■ダイオードクリッパーの基礎
ディストーションの要の回路、ダイオードクリッパーは電気屋用語で普通リミッターという回路が使用されています。(また無線屋にはしばしばコンプレッサーと、呼ばれマイクの音声出力の電圧を抑圧するときに使用されます。)
楽器用に使用するダイオードクリッパーは主にダイオードの順方向電圧に対する非線形性をそのまま利用しているため、スレッショルド電圧は固定で大抵3V以下に設定されています。(楽器用の音色変換装置としては妥当なところでしょう(^^;;)まずは動作原理から
ダイオードの特性
ダイオードの順方向の特性は左図に示すような特性である一定電圧になるまでは
非常に電流は流れにくく、ある一定電圧以上(一般にスレッショルド電圧と呼ばれます。)になると急に電流が流れる性質があります。
このことを抵抗の面から考えるとR=V/I(オームの法則)よりグラフの傾きの逆数が抵抗になります。
つまり、ダイオードは両端の電圧差が低い場合は非常に高い抵抗値を示し、スレッショルド電圧以上になると急激に抵抗値が低くなります。
この性質を利用して左のような回路を組むと
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RD = (delta V)/(delta I) |
左のような回路に近似できるため
- Vinがスレッショルド電圧以下の場合は
- RDの値はほとんど無限大のために入力電圧とほとんど同じ出力の電圧が出力されます。
- Vinがスレッショルド電圧以上の場合は
- RDの値は比較的小さな値のためRoとRdで分圧された出力が得られます。
A priceple of diode clipper
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if Vd=<Vth Vout=Vin
Vd>Vth Vout= Rd/(Ro+Rd) |
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と言うわけで、この回路にスレッショルド電圧以上の入力を加えると、みなさん御存知(^^;の右図の様な矩形波もどきの波形が得られるわけです。
Variations of Diode
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| Ge | Germanium Diode |
| Si | Silicon Diode |
Schottky | Schottky Diode |
| JFET | JFETのダイオード接続 下図参照 |
| LED(red) | 赤色発光ダイオード |
スレッショルド電圧は、半導体材料接合面のバンドギャップによる違いが現れ大体上の様な違いがあります。(実際はもっと滑らか)
ちょっと説明すると、
schottky(ショットッキーダイオードは)は普通のダイオードが半導体と半導体の接合を利用して製造されているのに対して、金属と半導体の接合を利用して作られているダイオードでTTLのLSシリーズ等で利用され高速性が売りのダイオードです。(回路図上では普通のダイオードと特に区別されていない場合が多いです。)
同様にJFETは2SK30等のJFETをダイオード接続した物(右図参照)で、漏れ電流が非常に少ないダイオードを作れるため、ハイインピーダンス回路の入力保護等に使用される方法です。
LEDは御存知発光ダイオードで半導体の材料を変えることによって赤、緑等の発行色の違いを作っています。また、スレッショルド電圧は半導体の材料の違い(もうちょっと正確に言うとエネルギーギャップの違い)が現れます。
つまり色の違い≒スレッショルドの違いです。
赤色は低めのスレッショルド電圧を持つ物が多い為、ディストーションとして使用するLEDはほとんど赤色です。
ここで知りたいことはディストーションとして使用した場合「音がどう違うか?」というところだと思います、
まず単純に言えることは同ゲインのアンプに接続した場合、
- スレッショルド電圧が低い方が一定値になっている時間が長く
- スレッショルド電圧が高い方がダイナミックレンジが広く取れます。
(今までの説明で理由はいらないですね)
つまり
- 深く歪ませるにはスレッショルド電圧の低いダイオードを使用する。
- 軽いクランチ系の歪みにはスレッショルド電圧の高いダイオードを使用する。
と良いことが判ります。
後は私の経験と噂から
- ゲルマニウム
- なんだか、気合いの入った根性のある音がする。物理的衝撃で壊れやすいと言われている。
- ショットキー
- アメリカのサイトかなんかで試した人がいて「あまり良くなかった」と言っていた気がする。(出所は不明)
- シリコン
- ゲルマニウムと比較するとドライでクールな感じがする。
- JFET
- たぶん試した人はあまりいない未知の領域。(^^;;
- LED(赤)
- 私はリミッターとしてしか使ったことしかないけど、アメリカのコンテンツではクランチ系のディストーションとして大流行
というところでしょうか。