相続時課税精算制度の適用を受ける手続
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告をする必要があります。
贈与税を申告する際に次の書類を添付して提出しなければなりません。
- 相続時精算課税選択届出書
- 相続時精算課税に係る財産を贈与した旨の確認書
- 受贈者の戸籍の謄本又は抄本(受贈者の氏名、生年月日、受贈者が贈与者の推定相続人であることを証するものであること)
- 受贈者の住民票の写し(受贈者が20歳に達した時以降の住所又は居所を証するものであること)
- 贈与者の住民票の写しまたは戸籍の附表の写し(贈与者の氏名、生年月日、贈与者の65歳に達した時以降の住所又は居所を証するものであること)
贈与者が死亡し相続が開始した時は、相続時課税精算制度を選択した財産を特別受益分として相続財産に加算して相続手続を行います。
相続時課税精算制度による生前贈与
贈与の制度では、生前に土地や建物などの財産を親が子に贈与した場合でも、年に110万円の基礎控除を超える贈与を行った時は、110万円を控除後の課税価格に対して200万円以下の10%から1000万円超の50%−225万円という多額の贈与税がかかるために生前贈与は困難でした。
相続時課税精算制度の適用を受けることにより相続と同じ感覚で
生前贈与をすることができます。
例えば、3,500万円の不動産(土地3,000万円、建物500万円)と、2,500万円の動産(銀行預金1,500万円、株式1,000万円)を持つ親が長男に不動産を、次男に動産を相続時課税精算制度を選択して生前贈与した場合には、贈与税として200万円かかりますが、将来相続時に200万円は還付されます。
贈与税 長男分 (3,500万円-2,500万円)x20%=200万円 次男分 (2,500万円-2,500万円)x20%=0円 相続税 基礎控除額 7,000万円(5,000万円+1,000万円x2人) 相続財産 6,000万円
(贈与時と相続財産の価額が変わらないと仮定)
※相続財産が基礎控除額以下なので相続税は0円です。
従って、相続税の納付義務は発生しません。還付請求により贈与税200万円が相続時に還付されます。
相続時課税精算制度の適用を受けた場合には贈与制度の毎年110万円の
基礎控除を放棄することになりますので、毎年少しずつ贈与したほうが
有利な場合がありますので注意が必要です。
相続時課税精算制度には次のようなメリットとデメリットがあります。
- <メリット>
- 将来値上がりする財産の贈与
- 相続時精算課税制度は、生前贈与した時点の時価が相続税を精算する際の評価額となりますので、相続税精算時に値上がりした場合でも贈与時点の時価で相続税が計算できます。
- 住宅取得等資金を親から子供に贈与する場合、相続時精算課税制度を選択すれば3,500万円の非課税枠を使うことができ、贈与税の特例よりも有利です。
- 相続時課税精算制度を選択することにより、生前に親の意思で子供に各々2,500万円の非課税枠を利用することにより、無税で財産分割をすることが出来ます。(2,500万円を超える部分についても一律20%の相続税の前払いをすれば財産分割できます。)
- 生前に親の意思で財産分割をすることにより、死後の遺産分割のトラブルを生じないようにすることができます。
- <デメリット>
- 相続時課税精算制度により生前贈与した財産が、相続税精算時に値下がりした場合でも贈与時点の時価で相続税が計算されます。特に株式のように変動の激しい財産は注意が必要です。
- 相続時課税精算制度を選択すると従来の贈与税の基礎控除(毎年110万円)を放棄することになりますので、長期にわたって毎年少額の贈与を続けたほうが有利になることがあります。
- 相続時精算課税制度を選択した小規模宅地等については、相続時に小規模宅地等の課税価格の特例が受けられません。

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