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堺探訪の旅(up2002/02.23/pm8:30)

私は大阪府堺市に住んでいる。堺市は大阪市と隣接した人口80万〜90万の都市である。事務所も堺市街地にある。古くは千の利休や与謝野晶子で名が通っているが、何といっても有名なのは最近忘れ去られつつあるO-157だろうか。しかし、それだけではない、元祖愛犬家殺人事件は堺で起きた。犯人が逮捕されたのは市街地にある結婚式場の前である。逮捕劇があったその時、私は100メートルほど離れた(引っ越す前の前の)事務所で徹夜で仕事をしている最中だった。それだけではない、その犯人の実家は市街地の中程にある商店街の外れのストリップ小屋の斜め前だったのだ。しかし、さらに驚くべき事に、その家の一件隣のファッションマッサージ店では、逮捕劇の1ヶ月程前に店長がメッタ刺しにされるという惨殺事件が起きたばかりの場所である。さらにさらに驚くべき事に反対側の角の一件となりのスナックではホステスがその1年ほど前に殺されるという事件があった場所だ。地元では黄金のデルタ地帯と言って恐れられたそうである。私も逮捕された次の日、黄金のデルタ地帯を見学に行ったほどである。

ちょっと前インターネットで、のぞきカメラを使って金を取って男と女のセックスをネットを使ってリアルタイムで流していた倶楽部が大阪府警に摘発された。なんでも3億円も稼いでいたそうだ。何が凄いといって、警察が踏み込んで逮捕したその瞬間もインターネットで流されていたらしい。会費を払って見ていた人は、きっと、こりゃあ、ええもん見させてもろうたわ…と喜んだに違いない。裸を見るより余程臨場感があって刺激的である。そして、その場所も堺である。どーだ凄いだろ。

先週末の事であるが、私がいつも事務所から帰る堺東駅前で、朝10時頃にサラ金強盗があった。40万を強奪されたそうだ。4000万とか4億だとかいう数字ではなくこの40万円って中途半端な金額が如何にも堺らしくて良い。ニュースにするにもどこか中途半端である。それで驚いてはいけない、さらにその3日後、ガソリンをばらまいて違うサラ金でお金を強奪する事件がおきた。今度の被害額はなんと、驚くべき事に…

10万円だった。

ますます堺らしい。どーだ参ったかと言わんばかりのこの金額が気に入った。よぉ〜10万円程度で強盗なんかするわ、ほんま。

とにかく住んでいて思うことは事件が多い。実に楽しくて住みやすい場所である(何でやねん)だが何故か大阪や神戸、京都といった都市からみると目立たず埋もれている。だからという訳でもないだろうが、堺に本社がある会社はどうも奇をてらったコマーシャルをうつ傾向がある。有名な所ではサカイ引越センター、最近めきめきと名を売りつつあるタケモトピアノ、古い所では当たり前田のクラッカーを作っていた前田製菓も堺にある。普通では目立たないからだろうか。

ちなみに事務所から歩いてちょいの所にタマノイ酢の本社もある。最近日曜朝のサンデープロジェクトのスポンサーになっている。見慣れた本社ビルがテレビに出る度に偉くなったものだ…と感心している。だけど、私の所に一度として仕事の依頼はない。そのせいだからだろうか、キッコーマンやミツカンなんかと比べるとどこかローカルの匂いが消えない(それがどーしたって、書いてみたかっただけや)

さて、事務所からそのタマノイ酢と反対の方向へちょいと歩くと実に異様な建物に出くわす。建物自体が真っ黄色で、その看板に下品なネオンと実に下品な真っ赤な文字が踊っている。日本一安いと書かれ、さらに下品なダミ声で安い安いを連呼している。一見パチンコ屋のような趣のこの店。24時間営業のスーパーである。決してコンビニではない。だが、確かに安い。それも異様に安い。今日のお昼はここで弁当を買った。ここの惣菜は何でこの金額やねんっちゅう位に安い。今日はハンバーグ弁当を買った(写真)。312円だ。安いのでついでにデザート代わりに大福餅の2個パックも買った。78円だ。400円でお釣りが来た。この間シュンロー氏と一緒に天丼買った時は250円ほどだった。これが結構うまかった。しかし、しかし、これで驚いてはいけない。時間を外して買いに行くと、さらに100円引きになっていたりする。その時も天丼買って、喉が乾くのでウーロン茶のペットボトルを買い、レジに行くと、弁当はたまたま100円引きになっていて、さらにウーロン茶も10%引きで、都合250円でお釣りが来た。なんちゅう安さや。

何でこんなに異様に安いねん…と思うのだが、確かに店内でせっせと惣菜を出したり入れたりするおばちゃん達の声を聴いていると、どうにも聞き慣れない言語である。外国人を使って人件費を浮かせているようだ。見えない惣菜加工場では、もしかしたら包丁ではなく青竜刀が活躍しているのではないか…とすら思ったりする。ここの社長は外国人を不法就労させたとかで逮捕された事もあるそうだが、かといってサービスとかが悪い訳でもない。商品がおかしい訳でもない。しかしその分、売場は下品このうえない。だが実にその下品さが実に堺にぴったりと似合う店である。

帰りに少し斜めに構えた陰のある男に出逢った。男はじっとこちらを見ている。私はその男に向かって心の中で呟いた。あんたみたいな少し上品な男は、この堺には似合わないで〜!すると、どうだろう、男はニヤリと笑って、それも取り合わせの妙さ…とじっと私を見ながら言ったのだ。き、気のせいか…。でも確かにショーウィンドーのガラスに映った自分がそう言ったような気がした。

も、もしかして、俺って堺に似合わへんのかなあ…。

(ふゆき)