TOPページ

似顔絵イラスト
1999
上原浩二
麻丘めぐみ
林真須美
横山ノック
2000
ミルマスカラス
三木のり平
稲森和夫
小渕恵三
エルトンジョン
橋本左内
武田鉄矢
加藤武士
2001
坂本九
小泉純一郎
2002
和田勉
手塚治虫
デビッドベッカム
松田優作
江利チエミ
2003
カレンカーペンター
チャールズブロンソン

File-282
北の国から(upload.2000.10.20)

昨年の10月21日に始めたこのコーナー。明日で丸1年となる。よく続けられたな〜という気持ちでいっぱいである。…という事は今日は1年の最後の締めくくりである。締めくくりはきちんとしなければならない。実に几帳面な私である。

締めくくりと言えばドラマで言う所の最終回。はじまりは初回であるが、どういう訳かこのはじまりと終わりをいつも見逃してしまう。私の持って生まれた運命のようなものかもしれない。今でも忘れられない、20年ほど前、北海道は富良野を舞台にした北の国からというドラマがあり、結構好きだったのだが、テレビ放映された当時この初回と最終回を見逃した。これが悔しくて悔しくてたまらない。
今でも時折その後の特集をやっているが、あれは見てもさほど面白いとは思えない。倉本聡のみえみえの演出が目について駄目なのだ。だけど、連続ドラマで見た時は結構衝撃的で、実に人間の心理をついた良いドラマだと感じたのである。いや、自分自身が雪国の生まれで、場所は北海道であっても実体験と妙に符号するところがあって、単なるテレビドラマとは違う思い入れみたいなものがあったのだ。そして、それは今も変わらない。

その北の国からの再放送が夕方4時からあると新聞で知ったのは偶然の事だった。昭和57〜8年の事である。だが、会社勤めだったので4時に見ることはできない。当時ビデオは持ってなかったのである。すぐさまビデオを買いに走った。当時の価格で十数万したが、迷うことなく買った。その日の初回はやっぱり見ることができなかったが、これからは見逃すまいとマニュアルを読み倒して予約録画の設定をした。ウラ録画なんてもんは存在しない時代であるから、設定は至って簡単だった。

当時、私は仕事を終えて一人住まいのアパートに戻ったら、すぐさま眠り、夜中に起きてマンガを描くのを習慣としていた。北の国からを録画したその日、見たくて見たくてたまらなかったのだが、美味しいものはとっておいて後からゆっくり食べるという根性の汚い私であるから、まずはいつものように絵を描き、朝になってから見た。コーヒーとトーストを準備し、気持ちをゆっくり落ち着けてテレビ画面を見た。螢と純、黒岩の五郎、ああなんと良いドラマだろうか…。自分が生きて来たつたない人生とかぶらせながら、心が揺さぶられるのをどうする事もできなかった。見終わった後、ある種の爽快感と共に体が言いようのない感動に包み込まれていた。震えるような心地よさで目を潤ませながら仕事に出かけた。そしてこれが病みつきになった。再放送は毎日ある。もう至福の時を当分過ごせるぞと思うと嬉しくてたまらない。

毎日コーヒーを沸かしトーストを食べながら、そして食後のタバコと一緒にゆっくりと見る北の国からは、これ以上ない最高のご馳走だった。もうサルのように何回も何回も繰り返した。反面、再放送がない土日は、実に味家のない生きる屍のような日を過ごしたのだ。そして、遂にやって来ました最終回。前回見逃した最終回を遂に見る時がやってきたのだ。その日、夜中目覚めた時から、そわそわした。いつものようにじっと耐えて我慢に我慢を重ねて、絵を描く。朝になれば感動の瞬間がやってくる。背筋がぞくぞくくるような感触の虜になっていた。トイレに行きたくて行きたくてじっとこらえて、もうボウコウが破裂する〜〜という瞬間に間に合うあの爽快感に似ている(全然違う)

その日はいつもと気持ちが違った。これで、この感触も最期かと思うと妙に気持ちが厳かになるものである。それも見逃した最終回。いつもの儀式を終えて、コーヒーをすすりながら、そ〜〜っと心を込めてビデオデッキの再生ボタンを押した。コマーシャルが録画されていた。でも早回しして見るほど心の貧弱な私ではない。コマーシャルも儀式のひとつと割り切って時の経過を待った。3年B組金八先生〜〜!と叫んで武田鉄矢が出てきた。あん、何でお前が出てくるねん。北の国からはどないしたんや。しばらく待った。次回の再放送の予告か?しかし、武田鉄矢はいっこうに姿を消す気配がなかった。
私は青ざめながらもはっと気がついた。前の日の新聞のテレビ欄を見た。(再)北の国から(終)の裏番組に3年B組金八先生の再放送があったのだ。わ〜〜〜〜〜〜な、何でや〜〜〜。また、はっと気がついた。前日、少し寝付かれなかったのでチャンネルを回してニュースを見た。当時のビデオはテレビのチャンネルが全てだった。今合っているチャンネルから録画するのだ。運命とは何と皮肉な巡り合わせで出来ているのであろうか。うわ〜〜〜!な、何でや、何でこんな事になるんや〜〜!。私は武田鉄矢を呪った。

武田の鉄っちゃんは、そんな事とは露知らず、長い髪を振り乱して演技を続けていた。人間と言うものは、極限の悲しみに出逢うとへらへらと笑うものだという。その時の私もあまりの事に動揺してへらへらしながら、きっと歌を口すさんだに違いない。てっちゃん、てっちゃん、かねてっちゃん、ちくわとかまぼこちょうだいな〜、へ〜〜い、へ〜〜いまいど〜〜、あ〜〜り・が・と・さ・ん…って、どあほ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

それ以来、武田鉄矢が大嫌いになった私である。(これは冗談)

(ふゆき)

職業別年賀状暑中見舞いステップ心暖まるお話診察券割引券