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はじめに
今ではJIM DUNLOPが商標を買い取り色々とコピー商品もたくさんあるユニバイブですが、 エフェクター史上これほど謎とされてきたエフェクターは他には無いのじゃあないかと 思います。
ジミーヘンドリックスが使い、圧倒的な需要があると思われるにもかかわらず、どこのメーカーも 類似の商品を作らず、個体数も少ないため質屋、楽器屋にも出回らず、おかげで色々な噂が飛び交い、それでもユニバイブはいくつかの謎のベールに覆い隠されていました。


結局、UNI-VIBEはKORGの取締役もされている”三枝文夫”(SaegusaではなくMieda Fumioと読むようです。)さんが設計されたようですが、ライセンスとかを気にして作らなかったのでしょうか?
トラベラーとかMr.Multiなんかを作っていた当時のKORGのセンスに合うと思うんだけどな〜〜

ユニバイブ(UNI-VIBE)
この時代の揺れ物は主に電気オルガンのために開発され発達していました。
理由としては以下が上げられると思います。

そんなわけで、音だけは最高のビッグブラザーレスリースピーカーに対抗すべく色々な試みが行われていました。
そんな中で開発されたのがユニバイブです。

基本的にはフォトカップラーを使った4段フェイザーなのですが、普通とちょっと違います。 それは移相器の時定数が各段数で違っているのです。

ユニバイブの秘密
注意:本章の内容は私の妄想100%で構成されてます。
過去の設計者の証言とか設計資料を全く知らずに、私の憶測だけで書いています。

あくまでも私の予想なのですが、開発者達は次のような事を考えたのでは無いかと想像します。
ヒントはphaser、フェイザーで示した、左の図です。
この場合、移相器の時定数が10倍変化したとして一定の深さのビブラートがかかるのはωから10ωの間の帯域です。
それ以上でも、それ以下の周波数でもビブラートの掛かりが薄くなってしまいます。

ここで、オルガンの扱う帯域についてちょっと概算してみましょう。

キーの折り返し等が無かったとすると、最低音の16'の音と最高音の1'の音では10オクターブも幅があります。(2^5*2^5=2^10だから)

この間で一定のビブラートをかけるには時定数が2^10=1024倍も変化する必要があります。
その状況で一定以上のビブラートをかけるには10倍程度変化する必要があるでしょうから、 約10000倍も時定数が変わる素子が必要です。しかし、そんなものは現在でも無いと思います。

そこで、各移相器の時定数を 例えば
φ→ω
φ'→ω'=√10ω
φ''→ω''=10ω
φ'''→ω'''=10√10ω
の様にずらして設計しすると、
この回路の時定数ωを制御電圧でふって、各ωが10ωまで変化すると仮定すると、 左のような位相差を得る事が出来ます。
(ωの時:黒線、10ωの時:赤線)

同じ時定数で組んだ普通のフェイザー(黒線)の場合と比べると時定数をずらして設計した場合(赤線)のようにずっと広い帯域でビブラートを得る事が出来るのが分かると思います。
しかし、反面ビブラートの深さ(ωの時と10ωの時の高さの差)は少なくなっているのも分かります。


で、結局の所は時定数を変更する為の可変抵抗に使っているフォトカップラーの変化可能な領域と、 ビブラートが欲しい帯域の広さとビブラートの深さでトレードオフして聴感で決めて、

ビブラートマシンが出来上がったら、左の図のようにハモンドのスキャナーと同じように原音を加える事によりコーラス効果を得るようになったのではないかと思います。

結局、オルガンで使えるように設計したために、低い周波数までビブラートがかけられるようになった結果、普通のフェイザーと比べると低音が”うぉんうぉん”する感じが強まったのだと思います。

サイケデリックマシン(PSYCHEDELIC MACHINE)
UNIBOXのUNI-VIBEとほぼ同型のマシンにハニーのVibra Chorusがあります。
どちらが先かは知りませんが、それと同時期にサイケデリックマシン(PSYCHEDELIC MACHINE)というのがラインナップされていました。
UNI-VIBEがRATEをフットコントロールで変化できるようにしするなどオルガンを意識した作りになっていますが、こちらはFUZZ+揺れ物とギターを意識した作りになっています。(今を先取りしたマルチですね。)

たしか、どこかで三枝さんが、「UNI-VIBEはオルガン専用に作ったわけではない、キーボード以外でも使えるように考えた」って話があったと思いましたが、その発言を裏打ちする形となっています。

この揺れ物の系の機能の総称がMOODでTREMOLO、VIBRATO、DUET(たぶんコーラスの事)の選択が出来ます。今で言うLFOのRATEコントロールはREPEAT TIMEです。(REPEAT TIMEは普通のECHOなんかで使う言葉ですけどね(^^;)。)

不思議な事に時期的には新映より先に会社?ブランド?がなくなったハニーですが、サイケデリックマシン(PSYCHEDELIC MACHINE)の揺れ物(MOOD)にはUNI-VIBEになかったTREMOLOの機能を搭載していて、たぶん後に発売されたと思われる新映のレスリートーンRT-18で実装される機能を先に実現しています。

レスリートーン(LESLIE TONE)
新映のRT-18は感じとしてはUNI-VIBEに一番近い雰囲気を持ったマシンですが、こちらはハニーでは無く、新映から発売されています。

もしかするとサイケデリックマシン(PSYCHEDELIC MACHINE)の揺れ物機能だけを切り出してきたのかも知れません。
こちらはLFOのRATEコントロールがREPEATになっています。揺れ物の機能の名前はVARIATIONでVARIATIONのつまみでTREMOLO、VIBRATO、PHASEの選択が出来ます。

移相器の1段目に使っているフォトカップラーの所を細工して、かつそこから信号を直接引き出して トレモロを得られるようにしています。

レスリーに似せるんだったらビブラートとトレモロが同時に得られるような機能を付加してやっても良かったんじゃないかという気もしますが、残念ながらやっていません。

参考音源
私的には、ちょっと聞いた感じ淡いフェイザーのような感じなのですが、低音がもっと”うゎんうゎん”した感じがユニバイブの特徴だと思っているのですが、たぶん聞き間違えは無いと思いますが、 聞いた感じUNI-VIBEと思われる有名な音源をいくつか。
ウッドストック~愛と平和と音楽の3日間~ たぶん、UNI-VIBEが格好いいと世界中にアピールしたのがこのDVDでJIMI HENDRIXの"星条旗よ永遠なれ"で”ごいんごいんうゎんうゎんじょわんじょわん”の所じゃないかと思います。(^◇^;)
”紫のかすみ”でも最初かけっぱなしでフェイザーのような音を出しています。
その後の"ヴィラノヴァジャンクション"のコーラスっぽい音もメローなUNI-VIBEの典型的な使い方だと思います。
Bridge of Sighs Robin Trowerはあまり聞かないので詳しくないのですが、聴いた曲ではUNI-VIBEを結構使っています。このアルバムはたまたまAmazonで引っかかったアルバムですが、"Bridge of Sighs"の低音が”ごいんごいん”いってる所なんか結構ユニバイブの例として良いんじゃないでしょうか?
たしか私の大好きなフランク・マリノ先生もFrank Marino & Mahogany Rush Liveの頃、UNI-VIBEを持ってツアーしていたはずですが、Flangerの音がきつくって何がなんだかサッパリ分かりません。(^^;)


参考コンテンツ
今回話題にしたUNI-VIBEをはじめサイケデリックマシン(PSYCHEDELIC MACHINE)やRT-18など 文化遺産級のエフェクターの写真や音を Japanese Vintage BIZARRE Effect SiteTIXさんは惜しげもなく公開されています。
今回、私もこのコンテンツを作成するに当たってずいぶんと参考にさせて頂きました。

最後に
揺れ物の話はまだ続きます。
次はちょっと変わった揺れ物の話でもしてみたいと思います。


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'08/06/30