊き、麺類も柔らかく煮込み、のどごしで食べずによく噛んで食べるようにします。
 いも類は食物繊維を多く含み発酵しやすいため、一度に食べる量は少量にし、つぶしたり裏ごししたり調理に工夫をします。

5. タンパク質
 肉類は脂肪が少なくて柔らかいものを、魚類はEPAの多い特に背の青い魚が奨められます。この肉類や魚類を調理するときには、脂肪をできるだけ使わないようにします。また植物性のタンパク質としては、豆腐が用いられます。
 タンパク質は食事性抗原となりうるため、クローン病では摂り過ぎないように注意し、体重 kg 当たり 0.8〜1.0g 程度の摂取が望ましい。

6. 低残渣食
 高残渣食は腸管運動を亢進し、腸管安静が保てない危険性があります。しかし、食物繊維の中でも水溶性のもので腸管刺激が少ないペクチンが奨められます。ペクチンを多く含む食品例としてバナナ、リンゴ、白桃などがあります。

7. 嗜好品
 アルコール類、炭酸飲料、カフェインの入った飲みものや香辛料などは腸管を刺激するため控えたほうがよいでしょう。

8. 外食
 各病態に合わせ、基本を守ることが必要です。

以上全文「炎症性腸疾患ケアマニュアル」より転載
高添正和 前川厚子:医学書院 p.151-153,1997

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