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■はじめに
フェンダーがグリースバケットトーン(Grease bucket tone)ってのを出しているのを最近知って、
”フェンダー”の単語をネットで探していたら、G&L時代のFenderの特許が出ていて、ふと思い出したので最近のフェンダー社のトーン回路とG&L時代のレオフェンダーのトーン回路を一緒に並べてみました。
今回の話はCable ケーブルで音が変わるか?、Passive Tone Controlと前回の話が元になっているので、一度読んでみて下さい。m(__)m
■グリースバケットトーン(Grease bucket tone)(Fender TM)
「グリースバケツの音色」、なんだか訳の分からないネーミングですね。なんつーか、やっぱりFATをイメージさせる言葉なんでしょうか?(^◇^;)
最近のフェンダーの比較的高級機種で採用されている回路のようで、このネーミングはフェンダーの商標のようです。
| CT1 | 0.1μF |
| RT1 | 250kΩ A |
| CT2 | 0.02μF |
| RT2 | 4.7kΩ |
| RV | 250kΩ A |
■PTB(Passive Treble Bass)(G&L TM)
Leo Fenderの足跡とトーンまわりの回路を見ているとLeoが当時何を考えていたのかある程度推測が付きます。
Leoはフェンダー退社後、Music Manでギターを作てっいます。この時期はベースはブーストのみでカット方向にする必要はないと思っていたようです。(生涯、セールスよりクリアーでブライトなトーンを追求したLeo Fenderのギターとしては意外な事ですが…)。
Music Manが経営まわりでゴタゴタが起こり、大好きな”開発”を気楽に行えなくなったLeoはさっさとMusic Manを去り、G&Lと言う会社を興し、新たなギターを開発します。(たぶん、ピックアップ、ブリッジとネックの開発が好きだったんじゃないかって気がします。)
で、G&Lの時期にはMusic Manの頃とはうってかわって、カットしかできないベースコントロールを装備します。
回路としては特に珍しくもないトーンコントロールですが、レスポールのレコーディングモデルみたいな特殊なギター以外ではあんまり見ません。
パッシブが前提のギターの場合、出力電圧の大きさが勝負の所もあるので、普通はそれを嫌ってだと思いますが、あんまり有効な使い方が見つかっていないのもその要因だと思います。(個人的にはテレキャスター式のボリュームコントロールでも十分な気もします…)
| CR | 0.001μF |
| CT | 0.022μF |
| RT | 500kΩ A |
| CB | 0.0022μF |
| RB | 1MΩ A |
| RV | 250kΩ |
| CH | 200pF |
■SPLITTER SW(PAT.4319510)
実は、今回のコンテンツで一番紹介したかったのはこの回路です。
| C | 0.1μF |
聴感で決めたと私が思っている理由をちょっと書きます。('10/3/2)
- PUのインダクタンスが3H(シングルにしてはちょっと大きめ)と仮定して、100Hz時のインダクタンスを計算すると
- Zl=2πωL=2*π*100*3≒1.8kΩ
- 実際のG&Lのギターに付いているCはC=0.1μFですから、インダクタンスを求めると
- Zc=1/(2πωC)=1/(2*π*100*0.1*10^(-6))≒16kΩ
- 上の様になるので、ピックアップの代わりにCに電流が流れるようには成りません。
- Leoの言う事が成り立つ為には、少なくともCは100倍のC=10μF位は必要という計算になります。
■おわりに
Leo FenderはMusic Man時代に「BassのCutは不要、Boost方向で充分」と考えているようでした。
しかし、G&L時代に手のひらを返したように、Bass Cutしか出来ないコントロールを採用しています。
なんつーか、Leoにしては、方向性の見えない事をやっているなーと思っていたのですが、SPLITTER SWの回路を見てから、「Bassが欲しい人にはこれで対応していたんだな。」と納得がいきました。
なんつーか、Fender時代の天敵、ハムバッカーをMusic Man時代に採用しつつも、ブライトな音を追求し、G&L時代に再びシングルコイルでブライトな音を好むユーザーをつかみつつ、Jazz系のまろやかな音を好むユーザー層も取り込もうと戦ってきた、職人エンジニアの心意気を見た気がします。
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Last Up Date '10/03/02
Original '10/02/28