1995.4.22
「麻薬シンジケートを撃て」 ウィリアム・D・モンタルバーノ&カール・ハイアセン  サンケイ文庫
ストーリーの展開や、背景などは、ハイアセンの単独作に、かなり良く似ているように思う。ちょっと違うのは、主人公の在り方で、本書の主人公は、平和な不自由のない生活を送っていたのが、あるきっかけで、フロリダの闇の社会に、否応なく飲み込まれ、それに立ち向かうことで、新しい自分を発見していくわけで、なかなか前向き?ではある。ハイアセン単独作の主人公は、世の中に失望したドロップアウトであることが多いのと、ちょっと、興味深い対比かもしれない。
あと、アーサーも、最初に登場した所では、馴染み深いハイアセン流キャラクターと見えて、結局、それほどエキセントリックな人物でもなかったりする。一言で言って、人物がまともな小説。(あくまでも、単独作と比べて、だけど)
舞台となっているフロリダの、裏の社会の闇の深さというのが感じ取れるし、麻薬組織の暗闘や、それに挑む主人公の戦いは、ずいぶん読み応えがあった。ただ、主人公の設定が設定なので、単独作に見える、世間を笑い飛ばして絶望をまぎらせるというような感覚は薄い。その分、独特な味わいには、ちょっと欠けているような気がする。この辺は、やはり共作であることから来るものなのかな?