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File-731
責任の所在(up2002/07.27/pm11:40)

日本の経済がどうにも悪い。その原因の一端たる政治も官僚も集団運営で、書類一つに次から次へと認証印がある。みながハンコをつき合って誰も責任を取らないシステムになっている。こんな日本になったのは一体誰のせいか、誰も原因を追及せずに、誰も責任を取ろうともしない。じつに悪しき慣行である。自営で一人で仕事をしていると全ては自分の責になる。失敗しても成功しても全て自分が負うのだ。誰かが悪い。世の中が悪いと責任転嫁しても始まらない。自分が飢えるだけである。責任の所在は誤魔化しようもなく明快である。

私はデザイン業を営んでいる。グラフィックデザインである。その仕上がりを印刷会社に回す前にフィルムという形で納品している。このフィルムを出すのは出力センターと呼ばれるが、私が仕事でつき合っている出力センターは実に頑固である。以前の話だが、前に出したデータをそのまんま転用してもう一度出すという時、どうしても出なかった…。何でやと言っても、それはデータが悪いんやろとのたまった。そんな筈ないわ、前もそのまんま出したやんけ!だが、返事は冷たい。馬鹿を言うな、うちの機械に限って出ないなんて事がある筈がない。他は何ともないので、原因はそっちのデータが間違っておる…という訳だ。しかし最後には出た。私は問うた。何で出なかったんや。こんな答えが返って来た。どうしてもデータが悪くて出なかったが、うちの努力で何とか出しておいた。先に謝ったら負けというアメリカ型の出力センターである。

このセンターとは長いつきあいである。データのやりとりはインターネットが普及する以前から電話回線を使って行われていた。コンピュータからルータに繋げて、直接電話を掛けてデータを転送する。ところがいくら送ろうとしてもデータが送れない事があった。何度もコンピュータを再起動しても結果は同じ。出力センターも再起動したので互いにこっちは悪くないと言い張ったが、最後に折れて、分かった、もう一度だけうちのコンピュータとルーターを再起動して連絡をするという事になった。原因の追及はトライ&エラーしかない。私も心配になって何度も点検をした。コンピュータからルーターに向かってケーブルが出ているのを確認し、ルーターに繋がっているのを何度も確認した。ケーブルはジャングルの密林のつたのようにあっちへくるくる、こっちへくるくると曲がっている、線を引っ張って調べていると、土壇場で何と双方とも繋がっていない事に気がついたのだ。全く空のケーブルが刺してあっただけだったのだ。責任感の強い私は動揺した。ああ、何という事だ、自分が悪かったのだ。繋がらない筈である。出力センターから、準備が出来たと電話が入る。回線をつなぐとさっきまでの不通が嘘のように、当然ながらランプがついてデータ送信が始まった。

責任の所在をはっきりさせないのが日本人の悪い所である。私は申し訳ないと心を痛めながら原因と責任の所在を明確にすべく、電話でこう言った。

な、やっぱり繋がったやろ。そっちが悪かったんや。

世の中、原因の分からないトラブルは常につきまとう。ひとつづつ解決していかないと、誰も解決はしてくれない。現象のある所に常に原因がある筈である。ここ最近では私がシュンロー氏に送ったメールがどうしても届かないという現象に見舞われている。シュンロー氏と私の間だけに存在する奇怪な現象である。昨日もシュンロー氏からの俺明日の原稿が文字化けで読めなくなった。これまでにトラブルは何度も続いていて、それは君のメーラーの設定が悪いんちゃうか…と言っているのだが、何度も見たから俺は悪くない!と認めない。だが過去に絶対に悪くないと逆切れしたが、結局、設定を間違えていた前科を持つシュンロー氏の事である。今回も全幅の信頼はおけない。しかし、こうも毎度こっちから送った俺明日の原稿が届いていないとか、文字化けして送られてくると、悠長な事は言ってられないのが実状だ。何とかしなければならない。調子が悪いと言ってるシュンローMacintoshをきちんとメンテしてもらわなければならない。絶対に違うと言われても原因はシュンローMacintoshか、シュンローメーラーのどちらかにしかないに決まっているからである。

昨日家に戻って家のMacintoshで俺明日の原稿を受けてみて驚いた…。事務所で受けた文字化けの嵐の俺明日の原稿が家ではきちんと届いているのだ。私のMacintoshの不調が原因である疑いが濃厚になった瞬間だった。責任の所在をはっきりさせないのが日本人の悪い所である。私は違う。早急に自分のMacintoshのOSをアップデートして、然る後にシュンロー氏のMacintoshが怪しいので、メンテナンスをもう一度してくれというつもりである。それで問題が解決したら、シュンロー氏のMacintoshが悪かったという事になる予定だ。

現象のある所に必ず原因は存在する。今回の事はメールマガジンを見ている方だけへの告白なので、ここは一番、日頃の頑張りに目をつむって、この件に関してシュンロー氏には是非とも内密にお願いいたします。

(ふゆき)

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