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■はじめに
Electronic Projects for Musicians(個人輸入),Electronic Projects for Musicians(日本のamazon経由)
は、エフェクターが自作できる物だという事を世界中に知らしめた名著中の名著です。
私が多大な影響を受けたロッキンfの連載もこの本が元ネタだと言われています。
昔はソノシート付きで販売されていて絶版の状態だったのですが、最近ソノシートからCDに
変わって再販されたようです。
そこで、今回は名著Electronic Projects for Musiciansの内容紹介をしようと思います。
また、今回はhttp://www.amazon.co.jp/での取り扱い価格が Electronic Projects for Musicians
こんな感じにあまりにも高価なのでhttp://www.amazon.com/
米国に直接アクセスする頻度が増えたら日本のアマゾンでも取り扱ってもう少し手頃な価格で入手できるようになるかも知れないと思い、米国と国内のアマゾン両方にリンクしています。
2008/8月現在、輸送費入れても米国から取り寄せた方が安そうです。
■Electronic Projects for Musicians.
NAME:Electronic Projects for Musicians(個人輸入)
Electronic Projects for Musicians(日本のamazon経由)
AUTHOR:Craig Anderton
COMMENT:特徴としては回路図、基板パターン、部品レイアウト、パーツリスト、回路の解説と
電気系のホビー誌の伝統的なスタイルで書かれています。
時代背景的な事もあるのですがギター専用に設計されているわけではなく、ギター、ベース、キーボード、シンセサイザー等で様々な楽器で使えるように考えられた、正負両電源を使用したモジュールシステム的なエフェクターの製作が中心になっています。(こういう面ではシンセサイザーの製作者にも参考になるかも知れません。)
その為、作れば片電源9Vで動く事を期待している自作初心者にはちょっと敷居が高いと感じるかも知れません。
が、両電源を片電源9Vで動かすアイディアは載っているのでそこまで読みこなせる人だったら
問題は無いと思います。
システム拡張の仕方も載っているので世界で唯一の物を作るためのアイディアになるかも知れません。また、サンプル音が入ったCDが付属しているのでアプローチとしては最近のネットでのアプローチに近い物を感じます。
以下に内容を紹介します。
■Chapter One
電気部品の形、動作についての説明。入出力ジャックについてはかなり詳しく書いてある。
回路図の記号の読み方。
■Chapter Two
部品の買い方。米国の話なのであんまり参考にならないかも知れない。
■Chapter Three
工具の名前。
■Chapter Four
ハンダ付けの仕方、板金工作の仕方、ネジの止め方、シールド線加工の仕方、ラベルの張り方。
■Chapter Five
この本の一番重点を置いた27個のProjectの解説。最初にバッテリーで動作させる場合の配線と
フォトカップラー、ジャンパー線、トランジスタについての注意が乗っている。
以下各Projectにコメントを入れてきます。
特に指定がない場合は正負両電源が必要。
| Project | Title | サンプル音源有無 |
| コメント等 | ||
| Project 1 | PREAMP | 有 |
| LEDをクリッパーに使った帰還型オーバードライブを内蔵した、可変ゲインプリアンプ、DI機能付。 | ||
| Project 2 | METRONOME | 無 |
| NE555を使用したメトロノーム、9V単一電源仕様。 | ||
| Project 3 | PASSIVE TONE CONTROL | 有 |
| モイザーのトランスを使ったバリトーンBOX、アイディアはB.C.RICK(ECB Project 4)と同じ。無電源。 | ||
| Project 4 | HEADPHONE AMP | 無 |
| LM380を使ったモノラルヘッドフォンアンプ、18V単電源(9V電池直列)。 | ||
| Project 5 | MINIAMP | 無 |
| uA706か、その互換品を使ったミニアンプ、ヘッドホン出力付き、12V単電源。 | ||
| Project 6 | ULTRA-FUZZ | 有 |
| コンパレータを使ったファズ。 | ||
| Project 7 | BASS FUZZ | 有 |
| LEDをクリッパーに使った帰還型オーバードライブを使ったベース用ファズ、トーンコントロール付き。 | ||
| Project 8 | COMPRESSOR/LIMITER | 有 |
| フォトカップラーを使ったコンプレッサー。 | ||
| Project 9 | RING MODULATOR | 有 |
| NE565を使ったリングモジュレーター、トーンスイッチとSEND/RETURN信号をブレンドする機能付き。 | ||
| Project 10 | DUAL FILTER VOICING UNIT | 有 |
| 2つの可変周波数BAND PASS FILTERの出力と原音をブレンドする機能がついたフィルターバンク、オーバードライブ可能な可変ゲイン入力付き。 | ||
| Project 11 | ADDING BYPASS SWITCHES TO EFFECT | 無 |
| バイパス音を通す方法、最近流行の入力をGNDに落とす方法は載っていない。 | ||
| Project12 | GUITAR REWIRING | 有 |
| テレキャスターにフェイズアウト、シリーズ接続、ブロードキャスターのベースピックアップ音を5WAYセレクターで切り替える方法。 | ||
| Project13 | BIPOLAR AC ADAPTER | 無 |
| この本で多数使われている正負9Vを発生する電源、電源入出力にステレオフォンジャックを使う方法も書かれているけど、フールプルーフな面から私としては勧められない。 | ||
| Project14 | TRBLE BOOSTER | 有 |
| f0が1kHz位のゲインコントロール付きトレブルブースター。 | ||
| Project15 | ELECTRONIC FOOTSWITCH | 無 |
| C-MOS4016をアナログスイッチに使ってクリックノイズレスにエフェクターを切り替える装置、DPDTのフットスイッチの代わりにSPSTのフットスイッチが使える。モーメンタリーのスイッチをラッチする機能はない。(オルタネートのSPST用。) | ||
| Project16 | TUNING STANDARD | 無 |
| オルガン用トップオクターブジェネレータMK50240を使用した標準音階発生装置。(たぶんトップオクターブジェネレータの入手に問題がありそうな気がする。) | ||
| Project17 | SUPER TONE CONTROL | 有 |
| 状態変数(ステートバリアブル)フィルターを使用して、HP、BP、LP同時出力可能にしたパラメトリックイコライザー。fとQを可変する機能付き。 | ||
| Project18 | EIGHT IN,ONE OUT MIXER | 無 |
| 8ch、Mono出力(差動出力も可能)なミキサー。 | ||
| Project19 | USING A VOLT OHM-MILLIAMMETER | 無 |
| テスターの使い方。 | ||
| Project20 | PRACTICE PLAY ALONG | 無 |
| ステレオライン入力にインスツルメンタル入力がMIX出来るミキサー。 | ||
| Project21 | PHASE SHIFTER | 有 |
| フォトカップラーを可変抵抗に使用した4段フェイザー、原音との加算以外に減算やビブラート出力のみも出来るのが特徴。 | ||
| Project22 | MAKING PATCH CORD | 無 |
| 同軸のパッチコードの作り方が写真入りで解説されている。 | ||
| Project23 | TALK BOX | 有 |
| トランペットスピーカーを使用したトーキングモジュレーターの作り方。 | ||
| Project24 | TUBE SOUND FUZZ | 有 |
| C-MOSインバーター4049を使用したディストーション。当時エレハモのTUBE DISTORTION等で使われ、ちょっとしたブームになった。 | ||
| Project25 | ENVELOPE FOLLOWER | 有 |
| フォトカップラーを可変抵抗として使用したエンベロープフォロア。エンベロープフォロアと言っても包絡線出力装置だけなので、ミュートロンみたいなオートワウに使用するには別途フィルターを組む必要がある。(パッチシンセや昔のギターシンセのエンベロープフォロアと同義。) | ||
| Project26 | SPLUFFER | 有 |
| アクティブスプリッター(アクティブのYコード) | ||
| Project27 | NOISE GATE | 有 |
| フォトカップラーを使用したノイズゲート。サンプルCDを聴くとリリースの感じがトレモロがかかったようなちょっと息苦しい感じがする。 | ||
■Chapter Six
CHAPTER Fiveの各Projrctをどうまとめるか。Mixerを使った音作りも例示されているので直列一本槍のギタリストには新鮮な物があるかも知れない。
■Chapter Seven
デバッグ、部品故障の見つけ方。
■Chapter Eight
電気、電子楽器等の電気を使った楽器、エフェクター等を学ぶための雑誌、参考図書等。今じゃあ入手困難な物もありそうです。
■Chapter Nine
Q&A。単電源9Vで各Projectを動作させるアイディア。(私はDCアダプターをつなげようとして失敗する人が続出しそうなんで勧めません。)
「友達に作って売りたいんだけど?」なんて質問もある。(^^;)
各Projectがである理由も書いてある。
- ラインレベル
- MIX時に問題が起きないように正転出力
- 入力インピーダンスは100kΩ程度
- 出力インピーダンスは10kΩ以下
■Appendixes
付録CDのサンプル音源の説明。
■Glossary of Terms
技術用語の説明。
■読後の感想
たぶん回路図には誤りが残っている感じがする。(基板パターンの方はOK)
これだけ、ロングランに売れているんだったらソノシート版からCD版にした時に
修正すれば良いと思うのだけど、こういう本を訂正するのって難しいのかな?
まあ、何でも自作しちゃうアメリカのDIYヤーだったらあんまり気にしないような気もする。
この本が発行された当時と時代背景も変わって自作の方が安く上がるって事は言えなくなった昨今ですが、本と同じ部品の入手性も困難になっていると思います。
でも、そんな障壁をぶっ飛ばしてしまうほど自作から得られる物は大きいと思います。
買った物をうまく使うアイディアと言うのは重要だけれども、それを1から組み立てられる
アイディアを持った人がうまく使うアイディアの方がはるかに優れていると思います。
最近はR.G.Keenさんやanalogguruさんのようなエフェクター研究家が解析した成果を、
Fulltone、Landgraff、BSMの様なガレージメーカーと言うには売れすぎてるメーカーがネットで拾ってきてマスプロダクトにのせるというDIYヤーからみたら、まことに情けない時代です。
(Z.VEXとかは60年代のエフェクターのSpirit雰囲気あるし、エレハモは今でも変なの作っているんで捨てたもんじゃあないですけどね。)
この本からあふれ出るCraig AndertonのDIY Spiritを是非とも学んで欲しいです。
日本初のムーブメントって出来ませんかね。
■The Stompbox
日本のアマゾンでこちらの本も取り扱って欲しいので参考までにリンクしておきます。
The Stompbox(Amazon.co.jpだったら)
The Stompbox(Amazon.comから輸入するんだったら)
時間があったら別のコンテンツにするかも知れませんが、90年代位までの各メーカーのエフェクターの歴史を扱っています。
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Last Up Date '08/08/26