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大多数の前には、少数派の運命は常に過酷だ。大多数の利益という言葉の前には抗する事ができないのだろう。日本では先住民族であるアイヌが過酷な運命を辿り、近鉄ファンとオリックスファンも同じ運命を辿ろうとしている。(飛躍しすぎや)アメリカにおいてもインディアンも同じ運命を辿っている。それは絶対数が少ない事が如何に不利益を被るかの証明でもある。
私はタバコの愛好者である。15〜6才から吸い始めている。銘柄をキャビンに変えたのは21才の頃だったろうか。今でもよく覚えているが、当時会社員だった私は会社の入社式の3月11日に、大阪は本町で後輩にタバコを買いに行かせたら、キャビンロングを買ってきたのが、そのきっかけだった。以来ずっとキャビンロング一筋できた。だが、キャビンロングは販売機にあまりなくて、しかも当時幅を利かせてきたマイルド系に押され、販売機から駆逐され、泣く泣く、キャビンマイルドのロングサイズに変えたのは、それから10年後の事だった。
頼りないと思っていたマイルドだが、慣れてしまうと次第にどーでもよくなった。大事なのはロングサイズであるという事だったのだ。このロングサイズを愛好すると、もうショートサイズが吸えない。燃えカスを吸っているような気分になった。以来、十数年に亘ってキャビンマイルドロングサイズは私になくてはならないものになっていった。
だが、そのマイルドロングサイズが、最近販売機から駆逐されだした。時代は確かに変化している。新しいデザインに変わりますと次から次へと表示され、タバコ屋に行くと在庫限りである事を告げられる。いつも買うところは決まっている。販売機で買った途端売り切れになって、シールが貼ってあるタバコを手にした。ご愛用ありがとうございました。これを以て販売を終了させて頂きますとあった。タバコ屋から一度も口を利いた事もないおばちゃんが出てきて、いつもキャビン買ってくれる人やね。ごめんな、もう販売が終了するねん…と二箇所で言われた。何でやねん、キャビンって俺しか買ってなかったのか?
マイノリティの悲哀を思う存分味わう事となった。
そして、実に品のない新しいパッケージのキャビンにとって変わられた。まるでコンピュータでデザインしました…とでも言いたいようなダサイデザインだ。嫌いだ、何だこれは、こんなのキャビンじゃない!そう叫んでいた。マイルドセブンや、他の銘柄も軒並み品のないものに変化している。一斉に変わっているらしい。パッケージが気に入らないのはまだ許せる。だが、ロングサイズはこの世から消えてなくなっていた。まるで合併してなくなる近鉄ファンのような気持になった。以前にもキリンのジャイブが無くなったときに同じ気持ちになったものだ。(張込み参照)
キャビンはその誕生の時から悲運を背負っていた。洋モクが自由化で解禁になると同時に、危機を感じた日本たばこ産業がLARKの対抗馬としてこの世に誕生させたのがキャビンだ。だから色といい、デザインといい、何だかまるでLARKのパクリと言っても良かった。LARKのデザインがチェンジになると同時にキャビンも後を追うように変化した。それでも何だか気に入っていたのだ。
買い占めておけば良かったかなあ。キャビンマイルドロングサイズ。君の事は決して忘れないよ。
嗚呼…悲しき哉。
合掌…。

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