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レオタード(upload.9.18/pm10:15)

ここの所電車の中で週刊誌をよく読むのだが、グラビアに裸が多い。それもついこの間までは見せてはいけなかった筈のヘアが堂々と出ているものばかりだ。ヘアどころか私が子供の頃は裸ですら、雑誌ではそうそう拝めなかった。だが普通の週刊誌でも堂々と出ている。世の流れの速さはどんどん加速しているように思える。昔は見ることが出来なかった陰の部分が今では誰もが苦労なく見えてしまうのだ。インターネットでのアダルトサイトに至っては、昔なら暴力団関係の手を借りないと見ることが出来ないものだったに違いない。そんな溢れる情報を手にする現代の少年は同じ年齢であっても、自分の少年時代とは精神年齢が随分違うように思える。永井豪のハレンチ学園が悪書に指定された事なんて、今から思えば取るに足らない事のような気がする。

それはまだ私が中学校の頃の事だ。私は当時はちびで、講堂に整列すると、いつも最前列に近い方だった。ある時、後に私が進学する事になる高校の女子体操部が演技をする為にやってきて、全校生徒が揃って見学と相成った。その高校は、元々が女子校だった事もあって定員が男より女の方が多かった。当時は男が少ない事もあってスポーツは全般的にだめだったのだが、体操だけが割と強かった。

し〜〜んと静まり返った講堂に体操部がやってきた。5人の団体で演技をするのだが、まとっていたガウンを脱ぎ去るとそこにはレオタード姿が現れた。今ではなんという程の事もないのだろうが、当時としては衝撃的だった。半分はみでたお尻に食い込んだレオタードが至近距離で自分の目の前を右へ左へと動く。しかも生尻である。いわゆるかぶりつきの状態だ。何と言っていいのか分からなかった。興奮したという訳ではない。妙に見ている事が恥ずかしかった。見てはいけないものを見ているような、息苦しさを覚え、もしかしたらそれを見ている自分の挙動を周りから観察されているかのような、錯覚に陥ったのだ。

演技している方も少し恥ずかしそうだった。それが伝わるから余計に見てる方も恥ずかしいし、照れるのだ。短くて実に長い演技が終わるまで、誰もが同じ心境だったのか、講堂は静寂に包まれていた。物音ひとつしない、だだっ広い講堂で、演技する人の床をこする音だけが聞こえた。それは私が初めて見た弾けるような、おんな(女性のボディーライン)だった。(絆創膏を貼ったおばはんは何度も見た事がある)見ていた男たちの視線はきっと矢のように彼女たちを貫いていたに違いない。

オリンピックが始まって、サッカーも勝ったし、スポーツを観るのが好きな私は嬉しいのだが、ふとその時の事を思い出した…。

(ふゆき)