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File-820
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君の相手は1万ボルト(up2002/12.14/pm7:45)
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年賀状から来た皆さん、こんにちは〜。何と言いますか、インターネットでも袖すりあうは多少の縁。ここにこうして飛んできて、読み始めたのも何かの縁でしょう。この俺明日は1日しか置かない絵と文をアップするものです。え、1日しか置けない代物だから1日しかおかないのだろうって…。どうして人の心が読めるのでしょうか。しかし、今日は断じて違う。土曜日だからだ。日曜日は更新しないので、力が入る。な、何と、せめて2日間は置くに耐えるものを置く決まりになっているからである。(全く自慢にもならん)注意/2002年にアップされたものです
アリスの堀内孝夫が昔、君の瞳は〜〜10000ボルトォ〜〜〜と資生堂のコマーシャルで歌った。相手を見た瞬間電流が走って、衝撃を覚えたという話だ。まるで地上に降りた天使のようだと。ここに来た人が、この俺明日に電流が走って衝撃を覚える人が一人でもいれば、私はとっても幸せだ。今ではすっかり中年になってしまったが、そんな私にも相手を見た瞬間、頭を金槌で殴られたような衝撃と電流が走った瞬間がある。それは、まだ20代前半の頃だった。
ある日突然、見知らぬ女の人からいきなり是非とも逢いたいと電話番号を書いた手紙が届いたのは会社の独身寮に住んでいた時の事である。当時、会社の同僚の手紙の代筆を頼まれ、書いた事があったのだが、それがばれた。そしてその相手の友人という女の子が代筆していた私に興味を持って書いてきた手紙だった。しかし、そんなうまい話は、そうそうころがっていない。こういう場合、綺麗な子がそんな面倒くさい事をする筈がないと思うのだが、若さとはどこかしら希望というものを捨てきれないものらしい。もしかしたら可愛い子かもしれないという僅かな望みも捨て切れなかった。そして、大阪ミナミの心斎橋で逢う事になった。
私は当日落胆を避けるために、う〜〜んと最低ラインを低く低く下げて、思いきり理想を下げるだけ下げて時に臨んだ。ソニービルの前で逢う事になったのだが、相手は白い服を着ているという。だが、土壇場でどこか臆病さが表に出る。人間は顔だけではない。今ならそう言えるが、当時はまだ若かった。やはり外見に左右される。その場と時が近づくにつれ、どんどん憂鬱になっていった。そして、いざとなったら別人になりすまそうと心に決めた。少し早めに行って待ち合わせの場所の裏から廻って遠回しに白い服の女を探した。…が、いない。相手が現れない事に少しほっとした。しかし、人間というものはどこかしら希望というものを捨てきれない。今だから白状するが、もしかしたら白い服を着た絶世の美女が現れるかもしれないという一縷の望みを捨てきれない未練があったのだ。
約束の時間になって相手がいない事に安堵感を覚えつつ、段々どうでも良くなった。そんな事をしている自分にも嫌気が差して帰ろうとしたその瞬間の事だ。運命とは実にいたずらである。バスが到着して、白い服を着て降りてきた、未だかつて見たこともないような美女がいきなり私を見るなり、こう言った。
「あ、ふゆきさんですね…私、○○です」
その瞬間、頭を金槌で何度も殴られたような衝撃を覚えた。その白い服を着た美女は、私の人生の中で見たどの女性より醜かった。まったく、その方には全く申し訳なく失礼な事なのだが、およそ自分で想像しうる最低ラインを大きく踏み外していた。その時私は、油断していた。安堵感とともにそこを立ち去ろうとしていたときだったからだ。洋画の恐怖映画の常套手段で、今来る、今来ると思わせて来ない。そうか…来ないんだと安心させておいて、いきなり出てくる恐怖の瞬間。13日の金曜日のジェイソンみたいなものだ。まさに私は怯えながら、何だ違ったのか…とほっとした瞬間に不意をつかれてジェイソンに出くわしたような衝撃を覚えた。手足に電極を付けられた電気椅子で10000ボルトの電流を流されたかのように凍り付いた電流が体中を走り抜けた。
ね、ふゆきさんですよね。
念をいれようとするジェイソンに向かって、いや彼女に向かって、最初から別人になりすまそうと心に決めていた私は大きく首を横に振りながらこう言った。
は、はい…
わ〜、良かった。やっぱり、ふゆきさんだったんですね。彼女はそういうと、私の腕の中に強引に自分の腕をからませると、私を心斎橋筋へと引きずっていった。うわ〜〜〜な、何でやねん、何でやねん、何でこうなるんや!私は声にならない叫びをあげながら、市中引き回しの刑に処せられたのだ。行き交うアベックの男達の勝ち誇った刺すような視線を浴びながら、もし、もしも生まれ変われるものならば…今すぐ、俺は君になりたい…と叫んだ。
こういう書き方は全くもって実に失礼な書き方である。不快に思う方もいるかもしれない。だけど、その時は未熟な若さだった故とご勘弁下さい。女は顔やない。そんなもんすぐ飽きる。今なら心からそう言える。女は顔やない。肉体や!(すんません、これは単なるお約束です)所詮、この世は男と女。どうしても相性がある。雌ネジと雄ネジの口径が違うだけだったんだろう。いくら考えたってネジ山の違うボルトとナットが締まる事はないのと同じで、相性が良ければ、ぱっと掴んでぱっと回してもネジさえ合えばボルトにナットは入り込む。ただそれだけの事である。
一番いいのは、このナットが合うかなあ、合わんか…じゃあこれはどうだ、あ、これもダメか。ならこれはどうだ…。と試行錯誤していくのが一番だ。もし、もしも生まれ変われるものならば、私はネジ口径の合うナットを探すボルトになりたいと願う。間違ってもナットに合う、探される10000個のボルトにはなりたくない。
その時の彼女に逢ったなら、今ならきっと私はこういうに違いない。ごめんなさい。私のボルトとあなたのナットはネジ山が違っていました。だけど、私はあなたにピッタリと合うボルトを知っています。姓は川上と言うんですが、どーですか、名前も聞きたいですか?