1988.2.21
「A RIGHT TO DIE」 レックス・スタウト Bantam Books
タイトルは「生存権」にからませたもので、黒人問題を扱っている。扱っているといっても、そこは娯楽作家スタウトだから、ストーリーの背景に使っているに過ぎないが、リベラリストとしての彼の主張は方々に見える。
プロットの方は、あるきっかけでウルフは真相に気づくんだけど、読みにくくて、飛ばしていた部分だったので、あれま、ということになってしまった。ただ、これ、弱いけど。別に犯人が、その条件である必然性はないから。もっとも、これを決め手にしているわけではないので…。そこを除けば、最初のエピソードがひょっこり生きてくることや、ウルフの主張が的を射ていたことが判るなど、うまく出来ている。
犯人を特定できるだけのデータは出ていないので、本格ミステリとしてプロットは上々とは言えないだろう。そんな積りでこっちは読んでないから、構わないけれど、犯人の出し方が唐突な気は、やっぱりする。でも動きがあって面白かった。
なんとなくだけど、ウルフものは後期の方が、プロットは杜撰でも、動きのある面白さがあるように思える。