先日、シャネルズのメンバーだった田代まさしが盗み撮りで警察につかまった。事情をテレビでみながらほんまかいな…と思ったり、疑ったりしたのだが、同世代という事もあって、何だか人ごとのようにも思えない。ほんまにスカートの中からパンティを撮影したいのなら、有名人なら方法はいくらでもあるだろうに…とも思える。 まだ20代の頃だ。その田代まさしが顔を靴ズミで真っ黒に塗ってランナウェイのヒットを飛ばす少し前の頃だ。当時11PMで日本初か二番目のノーパン喫茶が開店したのを、イソノエータローが、ポールモーリアのエーゲ海の真珠のテーマソングに乗って取材していたのを見た。場所は大阪ミナミだという。当時、テレビを見ていた独身寮の仲間と次の日曜日に、後学のため行ってみようという事になり我々は大阪はミナミへと出かけた。場所は全く分からない。ただやみくもに歩きながら、見てみい、エーゲ海の真珠が流れて来そうな通りやで。とか冗談を言いながら、適当に露地を入って歩いていった。それが若さというものである。 見つかるとも思ってなかったのだが、偶然にも開店の花輪が飾ってある店があった、近くでよく見ると花輪には『朝丘雪路』と書いてある。こ、ここや、こ、ここやんけ、テレビでやってたのは。と顔を見合わせ小声でささやきあいながら、我々はびびって何も見なかったかのように通り過ぎた。ノーパン喫茶が話題になる位だから、当時としてはそれが普通だったかもしれない。 最初の角で曲がると、我々は刑事になる決心をした。犯人を尾行して見逃さないように、素早く半身になって、今歩いて来た方を監視する体勢に入った。誰からともなく声が漏れた。ど、どうする?や、やめようか、いや、ここまで来たんやで諦めたらあかん、い、いくら何でも…は、恥ずかしいで、口々に言い合ったが、未知への探求心の誘惑に勝てずに、意を決して我々は現場にガサ入れのために踏み込む決心をした。 店内は実に陰気だった。我々は顔から火がでるほど恥ずかしかった。皆、下を向いてた。店には数十人の客がいた。しかし、誰一人、声を発する者はいない。ごくりと生唾を飲む声さえ聞こえそうな重苦しい雰囲気だ。ウエイトレスと言えば、今にして思えばただミニスカートをはいてるだけで、それほどいやらしい格好ではない。ただ、ノーパンというふれこみだけでみんなが女の子に視線を浴びせる。本当にノーパンかどうかは実際にスカートをめくってみなければわからない。 だが、ウエイトレスが1杯500円のコーヒーを運んで来て、カップを置くために少し前屈みになると、僅かの隙も見逃すまいと周囲は目を皿のようにして視線を集中する。それは少しも風景としては嫌らしいものではないのだが、そこに介在する精神は病んだかのようによどんで、周囲を窒息させるかのようだった。スカートの下は何もつけていないという想像がそこにいる全員の脳の中をえぐり出す。我々は、コーヒーを飲むとすぐに現場を後にした。出たあと、窒息しそうだった胸に思いッきり酸素を送り込み、はぁ〜と全員ため息をついた。皆、口にはしなかったけど思いは同じだったに違いない。 結局頭の中に全てはある。良いことも悪いことも…。行動だけでは測れないのだと…つくづく思ったものだ。マーシーはさほど特別な芸があるとも思えない。人柄だけでここまで来たのだが、これから仕事があるのだろうか…と人ごとながら気になる今日の私だ。 (ふゆき) |
|
|
| ● |
![]() |
|
| ● |