BACK NEXT U  P HOME

はじめに
Jacob's ladder(ヤコブの梯子)とは、旧約聖書の創世記28章12節に書いてある 「天国と行き来するはしご」の事です。(^◇^;)
今回の話は

なんかを感じていました。そしたら、Jacob's ladder ATT.という、すごくヒットしそうなネーミングを思いつきました。
私は、インピーダンスとかあんまり気にしないので、実際作るかどうかは非常に怪しいけど、 この衝撃は抑えがたく、取りあえずアイディアだけはまとめてみました。


理論
最近、電子ボリュームかなんかのICの内部回路で見たような覚えがあるのですが、私は、 アイディアをアナログシンセサイザーなんかのCV発生回路まわりで 憶えた気がします。ただラダー回路なのでよく使われている特定分野があるのかも知れません。

jacob's ladder theory web用の回路図を書く環境を忘れてしまったので、見づらい図でご容赦願います。m(__)m


Rc=Ra+Rb//Rc
ここで上記の式が成り立つ条件を式1とし
X=(Rb//Rc)/(Ra+(Rb//Rc))
Xを一段で得られる分圧比として式2と定義して
これらの式を解くと
Ra=(1-X)Rc

Rb=X/(1-X)*Rc
RbとRcの関係が求まります。

諸元例
上記はE系列とか考えずに計算した物なので、これらから得られる諸元の抵抗値が存在するかわかりません。そこでE系列にうまくのるような諸元を求めます。
もしかするとスマートな解法があるのかも知れませんが、表計算ソフト使って適当な数字を入れながらE24系列に載っている物を探すという原始的な方法で見つけたのが下の例です。

XdB表記RaRbRaの例Rbの例Rcの例
0.5-60.510.5(=1//1)11
0.5-60.510.751.51.5
0.5-60.511.12.22.2
0.5-60.511.533
0.7-3.10.32.3333333330.72(=0.36+0.36)5.62.4
0.75-2.50.2530.33.61.2
0.8-1.90.241530075
0.85-1.40.155.6666666671.86812
0.9-0.90.190.3273

実装方法
E系列のあたりがついたので、実装方法について考えます。


特徴
色々な特徴が有ると思うのですが、考えた時点で思いつく特徴としてはT形、π形、橋絡T形等と比較して、

って特徴があると思います。


Jacob10
試しに10段階調節の場合のグラフを書いてみました。例として0.9〜0.7位の等比級数で試してみました。
10 Series

比例定数/段数012345678910
0.91.000.900.810.730.660.590.530.480.430.390.35
0.81.000.800.640.510.410.330.260.210.170.130.11
0.71.000.700.490.340.240.170.120.080.060.040.03

全体で比較すると10段程度では0.70倍位が一番実用になりそうでしょうか?

Jacob20
今度は20段階ではどうなるか計算してみました。
20 Series


比例定数/段数012345678910111213141516171819
0.951.000.950.900.860.810.770.740.700.660.630.600.570.540.510.490.460.440.420.400.38
0.901.000.900.810.730.660.590.530.480.430.390.350.310.280.250.230.210.190.170.150.14
0.851.000.850.720.610.520.440.380.320.270.230.200.170.140.120.100.090.070.060.050.05
0.801.000.800.640.510.410.330.260.210.170.130.110.090.070.050.040.040.030.020.020.01
0.751.000.750.560.420.320.240.180.130.100.080.060.040.030.020.020.010.010.010.010.00
0.701.000.700.490.340.240.170.120.080.060.040.030.020.010.010.010.000.000.000.000.00

20段程度有れば0.8〜0.9位の比例定数でA型テーパとして実用的になりそうです。

Jacob Hybrid
Jacob10、Jacob20のグラフから、比例定数が

って事がわかります。この回路は合成インピーダンスさえ等しければ、異なった比例定数の回路とそのままつながるので、段数の最初は大きめの比例常数(例えば0.9とか)で組んでいて、レベルが小さくなったら(後の段になったら)比例定数を小さく(例えば0.7とか)の様に組み合わせる事も可能です。そうすれば、比較的少ない段数で充分にレベルを落とすことが可能です。

組み合わせの例

比例定数/段数012345678910
0.9:5段->
0.7:5段
1.000.900.810.730.660.590.410.290.200.140.10
0.7:5段->
0.9:5段
1.000.700.490.340.240.170.150.140.120.110.10
0.9、0.7
交互
1.000.900.630.570.400.360.250.230.160.140.10

ステップ間でのレベル差に違和感がなければ交互にするのが、リニアに近い感じが出ます。 比例定数の組み合わせの仕方にノウハウが出そうですね。(^◇^;)

参考
今回のコンテンツは何回か似たような事を書いているので、説明をはしょっている部分があります。 それについては以下のコンテンツを参考にして下さい。

VARIABLE RESISTE TIPS(可変抵抗の使い方)テーパの話とテーパの変更の話
HEAD PHONE ATTENUATER (ヘッドフォン用アッテネータ)Γ形、逆Γ形、T形、π形、それぞれのアッテネータの特徴と組み方
SPEAKER ATTENUATOR(平衡回路の設計の基礎の基礎)アッテネータの非平衡→平衡変換の仕方
Apollo,Orange,Treble,Bass,booster可変抵抗の摺動子を入力にするときと出力するときの違い


おわりに
たぶん、これだけ情報があれば、自分に必要な段数と比例常数、当てはめて自分で設計できる人が多数いると思うので、これ以上は細かく諸元は明示しません。正直言ってキーパーツとなるであろうロータリースイッチを入手してから考えれば良いことなような気がします。


まあ、「部品を通る毎に音の鮮度が落ちる」的な人が見たら、卒倒しそうな回路です。(^◇^;)
今回はインピーダンスが変わらずに、使い勝手の良いマンマシンを少ない接点数で実現することを目指したので、こういう形になりました。しかし、2進数的に割り当てたPADアッテネータと組み合わせたりしたら、かなり実用的なのではないかと思います。まあ、面白い特徴を持った回路なので色々試してみたらどうでしょうか?(^◇^;)

この回路は試験していません。ご利用なさる場合はご注意お願いします。またこの回路をご利用になって、発生したいかなる不利益も私は一切責任を負いませんのでご了承願います。


BACK NEXT U  P HOME


Original '10/10/18