毎日毎日、デリバリーヘルスなるチラシが入っている。いわゆる宅配風俗である。田舎では考えられないかもしれないが、都市部のマンションのポストは入れやすいのだろう。事務所が市街地という事もある。近くにワンルームマンションがあるので、ついでに入れるのかもしれない。わざわざマンションを選んでポスティングしているとも思えないので利用する手合いが居るからついでに周辺に放り込むのだろう。可愛い笑顔のどっかでパクったに違いない著作権無法地帯の画像をこれでもかという位に使ってある。オールヌードでじっくり診察、ローション縫ってぬるっと診察、官能診療所とか、ナースで本生GO!GO!(淡麗生はどーした)とか、唇名器だとか、何じゃこれ。全部今日入っていたチラシだ。 表には金額が書いてある。ああ、何という事であろうか。15000円とか20000円とか書いてある。働く女性を育てた両親からすれば、この為に育てたんやないで〜!と嘆く筈だ。女の子ではないが、子を持つ親として彼女達にひとこと、あたら貴重な青春を売春の如くにしてしまう君は、将来後悔しないのか…今はよくても必ず将来に禍根を残す事になるで〜。体の傷は癒せても心の傷は癒せないんだぞ〜って、沢田研二の唄じゃないけれど、断固として言いたい。そして、もうひとことだけ付け加えるならば… せめて5000円位にならんもんか。(何でやねん) しかし、この手は男に向けてのものばかりである。女性向きのチラシは入っているのを見た事がない。どっかに存在しているのだろうが、もし女性向けの男のデリバリーヘルスのチラシだったらどんなのが女性に受けるのだろうか、商売柄気になるところである。女性は何を好むか、まずはそこから入らなければならない。女性が電話を掛けたくてもだえるようなものを作って下さいって言われて作るとしたら自分だったらどんなものを作るだろうか…と考えてみた。 男の裸をこれ見よがしに印刷してあるものを女性が喜ぶとも思えない。そこは、女性である。あたしは男が欲しくて電話を掛けるんじゃないわよ…って大義名分がいるに違いない。恋に憧れるのは女性の常だ。チラシに直接60分14000円だとか何とかでかでか書くのはもっての他である。写真はマッチョで肉体を鼓舞するようなのは避けなければいけない。デブやハゲ等とんでもない。女は心が一番大事よ…と言いながら、やっぱりみな面食いである。キムタクみたいな顔でボクとひとときの恋をしませんか…ってのが良いかもしれない。美少年系は外せない。相手が水商売ばかりのホスト倶楽部なら、また違うのだろうが、相手は殆どが一人暮らしの独身女性か、夫に相手をされない寂しい主婦なのだから、そこは考えなければいけないところである。 しかし、やはり問題は金額である。性感マッサージ代60分…なんて書いては、掛けた人が自己嫌悪に陥ってしまう。ああ、何て私はふしだらな女なんだろう…なんて思わせてはいけない。だが費用はきちんと表示しなければならない。彼氏とデートしたって洋服にお洒落にお金がかかる。ここ一番の勝負パンツをはこうものなら、セクシーな下着にも金が掛かる。そうよ、明美なんて男に体もお金も貢いで結婚資金を湯水のように注いでいるわ。優子なんて、犬とバター代に大金使ってるわ。倫子なんて毎日違う男の精液で顔パックしているわ。何よ、それから考えたらあたしの方がずっとずっと純粋で清純だわ。心の隙間をちょっと埋めるのにケア代を使うだけよ。 そう思ってもらわなければならない。よし、心のケアとエステ料金としておこう。 しかし、そこは建前と本音がある。あからさまには表現しなくとも体も満足したいに違いない。見た感じは少しもいかがわしくなく、その根底に流れる思想にたっぷりといかがわしさと期待感を蓄えなければならない。なかなか難しいな。よし、コピーは心と体のケアにしよう。必ず満足させます…というコピーは小さくとも入れておきたい。当倶楽部スタッフはジャニーズ系を揃えております…と小さく入れておくか。 しかし、女性は価格に弱いしなあ。こういうご時世だからディスカウントは必須アイテムやな。しかも高級感のあるものが安い。これが女心をくすぐる。白を基調に金色を使って高級感を出してやれ。ただ今キャンペーン期間中、オール20%OFFと入れておこう。よっしゃ出来た。 え、デザイン代はいくらかって?えっとスタッフとして5人分ほど働かせてもらうってのはどんなもんでしょ。いや働くギャラは要りませんわ。しかし、あれやな、ジャニーズ系と言って中年の男が行くのは実に申し訳ないな。俺の分もチラシを作っおくか。けど、金とるなんてさらに申し訳ない事この上ない。よし、こうしておこう。 料金は1時間10,000円お支払いします(何でやねん) (ふゆき) |
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