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シャブ(upload.12.01/pm6:00)

私がタバコを吸い出したのは、中学を卒業して高校1年になったばかりの頃だった。いまは亡き幼なじみで悪友の「ふみお」が私にしつこくタバコを勧めたからだ。しかし、私は手にしなかった。当然悪い事であるという意識があったからだ。

しょっちゅう私の家に入り浸っていたふみおは、ある日タバコの残りを私の机の上にぽんと置いて帰った。意志の弱さには自信があり、しかも好奇心の強い16才の私である。手にとって大人の真似事をしてみるのに、それほどの時間は掛からなかった。タバコはまずい。決してうまいものではない。だが、それも一度二度と繰り返して行くうちに、なじんできてしまう。それはあたかも最初は嫌よ嫌よと言いながら、次第に……いや、こういう例えは良くない、やめよう。

置いて帰ったタバコが無くなった頃、ふみおにタバコが無くなったと言うと、彼はそうだろう、そうだろうと、さも満足そうに新しいタバコを置いて行ってくれた。何回かそんなやりとりがあった。ある日ふみおにタバコが無いか?と聞くと、彼はこう言った。


「自分で買え!」

実に理にかなった筋の通った意見ではないか。もっともである。こうして、私はタバコなしでは我慢が出来ない人生に踏み込んだ。

自分の経験値を人に伝えるのは、人類の責務である。そう感じた私は、幼なじみや級友を、すべてこの手でタバコのある人生に誘い込んだ。
これは、何かに似ている…と感じる人は少なくないに違いない。そうです、これはまさにヤクザが一般の人をシャブ中毒にさせる手口そのものではありませんか…。…というより人間そのものの弱点と言った方がいいかもしれない。人間は弱い、弱いから人間なのだ…と自分を慰めながらタバコがやめられない私です。

…という事で人間の弱さを象徴する、今日の絵はシャブです。(な、何でやねん)

(ふゆき)