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はじめに
今回の話はエレキギターのピックアップ、ボリューム、トーン、様々な寄生容量、アンプの入力抵抗で形成されるLCR二次LPFがベースになっています。まずは、それに注目したコンテンツ、Cable ケーブルで音が変わるか?を一読する事をお勧めします。


スタンダード
多くのギターで実装されているピックアップ、ボリューム、トーンの回路です。
standard フェンダーのストラトキャスター系では
CT0.05μF
RT250kΩ A
RV250kΩ A
ギブソンハムバッカー系では
CT0.02μF
RT500kΩ A
RV500kΩ A
が多いようです。

ギブソンハムバッカー系の方がフェンダーストラト系よりトーン、ボリュームをMaxにした時のQ(Cable ケーブルで音が変わるか?参照)が高くなるようになっています。

リッケンバッカー
リッケンバッカーはボリュームを絞るとピックアップから見たRが小さくなるようになっているため、LCR二次LPFのQについてはさほど重視されていなかった事が伺えます。それよりも、 両ピックアップをブレンドした時に、相手側のピックアップの出力を吸い込む事が問題にされたのだと思います。(リッケンバッカープロジェクト1参照)
年式によっても色々なバリエーションが有るのですが、 Rickenbacker 基本は フロントピックアップ側は
CT0.047μF
RT500kΩ A(10Aテーパ?)
RV100kΩ A(30Aテーパ?)
RM500kΩ A(10Aテーパ?)

で、リアピックアップ側は

となっています。
さらに、最近の回路図を見るとフロント、リア共に
CT0.047μF
RT250kΩ A(30Aテーパ?)
RV250kΩ A(30Aテーパ?)
RM250kΩ A(30Aテーパ?)
となっているようです。

実はちょっとここに謎があって、
私が使っているリッケンバッカーの場合 でも、最新のカタログ、プライスリストを見ていると
ユニバーサルポットと呼ばれる#3279は200kΩの様です。
私のギター、プライスリスト、回路図、どれが正しいんでしょうか(^◇^;)
まあ、リッケンバッカーらしいと言われればそんな感じがしますが(^◇^;)


あと、記事中の10A?、30A?はオーディオ用と言われるA型テーパにもいくつか有って、 つまみの位置が半分で10%の抵抗値になるのが10A、同様に30%になるのが30Aです。 国内でA型と言えば普通は15Aを指すのですが、アメリカでは10Aが多いようで他にも15Aや20Aがあるようです。
実機の可変抵抗の値を観察するとA型でテーパが違うのはわかるのですが、10A、15A、20A、30Aのどれに相当するか良く分かりません。
そういえば、フェンダーのジャズベースもこんな感じにボリュームをMixしていますね。

テレキャスター
テレキャスターには時代によって様々なアッセンブリーが試みられていますが、今回示したのはテレキャスター史上最もトレブルを追求していた時期の70年代位の回路です。
telecaster
CT0.05μF
RT250kΩ A
RV1MΩ A
CH0.001μF

一番の特徴はフェンダーのアンプについてるブライトスイッチに通じるCHがついている所で、全体の音量はボリュームの位置で制限されるのに関わらず、高域はこのコンデンサーを通じて筒抜けになりブライトな音が得られます。これを利用して、擬似的にボトム側を絞った音を作る事も可能です。
またボリュームも諸元値を1MΩと大きくする事により、Qを高くしています。
それだったらトーンも1MΩにすれば良かったのにとも思うのですが、トーンの変化のスムース感を優先したんだと思います。
ちなみに最近のテレキャスターではボリュームの抵抗値もフェンダー標準の250kΩAになっているみたいですね。(流石にやりすぎたと反省したのかな(^^;))

ハイパスコンデンサーの追加は改造が簡単な割に使い勝手が良いので、試してみたらどうでしょうか?

ディマジオスタイル
ピックアップメーカーのディマジオが、ピックアップの推奨回路として普及した回路。
Dimarzio style
CT0.022μF
RT1MΩ A
RV250kΩ A or 500kΩA
CH560pF
RH300kΩ(270kΩ〜330kΩ)

ちなみに最近のノイズレスピックアップを搭載したフェンダーストラトキャスターなんかも
CT0.022μF
RT1MΩ A
RV500kΩA
CH680pF
RH220kΩ
こんな感じになっているようです。

ダイレクト・サーキット(その1)
セミオープンピックアップ搭載時のヤマハSGシリーズで多く使われていたトーン回路です。
No-Load tone
CT0.02μF
RT500kΩ A(特殊)
RV500kΩ A

基本的にはギブソンハムバッカー系を踏襲しています。
ただ、特徴的なのはトーン用の可変抵抗の抵抗体が一部切ってあって、 フルにすると、ローター(摺動子)が抵抗体からはずれてCTの回路が切断されます。
それにより、ピックアップから見たインピーダンスが

これにより、回路のQが上がり、抜けの良いトーンを得る事が出来ます。

最近ではラムトリック・カンパニーでFULL-UP TONEとして500kΩAだけではなく250kΩAの物も有るので利用してみると良いと思います。
またフェンダー系の250kΩAの場合、fender(USA)のNo-Load toneがこの機能を持つ上に、フルにした時クリック感がある様なので試してみると面白いと思います。

ダイレクト・サーキット(その2)
こちらはヤマハのSG-1000で使われていた回路で、トーンはダイレクト・サーキット(その1)と同じで更に徹底していてボリュームにも細工がいれてあります。
direct circuit
CT0.02μF
RT500kΩ A(特殊)
RVA500kΩ A(2連の片側)
RVB500kΩ A(2連の片側 特殊)


RVA、RVBは500kΩAの2連可変抵抗で構成されていて、RVBが最大になるところの抵抗体が切られています。
最大以外の時にはRVA、RVBの組み合わせで通常の500kΩの抵抗と同じ動きをします。
最大の時はRVBが回路から外れ、ボリューム回路が回路から外れます。
これにより、

これにより、Qがぐっと上がりダイレクト・サーキット(その1)より、さらにブライトな音を得る事が出来ます。
理屈から言えば、ボリューム側だけでもQが上がる効果がありますが、やっぱりトーンコントロールと一緒にダイレクトサーキットにしたいです。

こちらもラムトリック・カンパニーでFULL-UP VOLUMEとして扱っているので試してみたら面白いと思います。

TBX(PAT.4545278)(FENDER TM)
フェンダーのエリート系ギターから搭載されて、エリッククラプトンモデルのストラトキャスターで有名な回路です。
TBX
CT0.022μF
RTA1MΩ B(凄く特殊おまけに2連)
RTB250kΩ A(凄く特殊おまけに2連)
RB82kΩ
RV250kΩ AorJ


まずはTBXコントロールに使われている2連可変抵抗が特殊なので、まずその構成から話をしようと思います。
抵抗/つまみの位置0-456-10
RTAほとんど導体ほとんど導体1/2のストロークで1MΩBの動作
RTB1/2のストロークで250kΩAの動作切れているほとんど導体
こんな感じの構成になっています。
これを図のように組んであるため、
つまみの位置0-456-10
RTAショート状態まだ0Ω終端抵抗の可変
RTB普通のトーンコントロールトーンコントロールを遮断抵抗体が切れているので動作に関連せず
動作普通のトーンコントロール(RBが並行についている)ダイレクトサーキット(その1)のフル時と類似の動作(RBが並行についている)回路のインピーダンスがRTBにより変わり、それによりQが上がって高域が増強される(トーンコントロール回路は外れている)
ダイレクトサーキットの場合は、つまみの位置が最大になった時、急に音の抜けが良くなるのですが、TBXはこういう作りになっているので、普通のトーンコントロールの音からQが上昇した音へとシームレスに変化します。

この回路を試すには下手に部品をいじるよりフェンダーの純正品を取り寄せた方が早いと思います。
プリミティブでは有るけれどもエレガントで効果的な発想に、レオ・フェンダーが去った後のフェンダー社にもレオ・フェンダーのセンスが流れていたような感じがしました。


おわりに
私はボリューム、トーンを抜いた音が結構好きなのですが、今回のコンテンツを作っていて
「これってヤマハのSGにすり込みされた結果?」と言う気がしてきました。(^◇^;)


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Last Up Date '06/09/03