狂牛病の事がとやかく言われている。後手後手に廻るのが得意な日本伝統の事なかれ主義の官僚組織であるから、何かまだあるに違いない…と疑っている人がいるのかもしれない。心理的な影響は大きいようで、牛肉が売れないそうだ。売場も元気がない。どこに行っても余っているようだ。こうなると、台風の土砂降りの中で露天のたたき売りをやっているようなもので、どんなに工夫しようが、手を打とうが客は来ない。台風が過ぎて、晴れるまでじっと待つしかないのだろう。狂ったのは実は牛ではなく、牛を売ってる業者の思惑だったようだ。うちの事務所の近くの焼肉店はどうなのだろうか?このままではスキヤキが絶滅してしまうと危機感を募らせる私である。 何を隠そう私の幼い頃、家で親父が肉牛を飼っていた。…といっても別に牛と一緒に家の中で住んでいた訳ではない。僅かな頭数だったが、子牛を買ってきて大きく育てて高く売るのだ。その差額から餌代を引いた利ざやが儲けである。万が一発情して子牛を産んでくれたら丸儲けである。だが、世の中はそうそううまく運ばないを実践していた。ああ、また肉が食えない肉牛生産者の少年の悲劇を思い出してしまった…。 狂牛病とは、牛海綿状脳症というのだそうだ。異常プリオンのせいで脳がスポンジ状になり、いわゆるアルツハイマーのような症状になるらしい。記憶をつかさどる場所がやられるのだから物事を覚えられなくなる。保存するハードディスクが壊れたコンピュータで保存しては消えて、また作って保存して消えるデータを作っているようなものだ。あ、あまりに悲しい…。 しかし、物事をマイナスばかりで考えていては進歩はない。前向きに明るくとらえたい。常にプラス思考が私の良いところである。土砂降りの中で嘆いている肉屋さんの事を考えると何とかしなければいけない。この狂牛病を世のため人の為に役立つように出来ないものか…。 誰だって忘れてしまいたいこと、思いだしたくもない事があるに違いない。これを何とか出来ないだろうか。恋の病に牛肉を食べよう…とか。トラウマにウシを…とか。 例えば鬼より怖い借金の取り立て屋に牛肉を振る舞うというのはどうだろう。そうだ、これだ。借金トリに金を貸した事を忘れてもらえれば実に美味しい話ではないか。スキヤキより美味しい。トリにはウシで対抗するのだ。ただひとつ問題があるのは、潜伏期間が結構長い事である。借金を忘れてもらう前に牛肉代でさらに借金が増大して破産する覚悟が必要だ。一歩間違えば、コンクリート詰めにされて海に沈められる恐れもある。しかし貸した事すら忘れてくれるのだ。これを黙って見過ごす手はない。 だが、大事な事をひとつ忘れていた。人間というものは自分の都合の良い事ばかりが頭に残るって法則だ。もしかしたら、借金を返してもらった事だけ忘れてしまう恐れがある。すると何度返しても取り立てにくる理不尽な目に遭う事になる。お、恐ろしい。狂牛病そのものより恐ろしいではないか。しかも一歩間違えば、コンクリート詰めにされて海に沈められる恐れもある。そして、沈めた事すら忘れられてしまうのだ。 こ、このアイデアは無かった事にしましょう。常に発想に何かひとつ足りない。これが私の悪い所です。借りたものは返す、それが人間としてのつとめです。しかし、物事をマイナスばかりで考えていては進歩はない。前向きに明るくとらえたい。常にプラス思考が私の良いところである。え、何、さっきも同じ事書いたって…。 う〜〜む。一昨日のまずいハンバーグで、どうも私、狂牛病になったようです…。 (ふゆき) |
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