地球環境に優しいという偽善じみた言葉が流布して久しい。だからと言う訳ではないが最近粗大ゴミの扱いは厳しい。堺市でも事前に連絡を入れて名前を告げなければ引き取ってくれない。それも2点までである。ゴミの日には意外に使えるんじゃないか…てなものも転がっていたりする。消費文化の権化のような光景が現れるのだ。 うちも例外ではなく、まだ動く窓型エアコンを捨てた。今から3年ほど前の事だ。私は勿体ないと思ったのだが妻が捨てろ捨てろと言ってきかない。粗大ゴミの当日の朝、仕方がないので枠ごと外して、まずエアコンを運んだ。家は4階である。階段をエアコンを抱えて降りる事になる。重い…。必死で抱えて降りた。階段下に名前を書いた紙を添えて置いた。それから再びエアコンの枠を取りに戻った。今度は枠だけだから、軽い…。楽チンである。どどどと階段を駆け上がると枠を取って戻った。その間、約1分か1分半。 だが枠を取って階下に降りると恐るべき光景がそこにあったのだ。今、下ろしたエアコンが無くなっている。咄嗟に私は周りをあちこち走って辺りを眺めた。だが、そこには人影すらなかった…。どうやって持っていったのだろう。階段から昇り降りの際に人影があれば、見ることが出来る。すると、私が家に枠を取りに行った間の階段の昇降分を差し引いた残り30秒ほどで、エアコンを抱えて姿を消し去った事になる。そんな人間技とは思えない事が現実にあるのだろうか…。 もしどこかに潜んで居て、家に入った瞬間エアコンを抱えて運んだとしても、その後降りてきた私の視界から消え去るには1分や2分は掛かりそうだった。辺りを探した私の目にエアコンを抱えて逃げ去る人間が居た筈である。一体どんな方法を使って持ち去ったのだ。車で持ち去るしか方法はない。だがその余裕時間は30秒ほどしかない。その30秒間に瞬時に判断して、エアコンを車に積み込んで走り去るしかないのだ。だが、だがである。私がよっこらしょ…とエアコンを下ろした時には辺りに人影はなかったのである。実に不思議だった。これは、うちの家に盗聴器と隠しカメラを仕掛けて、エアコンを運び出すタイミングを計って複数の人間が共同作業でやったとしか思えない仕業だった。ス、スパイか…。東側か、西側か…。 昨年、14インチのテレビを捨てた。赤い色の実に古いテレビである。まだ映る。だが要らなくなったので捨てた。エアコンの事が頭にあった…。スパイの姿を見たいと思った私は、テレビを置いてから、階段を上がってそっと覗いていた。しばらく待ったが誰も来なかった。ま、いくら映るといっても古い14インチのテレビだ。新品でも1万円程度で買える。そんなものわざわざ持っていく物好きがいる筈はない。あはは、さ、仕事に出かけるか…と思って家を出た数分後、テレビは無くなっていた…。 やはり誰かが監視しているようだ…。 (ふゆき) |
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