2003.8.1
「殺人者の顔」 ヘニング・マンケル 創元推理文庫
社会を描こうとする姿勢、陰鬱でありながら、妙にのどかな雰囲気など、マルティン・ベックのシリーズを思い出さないわけにはいかない。あれよりは堅苦しくないが、小説のそうした性格上、割り切れないもやもやしたものが残る所は同じ。捜査の過程や人物像がしっかり書き込まれているけど、主人公に関しては、すぐドジを踏むコミカルな部分の描き方が、小説全体とうまく調和してない気がする。