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Vol.20●日本伝統文化の崩壊

帰りに電車に乗るとみんな携帯を持っている。高校生もOL風の女性も、中年のオッサンまでがみんな携帯とにらめっこをしているの図が、最近では当たり前になっている。携帯はマナーモードに切り替えて下さいという車両アナウンスもなんのその、携帯は電車が走っている間でも、どこかで鳴り続け、しかも悪びれた様子もなく、ああ、今電車の中だ等と平気でぬかす輩が増えてきたのは一体どうした事だ〜〜!。もっと周囲に気を配れ!和を以て貴しと成すはどこへ行ったのだ!

少なくとも中年のオヤジ位は電車の中は夕刊紙を肩身が狭そうに広げつつ、エロページを見たり、エロページを眺めたり、エロページを読むのが当たり前じゃないのか!(エロページばっかりや)そのエロページに掲載された卑猥な写真が電車の窓に映ってエロオヤジと思われるのを極度に畏れて、新聞の開く角度を狭くしながらひとときの妄想にふけるのは、世界に誇るべき偉大なる日本の文化じゃなかったのか!(え…ち、違うの?)

インターネットや携帯がどんどん勢いを増すごとに、古きよき伝統や、生活スタイルが破壊されていく。それは時代の流れだとひとことで片づけるのは簡単な事なのだが、一抹の寂しさを感じてしまうのだ。電話が掛かってくるかもしれない…と、どこにも行けなくてひたすら電話を待つ心の葛藤なんて、遠い昔に消え失せた。人と人との待ち合わせのスタイルも変化していく。場所を決めないのである。明日7時に梅田で…なんていい加減な約束が普通になる。遅れようが何しようが、携帯で連絡がつくからだ。かくして、待ち合わせの約束はひどく安っぽく軽いものになっていく。

しかも携帯は人の出逢いすらも軽くして、次から次へと不倫伝説を作っていくのだ。今時の奥さんのお尻すら軽くしているといえる。日本が誇る大和撫子の伝統は一体どこへ行ってしまったというのだろうか。

携帯電話は確かに便利だ。だが次から次へと新しい機種が出て、たいして費用も掛からず買い換えが出来る。まだ使えるのに、新しい機能が昨日になって、古くなって捨て去られて行く。百貨店の包装紙すら後生大事に折りたたんでしまっておいたような節約の文化が破壊されていくのだ。一体これはどうなっているのだ。使えるものは使え〜〜〜!単なる損得勘定じゃないやろ!古きものを尊び、古きものを大切にするという日本の伝統的文化が破壊されているのだ!これは一体どうなっているのだ。

1〜2ヶ月前に携帯を故あって新しい機能のものに買い替えた。何しろタダである。むっちゃお得だ。新しい機能を使えるというのはライフスタイルの変化だ。その新しいライフスタイルを先取り出来るのだ。買い替えない手はない。古いスタイルに拘らなければならない理由はどこにもない。なに?さっきと言ってる事が違う?人間はその時々で真実で生きている。さっき言ったのも真実ならば、言う事が変わった今も真実なのだ。決して変節だとか嘘だとか言ってはならないのである。はっきり言って、こういう頭の柔軟な所が私の良い点だ。

この携帯電話は今までと大きな違いがひとつある。それはテレビが映る事である。深夜電車を待つのは辛い。10時を廻ってから駅に着いたりすると、新聞も売ってなかったりする。退屈この上ない。そんな時にこのテレビは活躍するのだ。ニュースを見ることが出来る。しかも電車に乗っていても映る。メール見ている奴は居てもテレビを見ている奴はいない。ひとときの優越感に浸れるのだ。朝なんてワイドショーみながら電車に乗れるのだ。すっかりはまった。

こうして、偉大なる日本の文化、夕刊紙を眺める文化がまたひとつ、大阪は堺の電車の中でひっそりと散っていったのだった。

ああ…日本文化はこれから一体どうなってしまうのだろう。

2004.8.20(ふゆき)

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