1982.8.8
「失踪当時の服装は」 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫
地味だが、ていねいに書き込まれた警察小説で、ぐいぐいと終りまで引っぱっていく。瀬戸川猛資がウォーを本格ミステリ作家だと言ったが、少なくとも本書は本格味はないね。やっぱり警察小説だよ。それと、たしかに「ロゼナンナ」(マルティン・ベックもの)はよく似てる。
ひとつ気にかかるのは、捜査が非常に荒っぽいこと。捜査令状もなんにもなしで、平気で家宅捜索なんかやってんだもんな。87分署の連中なら、まちがいなく二の足を踏むところ。ミランダカードもない時代の警察小説というわけだ。