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はじめに

エフェクターも電気回路ですから大概の部品の値(諸元値)にはそれぞれ意味があります。にも関わらず怪しい回路、あやうい諸元値が跋扈しています。(基本的にMXR以降のエフェクターはスペックをキッチリと切って、品質管理に利用していたはずなんですけどね〜〜)
まあ、製作記事でも諸元値の求め方まで書いてある物が少ないので、フォロアが育たないのが原因のひとつだと思いますが…
(つーか、怪しい回路を作る人ほど”音が音で音な”耳で諸元を決めてしまう傾向があるような気がしてるのは私だけでしょうか(^^;))

閑話休題、そこで、それらの諸元値の求め方を説明しようかと思ったのですが、骨董エフェクターの多くは電気回路の教科書の例題その物の物が多数あります。だったらわざわざ無能な私が設計力の無さを露呈する必要もなく、設計者の中でも優秀と思われる方々が書いた教科書に従って設計して見ようとする試みです。

いつもの手抜きのコバンザメ企画と言われてしまえば、そうなんですけど(^^ゞ
ちなみにタイトルのECBは国産トランジスタの足の並びでもありますし、トランジスタ技術誌ではエクボの妖精を召還する秘密の呪文とも言われています。(^^;)

と言う事で今回は基本中の基本”1石バイポーラブースター”を定本 トランジスタ回路の設計を参考に設計してみたいと思います。


スペック決め
まずはブースターの主要スペック”ゲイン”をどれ位にするか考えました。

  1. 80年代にデビューした名PU ディマジオのスーパーディストーションはそれ以前のPAF(TM)タイプのハムバッカーの2倍(体感レベル)
  2. PAF(TM)タイプのハムバッカーPUの出力は一般のシングルコイルPUのだいたい2倍(∴PUのタップ切り替え)
  3. ビザールなギター(テスコの古いのとか)は前述のシングルコイルより小さい物が多い

以上にギターの出力Z(PUのDC抵抗とほぼ同じ≦10kΩ)と本機の入力Zとの分圧ロスを最悪1/2と見込んで16倍とします。
(この手のブースターは基本的に今じゃあビザールで高価だけどチープなギターで普通のギター並の音圧を得る事が目的でしたからこれ位の利得があれば充分ではないかと思います。)
(こんな経緯ですからSeymour DuncanのInvaderとかQuarter Poundの様な見るからに凶悪なのとかアクティブPUはパワー的に大きく、設計に有利な方向と考え特に検討はしていません。) その他のスペックについては成り行きで決めていこうと思います。

伏線
上記の議論と並行して回路をつらつらと考えます。今回はバイポーラトランジスタの1石ブースターですからこんな物でしょう。
ZAK回路図
まずはRvから

次にRc
次に本機の入力Zinを考えます。
次にC2を考えます。
詳細設計する前にこれだけの予想がつきます。

本題
ここからが本題です。定本 トランジスタ回路の設計のP37設計する回路の仕様を決めましょう。


PARTS LIST
以上をまとめると次のようになります。
ZAK PARTS LIST
NumberValueComment
BATT1006P 9V alkaline9Vアルカリ積層乾電池
C10.1μFマイラーコンデンサー
C20.1μFマイラーコンデンサー
C30.1μF積層セラミック
C416V 470μF電解コンデンサー
C5330pF
J1TRS Phone Jackステレオフォンジャック 非絶縁タイプ
J2TS Phone Jackモノラルフォンジャック 絶縁タイプ
R1270kΩ
R233kΩ
R31MΩ金属皮膜
R4Jumper
Rc10kΩ
Re560Ω
Rv100kΩ BLinear Curve
Tr12SC1815-GR
SW1DPDTMIYAMA DS-008
---SNAP BATTERY電池スナップ(英語はいい加減)
CASE-------気に入ったヤツ


デバッグ
まず、お湯を沸かしてゆっくりお茶かコーヒーを飲みます。
集中すると脳がエネルギーを大量に消費するのでケーキ等を用意するともっと良いです。
ゆったりと休んだ後に、基板、配線等を穴があくほど見つめます。ここで誤りを見つけたら修正します。
それでも問題がなかったら本機のRvを絞った状態にして電池を挿入します。
次に入力J1にCD等の長時間音が出る物を接続します。
そしてテスターを使用して直流電圧が上記の設計通り(20%位の誤差はでる可能性があります。)になっているか確認します。
その後、音量を絞った小型アンプ(パソコン用の小さいスピーカ付きアンプが最適)に入力し正常に音が出るかSW、Rv等を調整して動作を確認します。(ヘッドフォンは誤って大音響がでた時、危険なので使用しない方が良いでしょう。)
うまくいったら、通常のギターとアンプを接続して音だしします。

JIG(英語で書くとちょっと格好良い(^^;))回路図
うまくいかなかったら、上図のようなデバッグ用プローブを小型アンプに接続し、信号の通りそうな所を入力から順番に当たっていきどこまで信号が来ているか確認します。
信号が来ていない所があれば、そこを重点的に調べて治します。


チューニング
ガンプラはもとい自作エフェクターはチューニングをしてこそ、本領を発揮します。
この手のエフェクターの個性を作る最大要因はC1、C2なので手始めにC1、C2変更の勘所について説明します。


赤い彗星(THE RED COMET)
chopinと書いてショパンと読みますよね。(たぶんフランス語)だったらcharは何と読むでしょう。

深い詮索はしないで以下のチューニングを試してみて下さい。

ZAK THE RED COMET TUNE PARTS LIST
NumberValueComment
BATT1006P 9V manganeseたぶん9Vマンガン積層乾電池
C10.1μFセラミックコンデンサー(茶色い円板形)
C20.1μFセラミックコンデンサー(茶色い円板形)
C4NOT USE何もつけない
Rv50kΩ BLinear Curve
Tr12SC828Qもしくは2SC828AQ
Tr12SC1815-BL上記が手に入らなかったら


性能は30%程度しか違わないのに「通常より3倍早い!!(゚O゚;」と言わしめるのは操縦者の技量だそうです。(^^;)
機材なんかの細かいことにこだわるより腕を磨く方が先と言うことでしょうか?(^^;)
準備万端整ったところで、
「機材の性能の違いが、戦力の決定的差でないということを教えてやる!」( ̄^ ̄)
と言い放ってギターを弾き始めましょう。(^^;)

もっとも個人的には赤い彗星より白い野生馬(mustang)の方が強そうな気がするんですが(^^;)


最後に
いかにも設計方法っぽい話をしていますが、本当は赤い彗星ってリングネームのパロディーをしたかっただけのような気が…(^^ゞ

TV見てなかったので、チャールズブロンソンの「ウ〜ン、マンダム」ってCMの方が印象に強いです。

あ、ちなみにZAKとはザックワイルドとは全く関係なく、名作?アニメ「ポップチェイサー」(くりいむレモンだけど(^_^;;;))に出てくる悪党の名前です。


この回路は全く試験していません。ご利用なさる場合はご注意お願いします。 またこの回路をご利用になって、発生したいかなる不利益も私は一切責任を負いませんのでご了承願います。


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Last Up Date '05/06/09